読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

「~奇抜で凄い起業家列伝~みんな変わり者だった」(バリー・J・ギボンズ著/2005年)~その1~

2009-06-19 05:34:29 | 本;ビジネス
原題:Dream Merchants & Howboys
<目次>
第1章 「ベネトン」創業者/ルチアーノ・ベネトン
第2章 「ダイソン」創業者/ジェームズ・ダイソン
第3章 「デル」創業者/マイケル・デル
第4章 「ザ・ボディショップ」創業者/アニータ・ロディック
第5章 「ウォルト・ディズニー」創業者/ウォルト・ディズニー
第6章 「AOL」創業者/スティーブ・ケース
第7章 「ヴァージン・グループ」創業者/リチャード・ブランソン
第8章 「アップルコンピュータ」創業者/スティーブ・ジョブズ
第9章 「サウスウエスト航空」創業者/ハーブ・ケレハー
第10章 「スターバックコーヒー」創業者/ハワード・シュルツ

<変わり者の成功法則10>
1)影響を受けた人物から盗み取る
2)異なる要素を一つに纏め上げる。調べたことをジグソーピースのようにはめ込んで全体像を見つける。
3)馴染んだ場所で答えを見つけるのではなく、少なくとも1つは、他人から盗んだ慣れない要素を取り入れる。
4)じっとしていられない。
5)すべてを自分でコントロールする。実働は任せても良いが、制御は自ら行う。
6)マスターベーションをしない。何かが「実現可能だ」とい事実は、それが「必要とされる」事実に比べれば二の次だ。
7)先を見通す。
8)謎の中の謎に包まれた謎の存在になる。ライバルから見ると恐怖であり、顧客から見るとわくわくする。
9)大きな失敗をする。
10)議論を巻き起こす
11)リラックスする。そして信頼できる人を持つ。


バリー・J・ギボンズは、現在世界約60カ国で1万店を超える店舗を持つ、世界第2位のハンバーガーチェーンBurger King社の会長兼CEOとして5年間華々しく活躍し、1994年に引退。現在は作家、講演家、コンサルタント、そして起業家として活躍。

本書で取り上げられる歴史を築いた10名のアントレプレナーたちを語るために、著者はその成功の方法論として第2章に取り上げるジェームズ・ダイソンの章で次のように述べています。

~ダイソンはジグソーパズルのピースを組み合わせたのだろう。出来上がった絵はユニークだったが、ひとつひとつのピースはとくに変わったものでもなく、数もさほど多くなかった。完成した絵が実に画期的だった理由は、その絵を作るための特別なピースをほかには誰も持っていなかったか、持っているピースが違う物だったか、誰も彼と同じ絵を作るようにはピースを並べなかったかある。~

ここに登場する10名については多数の関連書籍がありますが、著者のバリー・J・ギボンズはそのことも百も承知で、それらとの重複を避けるようにして、彼独自の知見でこの10名を描いています。という訳で、このブログでは3回に分けてここに取り上げられたアントレプレナーたちの成功のポイントを書き記すことにします。


第1章 「ベネトン」創業者/ルチアーノ・ベネトン

<ベネトン:Benetton>
http://www.mode21.com/brand/benetton.html

・自社製品を直接売るのではなく、広く一般に商品を流通させる方式を確立し、ここに専門店というコンセプトが初めて生まれた。
・新しい製品群を作ること、そしてファッション小売業のまったく新しい方法を生み出すこと(ファストフードチェーンのファッション業界への移植)。
・ベネトンは負担金を取らず契約書など交わさなかった。ここに生まれた二つの効果。一つ目は、本来は商品を売るだけの立場にあるショップオーナーに経営をまかせること。二つ目は、店の資金の使い道にまで口出ししたりしないこと。
・アメリカの市場に進出するさいにも、ルチアーノは、本来なら多額の金を注ぎ込むべき宣伝費をまったくかけなかった~写真家オリビエーロ・トスカーニとのタイアップ戦略~
・デパートの中に店を持つという慣例、「店の中で店を経営する」という発想を普及させるのに一役買った。
・彼が作ったのは製品というより、感動とライフスタイルだ。

<「人種の混交」を表現する写真家、オリビエーロ・トスカーニ>
http://blog.livedoor.jp/asongotoh/archives/51351881.html


第2章 「ダイソン」創業者/ジェームズ・ダイソン

<ジェームズ・ダイソン - Wikipedia>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%BD%E3%83%B3

<ダイソンが組み合わせた五つのピース>
その1)工学技術とデザインを組みあわせる(工業技術とデザインが組み合わさると価値の高いものに変わる、何かをする場合には、これまでそのものが存在しなかったことは障害にならない)
その2)物事を放ってはおけない(プロジェクトを自分で管理することにこだわる)
その3)別の分野の成功を利用する(粉末塗装の吹付けの際残る粉末の残骸処理のためのサイクロン<遠心分離型集塵機>からの着想)
その4)障害に負けず夢をもちつづける(皮肉な考え方、現状での満足、ありきたりな嫉妬、未知のものへの恐れ、「発明なんか無理」症候群—時にはここにあげたすべての点、または様々な組み合わせで、夢の実現への道を長く困難なものにする)
その5)夢にすべてをかける(「死が差し迫ると、考えが明確になる」)


第3章 「デル」創業者/マイケル・デル

<マイケル・デル - Wikipedia>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%B1%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%AB

・「マーケットへダイレクトに」
<パソコン普及の三つの推進力>
1 チップ技術の急進な進歩
2 個別オペレーティング・システムとソフトウェアの搭載
3 「小規模企業」市場の出現
・そして、1980年代初頭にはっきりした点。市場がかなりの規模のものになること、そしてそこでの売り方を知っている者がいないこと。
・製品の性能を高めて絶えず改良を行い、専門的なアフターサービスを行うこと。そのためには、小売業界を切り捨てればいいだけだ。末端顧客に直接売れればいい。
<デル式ダイレクト・マーケティング>
1 顧客と直接販売する
2 返金保証する
3 最新技術を採用する
・ただの夢追い人と、夢を成功に結びつける成功者との違いは、成果を持続できるかどうかということである。

(続く)


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