晴耕雨読で住まいを造ろう

都会を離れ農的暮らしをしながら、日々住まいについて考え、家造りを家族と共にDIYで実現させた日記・・その後

ベンゼンの次はヒ素・・

2016年09月19日 | 社会ネタ
 豊洲市場の地下で採取した水の検査結果が発表されましたが、今度はヒ素が発見されたと大騒ぎしてますね。
ベンゼンもヒ素も微量で、環境基準をクリアーしているのに、マスコミは、どうしても社会問題にしたいのでしょうかね?

私も基準値以下だから問題無しと、議論に蓋をする気はありませんが、「基準値以下なので一安心ですが、ヒ素がどこから来たものかの調査と、今後のモニタリングに注目しましょう」という論調にならないものでしょうか?

土壌汚染対策の専門家の平田氏が、「ヒ素は地下水に由来している可能性があるが、六価クロムはコンクリートの影響が大きい」と言っています。
(この”地下水に由来している”地下水とは、どの位置の地下水を指すのか曖昧であることに注意してください。)

ヒ素も六価クロムも、工場跡地の土壌なら発見されうる物質です。また六価クロムは地盤改良によって発生することもあり得ます。つまり土地の経歴と今回の造成工事によって、六価クロムが発生した可能性もあるわけです。
(こういったことをしっかり追跡調査していただきたいものです。)

この六価クロムは、ジュリアロバーツの映画『エリン・ブロコビッチ』でも取りざたされた物質です。マスコミはエリン・ブロコビッチ気取りでいるのかもしれませんが、昔あった、農薬野菜とか茶葉の報道のような失敗は繰り返さいよう、しっかりと調査報道していただきたい。


 今回の水質検査で微量ながらも発見された物質は、在りうることだと私は思ってました。有害物質をゼロにするのはとても難しいことですから。そのために、海水面より高い位置に砕石層を設け、地下水が上に浸透しないようにして、かつその上に現場で再生処理したきれいな土で盛り土をし、さらに地下水位の上昇が無いように深井戸を設けて、モニタリングしながら汚染水を汲み出し、浄化してから放流する。つまり、汚染された土壌と地下水は4.5m以下で、ほぼ完全に封をする考えです。
(周囲の海水とも絶縁されています)

このように東京都は、映画に登場した企業より、はるかに立派な(お金のかかる)除染工事をしています。


 さて、”地下水に由来している”の(私の)解釈です。

この砕石層は、水を上から下への一方通行で流れるようにしたフィルターです。フィルターといっても浄化する役割はありません。もし盛土した土壌が汚染され地下水となって深く充満浸透しても、砕石層を超えると上方には戻りません。ベンゼンと異なり、水に溶けても気化しないからです。その代わり、砕石層の中を、水が水平方向に動くことはあります。ですから、砕石層より下の汚染物質が湧き出したのではなく、4.5mに盛土した土壌に含まれる微量の物質が、雨水によって深く浸透していき、地下空間の砕石層へと流れ出たのだと思います。

工事場内ではダンプカーも作業員も、汚染された土と浄化された土の上の両方を、行ったり来たりしているわけです。靴やタイヤについた微量が盛土に含まれることはあり得ます。水質検査で発見されたのは、せいぜいその程度ではないでしょうか(私の推測です)。




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また間違っている豊洲問題

2016年09月16日 | 社会ネタ
相変わらずこの話題で申し訳ないけど、また間違った方向に向かって報道しているようなので、技術者として説明しておきます。

”豊洲市場 施設の空洞下にも新たな構造物 汚染懸念も”

元記事は:http://www.sankei.com/affairs/news/160916/afr1609160002-n1.html




この記事で懸念されている地下空間より低い位置にある”貯水タンク”は、貯水ではなく汚水層です。

もし本当に水道水のための貯水タンクなら、深く埋める必要がなく、通常は簡単に点検が可能な地上(建物脇に大きな樹脂製のタンクが、下駄のような基礎の上に置かれているのを見たことがあるでしょう)か、仮に地下になっても部屋として区画された中に、点検できるスペースを周囲に設けて、タンクとして設置されるのが正常な設計です。もちろん誰かがタンク内に薬物を投入しないように防犯対策も義務付けされています。

 と言うか、皆さんが日常的に利用する、地下街、地下駐車場、地下のある大型オフィスビルなど、全てに汚水ピットと呼ぶ汚水層が設置されているのです。地下(駐車であろうと買い物であろうと)でトイレを利用することがあるでしょうが、その時の汚水は最終的に公共下水管に流されます、しかしその下水管はもっと地上に近いところに埋設されています。そこへ流すために、一時的にピット内に貯蔵しポンプで公共下水管へと汲み出すのです。トンネルなどにも同じように湧き水を貯めて汲み出す装置がありますよ。さすがにそれは汚水層とは呼ばず湧水槽と呼びますけど。

