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新鹿山荘控帳

山荘管理人が季節の移ろいを、書きとめました
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DVD「アメリカを売った男」と「ノーカントリー」

2008-12-14 17:48:14 | 芸術鑑賞
11月一杯我慢していたDVDをまとめて2本見ました。どちらも新しい作品です。

『アメリカを売った男』
2001年に実際に逮捕されたFBI捜査官ロバート・ハンセンが犯したスパイ行為が題材で、逮捕されるまでの実話です。20年にわたり、FBIのみならず、CIA,ホワイトハウス、攻防総省、国家安全保障局の極秘文書を大量にKGBに売り続け、10億ドル単位の被害をもたらした。売ったスパイは50人を越え、3人は処刑されているという。

捜査官志望の若いFBI職員を彼の補佐官にして、証拠を集めていきます。実話ですし、捜査のプロを相手の内定調査ですから、まったく地味なストーリで、アクションもありません。
逮捕されるまでの2ヶ月を描いています。ブルーを基調とする静かな画面と静かな会話の落ち着いた映画です。

それでも20年の間アメリカの情報機関はなぜ彼を逮捕しなかったのか、理解に繰りしみます。またなぜこんな事をしたのかの、十分な説明はありませんでした。
派手な撃ち合いのアクションに飽きたら、観るのもいいでしょう。

『ノーカントリ』
第80回アカデミー賞最多4部門(作品賞・監督賞・助演男優賞・脚色賞)ほか、合計114の映画賞を受賞というので借りてみました。
またトミー・リー・ジョーンズ主演もその理由の一つです。

でも感想を言えば、後味の良くない映画です。ジューンズの演じる老保安官の最後の仕事を視点に見るのか、麻薬取引の失敗から砂漠の中で撃ち合った男たちの死体から200万ドルを奪った男の逃亡劇としてみるか、その男を追う特殊なエアガンで人を殺しまくる殺し屋の視点で見るのか、理解に苦しむ映画です。

砂漠の中での麻薬取引現場での十数名のハエのたかった死体。凶悪というより最悪な異常な殺し屋。200万ドルを奪った男を追う途中、接触した人間を自分の顔を見たからとつぎつぎと殺していきます。特殊なエアガンは、詳しく説明されていませんが、どうも牛を殺すときに使うガンのようです。ですから弾丸はありません。

200万ドルを奪った男は、ベトナム帰還兵でサバイバル訓練を受けておりその殺し屋から逃げ回ります。その彼らが生きている世界が、メキシコの近い砂漠の町です。からからに乾いた熱くてやりきれない空気が描かれています。

それでも何がアカデミー作品賞なのかわかりません。
マフィアの連中はともかく真面目に片隅で生きている人たちが、なぜこんなに簡単に殺されていくのでしょうか。やりきれない映画です。

マイコレクションにするか、2本とも悩んでいます。
コメント
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