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日々の出来事から国際情勢まで一刀両断、鋭く斬っていきます。コメントは承認制です。但し、返事は致しませんのでご了承下さい。

N・Yからの便り

2006-11-18 09:31:11 | Weblog
 N・Yで現地法人の社長を務める友人から久し振りにメイルが入った。他人からは羨まれる立場の彼だが、案の定、多くの問題を抱えて大変のようだ。

 中でもスタッフの現地採用の難しさは想像以上のものらしい。

 「誰だ、こんな奴、よりによって採用したのは、というレベル」という社員でも中々クビを切れないとのこと。それは、クビの宣告の向こうには、相手方の訴訟が待っているからだ。

 彼によると、日系企業の裁判沙汰の8割が嫌がらせの提訴だとのこと。まあ、彼の地では、陪審員の心象で裁かれるからその恐さはある。

 面倒を嫌って、日系企業はこういう場合、水面下で処理、つまりは、和解という方法を取るらしい。だから、「差別だ!」と相手が騒ぐと、経営者は数千万円の和解金をまずは頭に思い浮かべなければならないらしい。

 彼の会社の場合、社長業といっても、2,3年で終えて帰国することになるから、「臭いもの」には「蓋」をしたまま後任に託すのが慣わしになっていたようで、彼が着任した時もそんなことが山積みになっていた。

 蓋を開けずに任期をまっとうできた筈だが、それが出来ないのが彼の性格だ。「地雷を踏んでしまった」と書いてきた。つまり、どうしようもない社員の首切りを断行したようだ。また、事務所の契約更新でも前任者がいい加減にしてきた部分に手をつけたという。そんな内容のメイルを見ながら、彼らしいなと思った。

 単身赴任で、セントラルパークに間近いところに住んでいるとのことで、いつでも遊びに来いと言ってくれる。久し振りに会いたくなった。

 彼の任期中にどうにかして時間を見つけ、邪魔したいものだ。