ひび割れなどで土壌の汚染物質が云々とありますが、周辺の地下水圧と、層に溜まった水の圧力は等しいので、流れ出すことはほとんどありません。こういった目的のピットは防水を施します。むしろ、施設外部にある汲み出し井戸をフル活動させ、地下水の常水面がそのピットより下がり、防水に不備があると、汚水層の水が地中に染み出すかもしれません。どちらにせよ有害物質が入ることはまずないでしょうね。

仮に、本当に貯水タンクだとしたら、概念図にあるような区画が貯水槽となっているのではなく、区画された部屋の中に、下駄を履いた樹脂製のタンクがセットされているはずです。貯水タンクは定期的に掃除することが求められるので、一時的な排水、トラブルによるオーバーフローした水の排水のために、小さな釜場(かまば)があって、その部分は、もしかして砕石層の中にあるかもしれません。

ま、大設計事務所の設計ですから、心配無用でしょう。
私はむしろ、石原元知事が発言した「設計事務所が変わったと報告を受けた」と言うことの方が気になります。


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豊洲の地下空間の水は

2016年09月15日 | 社会ネタ
 夕べ(9/14)遅くのTVニュースを見ていたら、またやってますね。間違った報道を。

青果市場の地下空間(コンクリートで覆っていない)の水を採取してきて、リトマス試験紙に漬け、

「強アルカリ性の水です!」

小学生が理科の実験でリトマス試験紙の色が変わるのに驚いているようなもんですな・・・あれは。


それは、コンクリートに長い時間浸かっているとセメント成分が溶け出して、水はアルカリ性になるのです!


有害物質が含まれているか否かは、あくまでも公式の調査機関にお願いして確かめなくてはなりません。
私は、ほぼ雨水だと思いますよ。もちろん、工事中に作業員が汚染物質が付いた靴で新しい盛土の上を歩いた、あるいは汚れた土砂を運んだダンプカーが、帰りに盛土用の新しい土を運んだ・・かもしれないので、微量な何らかが含まれているかもしれません。でもほとんど問題になるような量ではないと思います。

深くに存在するであろう汚染物質と絶縁するために、砕石層を設けてあるのですからね。ただし、揮発性の物質は地下空間に溜まる恐れはあります。
例えば、地下駐車場でも、車の排ガス対策で換気装置が設けられています。これらの施設に換気装置があるのかどうか、私は知り得ていませんが、水に関しては、一般的に地下の配管ピットには釜場と呼ぶ60cm角くらいの穴があって、ここに水中ポンプをセットし、満水になったら排水する仕掛けがあります。これも施設にあるかどうか知りませんが、たぶんあるはずです。(作動中かどうか?)



地下空間の存在を怪しむより、当初の計画から異なる完成をした、そこの工事費の見直しをしたかどうかが問われるべきです。マスコミは盛土が無い分、工事費が下がったであろうと報道していますが、基礎の根入り(深さ)を大きくしたことによる工事費のアップにつながります。あるいは配管スペースを大空間ではなく、トレンチ(塹壕のような)として初期に計画していたのであれば、それはそれなりの工事費アップになります。いずれにしても、大空間で設計がなされているのですから、その段階では費用の増減は検討済みだと私は思うのです。当然、東京都にも監察はあるのですから。

何でも、地下空間の利用について提言があったとき、汚染の恐れのある空間は、駐車場であろうともダメだと専門家が発言があったそうですが、これは専門家ではなく素人意見に思えます。大都会にある地下の駐車場へ行ってみてください。大きなダクト(送風筒)で排気や吸気がなされています。土壌から気化してくる汚染物質より、車の排ガスのほうがもっと危ないでしょうに。

新しい市場に大勢の観光客が押し寄せたら、どうします?
さっさと地下駐車場に改修工事をするほうが良いと思いませんか?

それを見越した設計だったと・・(某設計事務所を褒めるわけではありません)










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豊洲の地下空間

2016年09月14日 | 社会ネタ

先日来、東京の豊洲市場建物下に謎の空間があると各マスコミが騒いでいる。
もともと小池都知事の移転先延ばしから端を発したのだが、もしかして土壌汚染の問題が残っているのではないかと思ったら、問題は別の方向に走り始めているようだ。



今までの報道された経過から、私の考えをまとめると、あの地下空間は、地下配管ピットであり、(過剰ではあるが)存在することに問題はないと考える。

つまり地下空間は、在ってしかるべき設備スペースだ。

その理由は、汚染土壌を運び出し、きれいな土で盛り土を4.5mも施した上に、建物を建てたりはしない。それは将来、地盤沈下の恐れがあるからだ。
当然、支持杭は打ち込むが、そのタイミングでは4.5m掘り下げた地面が施工する地盤面であり、ほぼそれは支持杭の頭となり、杭を4.5mも将来の地盤面まで、あとで打ち繋ぐことはしないし、盛り土をした後の高い地盤から杭を打つことも、工期を考えると、それはない!

