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パレスチナの“ポチ”

2006-11-29 10:21:31 | Weblog
 ブッシュ大統領は29日、ヨルダンを訪れてイラクのマリキ首相と会談を行なう予定だ。

 本来ならイラクまで出かけて話し合いを持ちたいところだろうが、内戦状態のイラクではブッシュ大統領の生命の保証はない。そこで、イラクの隣国であり、親米国家で知られるヨルダンが選ばれたわけだ。

 ただ、ブッシュ大統領のヨルダン訪問の目的はそれだけに止まらないだろう。イスラエルとパレスチナの関係に口をはさみに来るはずだ。ライス国務長官を同行させるのはそのためである。

 イスラエルは今週になって突然、パレスチナ側に対して一方的に停戦提案をした。これは恐らく、ブッシュ大統領の訪問によって世界のメディアがこの地域に集まることを想定してのイメージ戦略と私はとる。

 現地情報では、ブッシュ氏はアッバース大統領とは会談せずに、ライス長官に西岸地区のジェリコ(エリコ)で会わせるのではとのことだが、アッバース氏は非公式にでもとブッシュ氏との会談を迫っている。

 アメリカ大好きのアッバース氏はブッシュ大統領ご一行様の到着を歓迎するためにヨルダン入りしている。

 そのアッバース氏、イスラエルの和平提案を歓迎する旨の発言を記者団に対して行なった。これは、明らかにブッシュ氏を意識しての発言だ。

 パレスチナでは、そんなアッバース氏を蔑む声が多い。これまで米国から受けてきた仕打ちを我慢してきたのは何のためだったのかというのだ。そんな表現はないが、日本で言えば、「ブッシュのポチ」的な言い方をされている。

 故アラファト氏の側近であったアッバース氏は長年の間、「追米外交」を行なってひどいしっぺ返しを喰らって苦しむアラファト氏の姿を見てきたはずだ。援助欲しさに現地になじまぬ政策を受け入れるよりも、独自の視点で生まれてくる政策を案出して実行して欲しいものだ。