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晴耕雨読で住まいを造ろう

都会を離れ農的暮らしをしながら、日々住まいについて考え、家造りを家族と共にDIYで実現させた日記・・その後

ものの順序(図面の配置について)

2006年11月07日 |  設計の仕事
 少し堅い話でつまらないかもしれません。たまたま若い人が書いた図面を見て、「あれ?」と感じたことです。


 私たち図面屋は、創作物を図面で表現します。画家がキャンバスであったりするのと同じです。そこに、図面表現の上手い下手があるのは仕方のないことですが、一枚の図面表現には暗黙のルールがあって、これを外れるような表現をみると、図面の内容以前に「あれ?」と思うものです。

 一つの例ですが、一枚の図面に二階建ての平面を表現するとします。通常図面用紙は横にして見ますので、もし左右に各階の平面がレイアウトされる場合。多分1階が左で2階は右に配置されるでしょう。もし逆に配置されていても我々日本人は文字の横書きも(左から右へ読む)縦書きの(上下に視線を走らせるが全体的には右から左へ移行する)習慣もあるので、さほど違和感なく図面を見ることができます。ちなみに、私たち職業人は逆さまにしても図面を読むことができるよう訓練されています。器用な人は、相対して座ったお客様に見やすいように図面を提示して(自分は逆さまに見ている)、その図面にお客様が読みやすいように逆さまの文字を図面に書く・・なんて、特殊技能をもっている者もいます。私はできませんけど。

では、上下に平面を配置する場合はどうかというと、私なら1階を下に、2階を上に配置するようにします。これは無意識に階の上下(天地の関係)を見る図面に反映させているからです。ところが、たまに、1階2階を上下関係ではなく、数字の順番(1が上位で2が下位と考えているのでしょう)として捉え、1階が上で2階が下に配置された図面を見ることがあります。このような図面を見ると・・(私だけかもしれませんが)「あれ?」を通り越して、ほんとうにガッカリするのです。

 同様に、各面の立面図(東・西・南・北面)を一枚の図面の中に配置する場合。東西南北の順序で配置しては駄目です。仮に南立面の右には東立面、左には西立面を配置するほうが、はるかに自然に図面を見ることができるのです。ちょうど子供が工作で作るサイコロの展開図のように、建物の外壁を左右に展開配置させるのが自然なわけです。

 室内展開図でもしかり、通常は平面を時計回りに見るA・B・C・D面に切り分けられ、その順番に基づいて展開図が配置されます。これを逆時計にしたりABCDの順番を狂わされると、ものすごく図面が見難くなるのです。


「物事には順序がある」と私に限らず年配の方なら何度か口にしたことのある言葉だと思います。

意識されない順序。気がつかない順序。
これは世の中にもたくさんあるはづです。
そんな順序を大切にしましょう。




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コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (酔っぱらい)
2006-11-07 22:59:40
わかります。
本当によくわかります。
でも いろんな図面を見てきました。
世の中にはいろんな人が居るのですねー。
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心がけ (YUKI-arch)
2006-11-08 08:22:56
分かっていただくにはどうするか、
という気持ちが欠けているのでしょう、きっと。
返信する
Unknown (awaji_aic)
2006-11-08 10:32:13
お二人とも建築に関わっているので分かってもらえますよね。
最近は100%CAD図になってますが、図面の書き方を知らないCAD使いが増えているのではないでしょうか。
オペレーティングを教えても、図面が何たるかを教えてないのでしょうね。
昔は鉛筆削りから始まったのに。。。
これは年寄りのグチ・・かな
Those were the days.....
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