ベンゼンもヒ素も微量で、環境基準をクリアーしているのに、マスコミは、どうしても社会問題にしたいのでしょうかね?
私も基準値以下だから問題無しと、議論に蓋をする気はありませんが、「基準値以下なので一安心ですが、ヒ素がどこから来たものかの調査と、今後のモニタリングに注目しましょう」という論調にならないものでしょうか?
土壌汚染対策の専門家の平田氏が、「ヒ素は地下水に由来している可能性があるが、六価クロムはコンクリートの影響が大きい」と言っています。
(この”地下水に由来している”地下水とは、どの位置の地下水を指すのか曖昧であることに注意してください。)
ヒ素も六価クロムも、工場跡地の土壌なら発見されうる物質です。また六価クロムは地盤改良によって発生することもあり得ます。つまり土地の経歴と今回の造成工事によって、六価クロムが発生した可能性もあるわけです。
(こういったことをしっかり追跡調査していただきたいものです。)
この六価クロムは、ジュリアロバーツの映画『エリン・ブロコビッチ』でも取りざたされた物質です。マスコミはエリン・ブロコビッチ気取りでいるのかもしれませんが、昔あった、農薬野菜とか茶葉の報道のような失敗は繰り返さいよう、しっかりと調査報道していただきたい。
今回の水質検査で微量ながらも発見された物質は、在りうることだと私は思ってました。有害物質をゼロにするのはとても難しいことですから。そのために、海水面より高い位置に砕石層を設け、地下水が上に浸透しないようにして、かつその上に現場で再生処理したきれいな土で盛り土をし、さらに地下水位の上昇が無いように深井戸を設けて、モニタリングしながら汚染水を汲み出し、浄化してから放流する。つまり、汚染された土壌と地下水は4.5m以下で、ほぼ完全に封をする考えです。
(周囲の海水とも絶縁されています)
このように東京都は、映画に登場した企業より、はるかに立派な(お金のかかる)除染工事をしています。
さて、”地下水に由来している”の(私の)解釈です。
この砕石層は、水を上から下への一方通行で流れるようにしたフィルターです。フィルターといっても浄化する役割はありません。もし盛土した土壌が汚染され地下水となって深く充満浸透しても、砕石層を超えると上方には戻りません。ベンゼンと異なり、水に溶けても気化しないからです。その代わり、砕石層の中を、水が水平方向に動くことはあります。ですから、砕石層より下の汚染物質が湧き出したのではなく、4.5mに盛土した土壌に含まれる微量の物質が、雨水によって深く浸透していき、地下空間の砕石層へと流れ出たのだと思います。
工事場内ではダンプカーも作業員も、汚染された土と浄化された土の上の両方を、行ったり来たりしているわけです。靴やタイヤについた微量が盛土に含まれることはあり得ます。水質検査で発見されたのは、せいぜいその程度ではないでしょうか(私の推測です)。
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