建物の足元(地中部分)に基礎が設けられるのは素人でもご存知であろう。基礎には、柱の根元を受け持つ部分があり、その部分はフーチングと呼ばれる、接地面の大きなコンクリートの塊りが設けられ、その下面は支持杭の頭に繋がる。
少し大きすぎるが、そのフーチングを高さ4m近くまで大きくすれば事足りる。構造設計者は、そう考えたと思う。

そして、それらを水平に連結する地中梁があり、床が下がらぬよう細かい区画で小梁を縦横に配置する。つまり地上階の床過重に耐えうる床(スラブ)として設計する。

通常なら地上階の床過重は、埋戻しした地盤に受け持たせることが多いが、この建物はフォークリフトなどが走り回る床である。設備配管なども床下に配管されるが、保守のために地下に配管ピットを設けるのが当然であり、配管ピットを設けるのは正しい設計であろう。今回はさらに建物周囲を囲むように分厚い耐圧壁が設けられていると思われる。

通常の地下配管ピットなら、作業者が屈んで作業できる程度の高さを想定し、その床は捨コン(構造本体と一体化されていない)で覆われる。今回、わざわざピット内部にきれいな土を入れて(これは盛土ではなく埋戻し土と呼ぶ)、窮屈な空間にする必要はない(規模は地下駐車場なみであるが)。

当然、土間の捨コンとは縁が切れて、水が浸入する。良くはないが、地下水汲み出しと浄化装置が設置されているようなので、これらも、換気設備と一緒に通常(正常)運転が行われれば問題は減少解決する。また砕石地盤のままだという施設は、早めに床を覆う処置をしたほうが良いだろう。こちらの施設の方が水が多く溜まっていると騒いでいるようだが、それはこの砕石層が災いしているのだろう。砕石層は、より深層部分の汚染されているであろう地下水が、毛細管現象で上昇するのを防ぐ層で、逆に地表から浸透してくる雨水が簡単に施設の真下に流れる(ちょうど地下水脈のように)こともある。だから捨コンで覆った施設より水が多く溜まるのは、いわば当たり前なのである。


 それより私が問題にしたいのは、すでに報道されている、店舗間口の狭さと、大型コンテナー車の荷捌き場問題。

今更、柱を入れ替えるわけにもいかず、パーキングスペースを変更することもできないだろう。

これがあの、某大設計事務所の設計と聞いて、私はあきれている。

大規模工事であるから、大手事務所、大手施工者が顔を並べるのは良いとして、組織が大きくなればなるほど、無能な人員が混在してしまうこともある。ましてや日本の大手ゼネコンは立派(?)な設計人員を持っている。もしかして、設計や監理において、お互い馴れ合いがあったのではないだろうか。

むしろ私は野次馬的であるが、おかしな大金が動いていないかも知りたいものだ。

 

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彼岸まであと何日

2016年09月07日 | 野良仕事や日々の生活
「暑さ寒さも彼岸まで」と言われていますが、まだまだ関西は暑いです。
それと今年は異常気象の一言で片付けられないくらいの、豪雨や数多くの台風襲来。
それも九州から北海道まで、広範囲ですから・・ほんとうに異常です。

 私事ですが、そんな8月の終わりに、郷里で102歳の父が亡くなりました。
50数年前から、遠く関西に出たきりの親不孝が祟ったのか、台風10号のために葬儀に参列出来ず、一週間遅れで(4日)仏前とお墓にお参りしてきました。

父母の兄弟親戚も既に亡くなり、参列者も見知らぬさみしい葬儀のようでしたが、そう考えると長生きも・・どうなんでしょうね。
孫に看取られて静かに息を引き取ったのが、せめてもの慰めだったのかもしれません。
何にもしていない私が言うのは、おこがましいのですが。。

そんな、あわただしい突然の北海道旅行となってしまいましたが、帰りはまた台風12号が近畿に・・とハラハラドキドキでした。
さいわいにも日本海へ抜けたので、神戸空港へは20分遅れで無事到着。
飼い猫も留守番をしっかり(?)してくれてました。

帰ってくると、また蒸し暑い日々・・二日目ですが、なんとなくぼんやりしている今日この頃です。



淡路島「精華堂」お線香★大香木 白檀 【長寸1把入】★
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