昨日のカワウの饗宴とそのおこぼれを狙うサギたちの様子をしばらく見た後、河口へ向かってぶらぶらと歩きだしました。すると広い川の中で作業をする人たちが十数人いました。
最初は簗でも作っているのかと思いましたが、それにしては幅がそれほどでもなく細長いのです。季節もずれていると思いました。ところどころに細い杭も打ってます。
まずはその写真を。
地元の年配の皆さんのようです。杭もしっかりした鉄の棒のようです。その杭の上をテープのようなものが張ってあります。秋の田んぼの上をスズメ除けに張るアルミ箔のきらきら光るテープのようです。アユ釣りのシーズンに川面に張り巡らす、カワウ避けのテープのようです。
そんなことを考えながらしばらく見ていましたが遠すぎてはっきりわかりません。で、そのまま右岸を河口まで歩き、一昨日の台風の余波と思われるウエーブを眺めたりしたのです。
帰路に就くためまた河岸を歩いて先程の現場まで来ますと、こんな看板が立っていました。
アユの産卵場所の整備を漁協の皆さんたちが作業していたのでした。そんな事でとても気になりいつもの通り、その作業を調べてみました。
〇「仁淀川のアユの産卵場の整備の解説から」抜粋
前述したようにアユの産卵は、小石底の瀬で行われますが、それはアユが自らの力で動かすことができるくらいの長径1~5cmの小石の層が少なくても10㎝、できれば15cm以上の厚さで堆積している河床の瀬が必要なのです。
アユの卵は、受精と同時に受精膜が反転して、小石に強力に固着します。ところが砂が多いと小石にうまく固着せず、流されてしまいます。また、小石の層が薄いと、小石の表層に卵が露出し、コイをはじめとする他の魚に食べられたり、紫外線に直接さらされて、孵化率も下がります。
仁淀川は、もともと砂の多い川で、そのうえ砂利採取やダムの影響もあり、上から見ると産卵に適した小石底に見えても、砂の上にまばらに小石が覆っている瀬がほとんどです。
そのため、少しでも砂をかき出し、小石の層を厚くしてアユたちのために”ふかふかのベッド”を用意してやる必要があるのです。
重機をつかって、川底の砂を洗い出して、そのあと人手をかけて、ならしている写真もありました。またこの産卵場に産卵に来るカワウたちを防ぐため、テグスを張ったりするそうです。これが上の写真の様なことでしょうか。また産卵した後すぐにアユは死んでしまうそうで、産卵する前の丸々としたアユを夜間に狙いに来る不届き物もいるそうです。
また孵化した稚魚はお腹に卵の時の栄養分が付いているのですが、これは1週間ぐらいしかもたず、その間に稚魚たちは栄養分の多い河口部までに辿り着かねば死んでしまうそうです。
サケの孵化の映像などがよく紹介されますが、サケの稚魚は自力で川を下り海へ泳ぎだしますが、アユの稚魚ままた違った生態をしていますね。
勉強になりました。