新鹿山荘控帳

山荘管理人が季節の移ろいを、書きとめました
写真の無断使用はお断りします

ハヤカワ文庫「シャドゥー・ダイバー」書ききれなかった事

2008-09-15 18:47:15 | 読書
昨日があまり長くなったので、一旦止めましたが、残りを続けて書きます。

○レック・ダイバーの心意気
 こんな事が書かれています。『海底深くに沈む船の多くは、船とともに沈んだ人々がその姿を最後に見て以来、だれの目にも触れず、何処とも知れぬ場所で、自然にもてあそばれ、消滅させられるであろう。』
 こんな言葉もありました。『ひとが死体となって海に浮いたままでいるというのに、その所在をいちばんに知るべき最愛の家族が何も知らずに自宅で待っていることが、今でも不思議でならなかった』

○レック・ダイバーが単独で潜るわけ
 水深30メール以上の海底に潜ると、窒素酔いと呼ばれる症状に襲われます。判断力が落ち、運動神経がにぶり、指先が器用に動かなくなり、視野が狭まり、感情が高ぶります。水深がさらに深くなるとこの作用は強まります。50メートルを越えると幻覚を見ることがあります。
 空気に含まれる窒素が潜水中体内に蓄積されますが、海面に上るときこの蓄積された窒素が血液通に排出されます。血管の中を窒素ガスの泡が流れるのです。
急速に浮上するとこの泡が大きくなり血管をふさぎます。その場所が関節内か神経のそばか、あるいは脳や脊髄や肺の中に流れ込むと、その機能を停止してしまいます。60メートルで25分潜ったダイバーは1時間の減圧停止を必要とします。
 船内でパニックを起こしたダイバーは、急速にボンベの空気を消費します。でもまだ海面まで数十メートルあります。隣に充填された空気ボンベがあれば、パニックを起こしたダイバーは、ナイフを振りかざして隣のダイバーを襲う事があります。自分がそうする場合もあります。ですから彼らは単独を好むのです。
 
レジャー・ダイビングでバディーシステムといって、1本のボンベを交互に吸って浮上するなんてことはありえないのです。例外は、もし殺されても諦められるといった、兄弟や親子の間ぐらいでしょうか。

また長くなりますのでこの辺で。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする