で、バクテリアの話でもう一つ思い出しました。
浄化槽もバクテリアの力で屎尿を浄化することは知ってますよね。
ほんまに「バクテリアちゃんありがとう」ですわ。
その浄化槽の話ですけど。
先日、合併浄化槽(5人槽)の清掃をしてもらいました。
設置してから3年半、ちょっと放置しすぎの感じですが、二人のつつましい生活なら汚泥もそんなに溜まりません。
浄化槽の設置や維持管理は”
浄化槽法”なる、下記の目的の法律に定められています。
工場及び事業場から公共用水域に排出される水の排出及び地下に浸透する水の浸透を規制するとともに、生活排水対策の実施を推進すること等によって、公共用水域及び地下水の水質の汚濁(水質以外の水の状態が悪化することを含む。以下同じ。)の防止を図り、もって国民の健康を保護するとともに生活環境を保全し、並びに工場及び事業場から排出される汚水及び廃液に関して人の健康に係る被害が生じた場合における事業者の損害賠償の責任について定めることにより、被害者の保護を図ることを目的とする。
なにやら難しく書いてありますね~
法律の下に細かい条例や規則が並び、清掃について1年に一回と書いてありますが実際は保守点検を委託している業者さんの判断によります。
(槽の底に溜まる汚泥の量、真中のマンホールの蓋を開けると見えるスカム(トイレットペーパーのカスなど)の量によって判断されます。これらは自ら確認することができます)
実は半年くらい前から「ぼちぼち清掃をしてください」と言われてましたが、費用もかかることですしズルズルと引きのばしてました。
清掃作業というのは、ようするにくみ取りです。そのくみ取る全水量は5人槽で約2立米。
2立米となるとそれなりの費用を請求されます。相場は2万から2万5千円くらいだそうです。
以前くみ取り便槽のときも、いろんな清掃業者さんがあって法外な費用を請求された嫌な経験もありましたが、幸いにもうちはその低いほうの2万円で作業してもらいました。
作業要領は、ろ過槽に溜まったスカムを洗い流しながらくみ取り、底に溜まったヘドロ状態の汚泥もくみ取り、最後は水を満タンに張れば終了(もっとも水張りは家の者の仕事)。
余計な事かもしれませんが、最後の水張りは(我が家は)井戸水ですから電気代しかかかりませんが、上水道だけしかない都会の合併槽なら水道代もかかるわけです。
さてこの浄化槽設置者の維持管理費用負担を公共下水道料金と比較してみました。
ちなみに下水道料金は上水道の使用量で計算されます。
(下水道には計量メーターはありません)
一日一人当たり0.22立米の水を使うとして(下水道料金は2ヵ月に一回の請求なので)
0.22x2人x60日=26.4立米
自治体によって下水道使用料金は異なりますが、洲本市の場合(平成18年度)3,000円から3,200円
年にすると 18,000円から19,200円
なら3年半で2万円の清掃量は安い・・じゃないですよ。
合併槽の設置管理者(つまり私たち)は、免許をもった業者に保守管理を委託しなければいけません。(これも上記の浄化槽法で定められています)
その費用が3~4ヵ月に一回の点検作業、これが一回5千円ほど。
うちは年3回お願いしているので年間15,000円、4回お願いすれば20,00円です。
さらに年一回の法定点検があり、その費用が(県によって金額にばらつきあり)5人槽で5,700円
追記:財団法人 宮崎県環境科学協会 が行う法定検査だと平成22年に値上がりして、10人槽以下は3,800円・・。なんでこんなに違うんや!
実を言うとこの
法定点検が納得いかないのですが、この話をすると長くなるのでさらりと。
法定点検をするのは社団法人の水質保全センターです。いわゆる公の機関なわけです。
ここが浄化槽設置の書類審査と工事完了検査、維持管理の指導と監督、広くは浄化槽知識と普及の啓蒙を行うわけですが、民間業者に委託せざるを得ない我々設置管理者に、屋上屋を重ねるがごとくの法定検査をする必要があるかどうかです。
しかも業者が保守管理した直後にでも来てごらんなさい。怒り心頭ですよ。きれいにしたあとで水質検査して何の意味があるんや!
実は初回がそうでした。その後も周期的に行うので民間業者の保守点検と公による法定検査の時間差がほとんどありません。
保守管理を正しく作業しない民間業者や設置管理者への指導監督業務はあったとしても、善良な管理者にまで(嘱託職員が)毎年出向いて処理水を持って帰る必要なんてないでしょう。そんな事こそ民間業者に業務として付加すれば良いことです。
例えば自動車の車検と呼ばれる法定検査でも、現実には民間の整備会社が代行しています。検査費用なんぼ、部品修理取り替えでなんぼと料金明細に書いてあるでしょう。
浄化槽だってできるはずですし、場合によっては設置管理者が水を検査場へ持ち込みだって可能にできるでしょうに・・
ネット上には、このことに関しての不満がたくさん書かれています。法定検査はぜったいしなきゃいけないのか?とか、なんで同じような点検が行われるのか? とか・・。
しかし相手もさるもの。平成18年には罰則規定までもうけて「お上に逆らう者は罰金じゃ」と・・。
確かに道交法でも民法でも違反する者は五万といるわけで罰則もやむを得なしなんですが、じゃ自動車の6ヶ月点検はどうなのよ? 新車のうちなら半年点検にも出かけるかもしれませんが、3年も過ぎたら誰も行かないでしょうに。
平民は愚かだから公が厳しくし取り締まらないと・・なんて思想は、これをパワハラと言わず何というのでしょうか!
なんとかなりませんか? 法案を作る国会議員さん。
(まぁ 政治をみていると馬鹿な先生方が多いから期待できないけどね)
追記:香川県議会で社民党の議員さんが、この件に関して質疑をしてました。
2005/4月 合併浄化槽の保守と法定検査について
社民党は私の支持政党ではないけど、この件だけは同意して拍手を送ります。
話を戻して。
うちの様に少ない点検回数でも法定検査を入れると 年間20,700円かかります。
これに浄化槽清掃(汚泥くみ取り)がプラスされるので、やはり公共下水道よりは費用がかかります。
浄化槽設置者には税金である補助金が支払われます。でもこれは地元対策費用に消えるしチャラ。補助金ってもしかしたら設置者のためではなく農業者のためじゃないかとひがみっぽくもなります。
市街地から離れた浄化槽設置者が自治体の公共投資コストを抑えている一面と、合併浄化槽設置者が瀬戸内海や琵琶湖の水質保全に寄与している(ちょっとオーバーかな)一面を忘れていませんか? >all
ともかく便利で快適な生活と言うのはコストのかかるものです。
そのうちにブロアーポンプも故障するでしょうが、これも設置管理者の自己負担です。
費用を低く抑えるために、取り換え作業はDIYでやりましょう。
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