2016年に予定されている夏季オリンピックの候補地選びが30日に行われ、東京が日本の立候補都市となった。
私には、東京でオリンピックを行う意味がさっぱり分からない。確かに42年前は、国民の多くが国立競技場に熱い視線を送り、繰り広げられる熱戦に心を熱くした。「東洋の魔女」と呼ばれた女子バレー・ティームが、痛み止め注射を打ちながら鉄棒演技を続けた小野選手が、最後まで歯を食いしばった円谷選手が私達日本人のナショナリズムをくすぐり、それが「明日の日本」を創ることにつながった。
だが、その代償も大きく、コンクリートで固められた東京の街から後になって悲鳴が上がることになる。あの日本橋などがいい例で、今になって上を通る首都高速道路を何とか移動させられないかと真剣に討議されている。また、あの時に始まった「ニッポン、チャチャチャ・ナショナリズム」は、その後成長し続け、今では中国どころか、米国でも「要警戒信号」が出始めるほどのものになった。だから、私は石原氏がオリンピック誘致に真剣になればなるほど嫌な気分になる。
個人的には、オリンピック自体は大好きなイヴェントだから無くなって欲しくはない。だが、それはあくまでも政治的な意図とは無縁のところで行われてその価値が保たれるものだ。間違っても「国威発揚」に利用されてはならない。また、同じ都市が何度も行うことにも異論がある。まだ、アフリカ大陸や南米に五輪の旗が渡っていないのだからそちらにチャンスを与えるべきではないか。
「アフリカや南米にオリンピックをやるだけの施設も金もない」
という人は多いが、それなら世界中で支援して開催すればいいことだ。五輪の輪が三輪のままでいいはずはない。ブラジルのリオデジャネイロが手を挙げているのだから日本がそちらの応援に回る動きをすれば、開発途上国からの日本を見る目も変わってくるはずだ。だが、日本も欧米も自国で開催しようと躍起になっている。
石原知事が、オリンピック開催に熱心なのは、オリンピックがもたらす経済効果とかスポーツ振興なのではなく、ナショナリズムの益々の発展にあると見ていた。
すると案の定、石原知事は、馬脚を露わした。福岡を応援してきた在日韓国人2世の姜尚中・東京大教授が30日に行われた日本オリンピック委員会の国内候補地決定投票のプリゼンで、「東京は大阪の二の舞になる。金持ちによる金持ちのための大会で、世界に勝てますか」と批判したことに腹を立て「さっき、どこか外国の学者さんが東京は理念が無いとおっしゃっていた。何の所以だか分かりませんが外国人がわけのわからないことを言っている」と反撃したという。さらに、その後の祝賀パーティでも、「怪しげな外国人が出てきたね。生意気だ。あいつは」などと述べたという。
石原氏が2016年まで都知事を務めていることはないであろうが、それにしても不愉快極まりない発言だ。私は別に姜教授の応援団ではないが、このことに関しては大声を上げて異を唱えたい。
私には、東京でオリンピックを行う意味がさっぱり分からない。確かに42年前は、国民の多くが国立競技場に熱い視線を送り、繰り広げられる熱戦に心を熱くした。「東洋の魔女」と呼ばれた女子バレー・ティームが、痛み止め注射を打ちながら鉄棒演技を続けた小野選手が、最後まで歯を食いしばった円谷選手が私達日本人のナショナリズムをくすぐり、それが「明日の日本」を創ることにつながった。
だが、その代償も大きく、コンクリートで固められた東京の街から後になって悲鳴が上がることになる。あの日本橋などがいい例で、今になって上を通る首都高速道路を何とか移動させられないかと真剣に討議されている。また、あの時に始まった「ニッポン、チャチャチャ・ナショナリズム」は、その後成長し続け、今では中国どころか、米国でも「要警戒信号」が出始めるほどのものになった。だから、私は石原氏がオリンピック誘致に真剣になればなるほど嫌な気分になる。
個人的には、オリンピック自体は大好きなイヴェントだから無くなって欲しくはない。だが、それはあくまでも政治的な意図とは無縁のところで行われてその価値が保たれるものだ。間違っても「国威発揚」に利用されてはならない。また、同じ都市が何度も行うことにも異論がある。まだ、アフリカ大陸や南米に五輪の旗が渡っていないのだからそちらにチャンスを与えるべきではないか。
「アフリカや南米にオリンピックをやるだけの施設も金もない」
という人は多いが、それなら世界中で支援して開催すればいいことだ。五輪の輪が三輪のままでいいはずはない。ブラジルのリオデジャネイロが手を挙げているのだから日本がそちらの応援に回る動きをすれば、開発途上国からの日本を見る目も変わってくるはずだ。だが、日本も欧米も自国で開催しようと躍起になっている。
石原知事が、オリンピック開催に熱心なのは、オリンピックがもたらす経済効果とかスポーツ振興なのではなく、ナショナリズムの益々の発展にあると見ていた。
すると案の定、石原知事は、馬脚を露わした。福岡を応援してきた在日韓国人2世の姜尚中・東京大教授が30日に行われた日本オリンピック委員会の国内候補地決定投票のプリゼンで、「東京は大阪の二の舞になる。金持ちによる金持ちのための大会で、世界に勝てますか」と批判したことに腹を立て「さっき、どこか外国の学者さんが東京は理念が無いとおっしゃっていた。何の所以だか分かりませんが外国人がわけのわからないことを言っている」と反撃したという。さらに、その後の祝賀パーティでも、「怪しげな外国人が出てきたね。生意気だ。あいつは」などと述べたという。
石原氏が2016年まで都知事を務めていることはないであろうが、それにしても不愉快極まりない発言だ。私は別に姜教授の応援団ではないが、このことに関しては大声を上げて異を唱えたい。