jazz and freedom and avenger

勝手気ままな戯事日記 暇つぶしに・・・・

遅れ馳せながら追悼を ・・・・・ LEE KONITZ   

2020-05-24 | ジャズ・as

 

先月中旬に亡くなったコニッツの作品を。もっと知名度が高く、定評のあるアルバムが有りますが、この2枚に。

今でこそ、コニッツはasのジャイアンツの一人、稀代のインプロバイザーと広く認識されていますが、モダン・ジャズ絶頂期の60年代中~後期では「忘れられた」、又は「敬遠される」存在で、一部のスノッブなジャズ・ファンを除き話題の対象にならなかった、と記憶している。

コニッツを紹介するに当たり必ず使われる「クール」、「アブストラクト」と言った表面的なイメージが独り歩きして当時の熱いムーブメントに受け入れられなかったのだろう。

左は1953年1月30日、ロスのクラブ「ヘイグ」でのライブもので、大きくフューチューされたB面のコニッツを聴けば、表面的なイメージでは語れない彼の魅力に気付かされる。中でも、途切れることがないイマジネーションと迸る情熱が見事に融合した”All The Things You Are”は人間業を超えた3分57秒ですね。

右は1974年録音の”SATORI"、好きな一枚、ただ、カヴァは好みではありませんけど(笑)。

スタンダードが4曲入っており、あの”MOTION”ほどではないにしろ一筋縄では行きませんが、メンバーとの「一期一会」的密度は本作の方が濃厚と思う。それが「悟り」のタイトルに繋がっているのかもしれない。なお、クレジットではコニッツはasだけとなっているけれど、ss、tsも吹いている。

この頃、コニッツの立ち位置は決して順境ではなかったにも拘らず、こうした作品を吹き込むとは、「時代は変わってもジャズはインプロビゼーション」という揺るぎない信念を持ち続けていたのだろう。

サイドとして参加したエヴァンスの作品(1977年)を。玄人筋からは酷評を受け、単独ではUPしにくい(笑)一枚です。

意味深なタイトル(逆流、反主流)とチープなカヴァ、特にガサツなデザインの裏を注意して見ると、この作品がどういう経緯、目的で作られたか凡そ見当が付きます。

男は真似できないけれど、女性のプロデューサーはミュージシャンのキャリアを切り離せますね。エヴァンスは大衆作家風のピアノ・タッチで明るく割り切り、コニッツ、マーシュもポーズは取るものの軽く吹き流している。

確信的「フュージョンもの」と捉えると全て合点が行きます。でも、こうした作品が有ってもいいんじゃない。

コニッツの追悼が横道に逸れちゃいましたね。



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2 コメント

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Unknown (ルネ)
2020-05-25 19:04:47
Satori は聴いたことがありません。見かけたらゲットしてみます。
60年代後半から70年代は、かつてのジャイアンツたちへの心理的な反発が
あったんじゃないだろうか、などと想像します。
特に、マイルスみたいにラディカルに変貌しなかった人たちへは
それだけで相手にされなかったのかな、と思ったりします。
気持ちはわからないではないですけど。
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Unknown (avengerv6)
2020-05-25 22:05:23
自分ではそれ程実感しなかったのですが、ロック(ビ-トルズetc)の台頭によるジャズを取り巻く市場の変化、ニュージャズによる内部変革の動きから従来とは何か違うものを求められ、更に米国ではベトナム戦争の厭世観~終結~ハッピーなものへの渇望等々が激しく交錯し、価値観がごそっと変わってしまったのでは、と思います。そんな中、よく生き延びてくれたと思います。ブレなかったからでしょう。
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