作雨作晴


日々の記憶..... 哲学研究者、赤尾秀一の日記。

 

猟犬

2009年01月16日 | 日記・紀行

猟犬

桃の木に寒肥を施すために山の畑にゆく。根っこの周辺を掘り起こしていると、笹の根がそこに食い込んでいたので取り除く。笹の根がいたるところにはびこっていてその生命力は強い。

先日来の寒さは薄らいでいるとはいえまだ寒い。スコップを振り回していると、丘の山手の方から鈴の音が聞こえてくる。誰か人でもお下りてくるのかと思っていると、イヌが、それもめずらしい灰青色の毛並みにまだら模様の、見た目がすぐにいかにも血統書付きの猟犬のような洋犬が草むらの向こうから現れた。鼻先や両足や腹部が泥に汚れて少しみすぼらしそうに見える。そして、わたしには決して近づこうとはしなかったが、周囲を絶えずせわしない様子で匂いを嗅ぎ回っている。

サルやイノシシの臭いでも追っているのだろうか。飼い主がすぐに現れるかと思ったが見えない。主のないイヌだろうか。それにしては首輪を付けているし、鈴も下げている。もし迷いイヌで懐いてくるなら連れて行ってやろうかと思って口笛で呼んでみたが、周辺を三四回ぐるぐるまわると、ふたたびもと来た草むらを駆け上がっていなくなってしまった。

いたるところに昨夜来の霜が乾かず凍てついているし、ところどころそれが溶けてぬかるんでいる。自宅にいては気がつかなかったが雪も降ったらしい。その跡がまだあちらこちらに残っていた。今年初めて見る雪のささやかな名残だ。愛宕山あたりには雪が降り積もったらしい。

埋めていたダイコンやニンジンを掘り出して泥を山からの水で洗う。ダイコンの真白さとともに水の冷たさも手にしみてくる。

 

 

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