「送金メール問題」がいつの間にか「永田問題」になった感がある。そして、その永田問題も、私が一番恐れていた「落とし所」に収められようとしている。
一時は議員辞職会見までしようとした永田議員がなぜ翻意したのかと思い調べてみると、なんとその“妙案”作りに関与していた幹部の中に菅直人氏の名前がある。
これまで何度も選挙民に夢を与えては裏切ってきた菅氏だが、いまだにこんな姑息な手段に関わっているとすれば、裏切り行為の後に謝罪したりお遍路の旅に出たりしたのは、やはり選挙民を欺いていたことになる。そう言えば、不倫騒動や年金問題の時の“脇の甘さ”は、永田議員に相通じるものがある。
そんな菅氏がこのところ各地で呼びかけているのが、「団塊党」の立ち上げだ。戦後のベイビー・ブームで団塊の世代と呼ばれた人たち(と言うか、私もその一人)も、後数年で退職を迎える。まだまだエネルギーも使い果たしておらず、隠居させるのはもったいないからという声があちこちから上がり、その辺りの世の流れを読むことの得意な菅氏が、支持層開拓の一環として考え付いたのが「団塊党宣言」だ。
ヴォランティアやNPOの世界でもこのことが最近話題になる。団塊の世代が退職を機に“やりがい”を求めてこの分野にどっと参入する勢いなのだ。もう既にその傾向は出ており、問い合わせがこのところ急増している。
メディアがそんな動きを察知して奨励記事を書いているのも大きく影響をしているのだろう。また、その分野のトップにいる人たちの多くが同世代であることも「退職組」を勇気付ける。
だが、これまで地道に活動をしてきた若い世代の人たちにとっては、今のところ、正直に言って迷惑な存在のようだ。それは、団塊の世代の人たちが長年厳しい競争社会を生き抜いてくる中で培われたと信じる経験や知識・知恵を、まるで世の中のお手本であるかのように大上段から振り下ろしたりするためだが、このような関わり方は、迷惑のほかに言葉が見つからない。
昨日の朝日新聞の「オピニオン」欄で、東京大学教授の松原隆一郎氏が、「知恵・経験を捨ててから地域参加を」と題してその辺りを指摘している。これは、団塊世代に引退後、社会経験を生かして、地域でコミュニティー作りに取り組んで欲しいとの「世間の願望」があることに対しての警告だといえる。
松原氏が49歳という、団塊の世代の下で、常にその“重さ”に押し潰されそうになって育ってきた世代だけに言葉の一つひとつに重みが感じられる。提言自体は3段扱いで目立たないが、社会経済学者ならではの、全体をきちんと把握しての分析だから説得力がある。
松原氏は提言の中で、消費社会やバブル経済を演出してきた団塊世代が一般に持つ価値観は、商店街の建て直しやまちづくりにはもっとも向かないものだと断じているが、私は大賛成だ。
松原氏はそのような団塊の世代の特徴を踏まえて上で、下記のように呼びかけている。
「各地で今、30代の若手がまちづくりに成果を上げている。団塊組みが後からそこに参入するなら、自らの価値観を反省する作業が要るだろう。社会で身につけてきた知恵や経験を捨てる覚悟。それができれば、他世代とつながる糸口は見えてくる」
一時は議員辞職会見までしようとした永田議員がなぜ翻意したのかと思い調べてみると、なんとその“妙案”作りに関与していた幹部の中に菅直人氏の名前がある。
これまで何度も選挙民に夢を与えては裏切ってきた菅氏だが、いまだにこんな姑息な手段に関わっているとすれば、裏切り行為の後に謝罪したりお遍路の旅に出たりしたのは、やはり選挙民を欺いていたことになる。そう言えば、不倫騒動や年金問題の時の“脇の甘さ”は、永田議員に相通じるものがある。
そんな菅氏がこのところ各地で呼びかけているのが、「団塊党」の立ち上げだ。戦後のベイビー・ブームで団塊の世代と呼ばれた人たち(と言うか、私もその一人)も、後数年で退職を迎える。まだまだエネルギーも使い果たしておらず、隠居させるのはもったいないからという声があちこちから上がり、その辺りの世の流れを読むことの得意な菅氏が、支持層開拓の一環として考え付いたのが「団塊党宣言」だ。
ヴォランティアやNPOの世界でもこのことが最近話題になる。団塊の世代が退職を機に“やりがい”を求めてこの分野にどっと参入する勢いなのだ。もう既にその傾向は出ており、問い合わせがこのところ急増している。
メディアがそんな動きを察知して奨励記事を書いているのも大きく影響をしているのだろう。また、その分野のトップにいる人たちの多くが同世代であることも「退職組」を勇気付ける。
だが、これまで地道に活動をしてきた若い世代の人たちにとっては、今のところ、正直に言って迷惑な存在のようだ。それは、団塊の世代の人たちが長年厳しい競争社会を生き抜いてくる中で培われたと信じる経験や知識・知恵を、まるで世の中のお手本であるかのように大上段から振り下ろしたりするためだが、このような関わり方は、迷惑のほかに言葉が見つからない。
昨日の朝日新聞の「オピニオン」欄で、東京大学教授の松原隆一郎氏が、「知恵・経験を捨ててから地域参加を」と題してその辺りを指摘している。これは、団塊世代に引退後、社会経験を生かして、地域でコミュニティー作りに取り組んで欲しいとの「世間の願望」があることに対しての警告だといえる。
松原氏が49歳という、団塊の世代の下で、常にその“重さ”に押し潰されそうになって育ってきた世代だけに言葉の一つひとつに重みが感じられる。提言自体は3段扱いで目立たないが、社会経済学者ならではの、全体をきちんと把握しての分析だから説得力がある。
松原氏は提言の中で、消費社会やバブル経済を演出してきた団塊世代が一般に持つ価値観は、商店街の建て直しやまちづくりにはもっとも向かないものだと断じているが、私は大賛成だ。
松原氏はそのような団塊の世代の特徴を踏まえて上で、下記のように呼びかけている。
「各地で今、30代の若手がまちづくりに成果を上げている。団塊組みが後からそこに参入するなら、自らの価値観を反省する作業が要るだろう。社会で身につけてきた知恵や経験を捨てる覚悟。それができれば、他世代とつながる糸口は見えてくる」