Are Core Hire Hare ~アレコレヒレハレ~

自作のweb漫画、長編小説、音楽、随想、米ラジオ番組『Coast to Coast AM』の紹介など

何もしないことの勇気

2016-03-07 21:51:31 | コラム

岡崎先発 レスター、アウェーでワトフォード下し首位キープ プレミア第29節(スポナビの記事より)

大昔、とある縁でプロの方に曲を聴いてもらっていて、ある指摘を受けました。
それは、僕の作る曲はどれも音にすき間がないということでした。
また、それが素人にありがちな間違いだとも聞きました。

作る側の心理としては、常に何かの音が鳴っていないと不安になります。
それで、ずっと和音を鳴らし続ける弦楽器っぽい音を入れたくなってきます。
それでも寂しい気がして、和音を分解して一音ずつ細かく鳴らせたくなります。
それも飽きたらなくなれば、今度は違う音色で同じように鳴らせます。

それでやればやるほど、いつもごちゃごちゃ音が鳴っているだけのちんどん屋みたいな曲になります。

でも、音楽というのは、音が鳴らない部分が鳴っている部分以上に大切です。
いわゆる「間」というやつです。
それが曲の持つリズムになります。
曲の盛り上がりも、音の鳴っている数と単純に比例するわけでもありません。
その感覚を自分の表現にするまでがなかなか難しいわけです。

平たくいえば、何かをしない決断は何かをする決断と同じくらい大切なのです。
音楽で間が大事なように、絵や文章で余白が大事なように、なにもない部分にも意味があります。

上記事の弱小チームを首位に押し上げたラニエリ監督もそれが上手く行っているようです。
というのも、戦術にはあまり口を出さず、自身は選手のコンディション作りなどを主な仕事にしているそうです。
これだけきくと怠け者みたいですが、この結果は、そんなあえてしない決断の成果に思えます。

面白いことに、これまでのラニエリ監督といえば、上手く行っていたチームを途中でいじって失速するのがおなじみでしたので。