jazz and freedom and avenger

勝手気ままな戯事日記 暇つぶしに・・・・

瞑想の清流をそっと ・・・・・ FISH OUT OF WATER / CHARLES LLOYD

2016-09-14 | ジャズ・ts

 

 

C・JORDANとJ・COOKの‘TWO TENOR WINNER’(Criss Cross)が目に留まった。曲目を見ると大好きな‘Song of Her’が。意外にも、作曲した本人、C・マクビーが入っていた。

‘Song of Her’と言えば、ロイド。久し振りに‘FOREST FLOWER /At Monterey’と‘THE WATER IS WIDE’(ECM)を続けて聴く。‘THE WATER IS WIDE’ではロイドのオリジナル‘LADY DAY’も凄く良い。

もう歯止めが効かなくなり、ECMの第一弾‘FISH OUT OF WATER’を引っ張りだした。タイトルは意訳すると、どうやら「落着かない・・・・」らしい。ロイドとECM、意外な組合せで、当時の心境、そのものだったかもしれません。

パーソネルは、

Charles Lloyd (ts)、Bobo Stenson(p)、Palle Danielsson(b)、Jon Christensen(ds)

録音は1989年7月、オスロ。リズム・セクションはもう説明無用ですね。

 

1968年、人気絶頂のロイド来日公演(キースは兵役問題で来日できず)を些細な理由で聴き逃し、ずっと胸にトゲが刺さったままだったが、もうかなり前、G・ピーコックとのデュオ・コンサートを聴き、長年のトゲがとれた。

異様なステージだった。小さなホールで避難誘導を示す灯りの他、最低限のライトのみ、二人のシルエットが辛うじて分かるほど暗い中、知らぬ間に始まり、いつの間にか終わった。一言もなく。これが「メディテーション」なのか。

 

本作は、まるでロイドの世界観をJAZZというフォーマットで朗読しているようだ。全てロイドのオリジナルで固められ、一曲一曲のクオリティもさることながらアルバムを通して「起・承・転・結」が見事に整っている。特にA-3の‘The Dirge’からグッと惹きこまれ、ラストまで一気に。しかも自然の流れで。

‘The Dirge’はコルトレーンが生き返ったかのようなスピリチュアルなバラードだが、ベタにならない所がロイドの魅力、完全にロイドの世界。

作曲の才能は折り紙付きで、本作でもラストの‘Mirror’を始め良い曲を書いている。

一滴のしずくが渓谷を経て、川幅を広げ時には急流となり、やがて穏やかに海にそそぐ清流の如し。

「いかさま商売人」とか「フォレスト・フラワーだけのB級テナー」と思い込んででいる人達には到底、届かぬ境地。

 

巷の噂では「意外と知られていない隠れ名盤」とか。それでいいんです、「知る人ぞ知る名盤」ほど、確かなものはない。

 

なお、どうでもいいことだが、W.Germany初版プレスLP(↑)と現在流通しているCD、再発LPではカヴァの中の絵が微妙に違う。違いを探すゲームみたいですが、直ぐ分かります。それと、Bobo以下のメンバーの列記方法が異なっている。



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ルネ)
2016-09-14 21:01:59
これ、知らなかったです。初めて見たように思います。
C.ロイドは実はあまりよく知りません。でも、ECMならとっつきやすいかも、です。
注意して探してみます。
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Unknown (dodge(bs))
2016-09-14 23:43:20
ネガティブなレッテルを貼られるとなかなか・・・・・・・
しかも隠遁生活が長いと尚更ですね。
当時、ロイドに罵声を浴びせたジャーナリスト達はECMの諸作をどう聴いたのでしょうか? 所詮、ロイドのセンスに付いていけないでしょうけど。
この作品はECMらしいけどECMぽくありません。そこが聴き所のような気がします。どこまでもロイドですから。
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Unknown (パーチ)
2019-11-09 08:56:54
チャールスロイド、いいですね。学生時代に神戸のjazz 喫茶でよく”FOREST FLOWER”を聴いたものです。その後恥多き人生を過ごしてきました。リタイヤー後加齢のせいで早朝覚醒しますが、来し方を振り返ることが多くなりました。そんな時は沈黙復帰後のロイドをしみじみと聴いています。やはり彼のビッグサーでの隠遁も必然であったんだろうと思いました。
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Unknown (avengerv6)
2019-11-09 20:53:42
パーチさん、旧記事へのコメントありがとうございます。
恐らく同世代の方で、同じ想いをお持ちと推測され嬉しく思います。
少し前、JAZZ TOKYOのロイドのステージの一部をTVで観ました。老いたと雖も感性の若々しさにあの頃を思い出しました。何もかも刺激的だったあの頃、青春の象徴の一つのとしてロイドは決して色褪せない存在です。
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