Are Core Hire Hare ~アレコレヒレハレ~

自作のweb漫画、長編小説、音楽、随想、米ラジオ番組『Coast to Coast AM』の紹介など

続々・文明の自殺

2016-03-09 21:49:00 | コラム


男系継承は「女性差別」と批判、最終見解案に皇室典範改正の勧告 女子差別撤廃委(産経新聞の記事より)

現代に住む多くの人は、なんとなく文明はずっと進んできてると感じるかもしれません。
でも、例えば先進国の多いヨーロッパは一度文明の衰退を経験しています。

ローマ帝国時代に作られた水道橋は、その後の中世時代で「悪魔の橋」と呼ばれていました。
どうやって作ったのかさっぱり見当がつかなかったからです。

古代ギリシャ人がすでに知っていた地動説も、中世世界で公言しようものならすぐさま牢屋送りです。
このように、ギリシャ・ローマと続いた優れた西欧文明は、一度落ちぶれ長い暗黒期に入っていったのです。

さて、では落ちぶれる前のローマ帝国時代末期はどんな風だったのでしょうか?

帝国はとても豊かで、パンとワインは全ての市民にただで支給されていました。
それで、めんどくさい兵役はもっぱら外国人のゲルマン人にまかせます。
その時に給料を塩(ソルト)で払っていたのが、サラリーマンのサラリーの語源です。

科学技術もなかなかのものでした。
すでに蒸気機関の原型のようなものが作られだしてました。
イギリスのようにいい石炭が採れてたら、もう少しで産業革命が起こっていたかもしれません。

しかし、そんな進んだ文明も、寒冷化から南下してきた野蛮なゲルマン人によって破壊されます。
略奪を意味するヴァンダリズムという単語はわりとよく使われますが、この時やってきたヴァンダル人から来ています。

ここまで見てきて、なんだかローマ帝国末期と今のヨーロッパがなんだかダブって見えてこないでしょうか。

日本では特に北欧は社会福祉の行き届いた天国のように言われています。
めんどくさい肉体労働のために東欧や中東から移民を受け入れ、人口の10%を優に超えている国も多いです。
そして、今、政変によって豊かな国めがけてシリア難民がどっと雪崩れ込んでいます。

ローマ帝国は当時の世界で圧倒的に進んでいた国なのに、蛮族によって崩壊してしまったのです。
案外、帝国内でも最初は「困ったゲルマン人を受け入れてあげよう」なんて声が強かったのかも知れません。
もっとも、今回はそのゲルマン人の方が受け入れる側ですけど。

コメント
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