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日々の出来事から国際情勢まで一刀両断、鋭く斬っていきます。コメントは承認制です。但し、返事は致しませんのでご了承下さい。

ヒステリックな中国批判

2008-08-27 21:53:16 | Weblog
 オリンピックの報道をきっかけにして日本国内における中国批判が一段と激しさを増している。

 確かに、彼の国は国民の自由よりも国益を優先させている面が目立つ。人権問題への取り組み方も本腰を入れていないし、言論弾圧に至ってはひどいものだ。

 だが、今日本で展開されている「反中キャンペイン」と言っても過言ではない中国批判は、完全に度を越している。大人ばかりか子ども達への影響も大きく、可愛い口から過激な反中意見が飛び出すことも珍しくない。

 マスコミでは、産経グループや新潮社が大分前から反中的だが、このところの日テレと小学館(週刊ポストやSAPIO)の暴走振りは相当過激だ。その波は、他の紙メディアやTV各局にまで影響してこのところ横並びで中国批判のオンパレイドである。

 日本にとってこれからますます中国との関係は重要になる。冷静で建設的な批判はあってしかるべきだと考えるが、このような無節操な中国批判は今すぐにでもやめるべきだ。こういった感情的なヒステリックとも言える批判が日中関係にどのような影響を与えるか、頭を冷やして考えないと、将来必ずや後悔する時期が来る事になるであろう。

浜辺で結婚式

2008-08-25 15:03:43 | Weblog
 昨日は、湘南の葉山で知人の結婚式。

 新郎新婦はそれぞれ都内で「たまにはTSUKIでも眺めましょ(http://ameblo.jp/smile-moonset/)」「オハナカフェ(http://www.ohanacafe.jp/)」を営んでいる。

 共に持つ人脈の豊かさが感じられる集まりで、約200人の友人・知人が二人の新たな門出を祝福した。

 式場は、葉山の一色海岸にある「海の家」。家と言っても建築物というよりも昔ながらの海の家である。案内状に、ジーパンにサンダル履きで来場されたしとの注意書きがあったが、確かにその格好が一番しっくりくる会場であった。

 湘南地方の天候は雨。頭上はビニールシートで覆われているが、雨水が溜まって所々に水風船様のふくらみが垂れ下がった。参加者はそんな事態にも臆することなく、供される食事や音楽、それに出会った人との会話を楽しんでいる。

 参加者のひとりが、「TBSでアルバイトをやっていた時に報道局で浅井さんをよく見かけていました」と声をかけてきた。また、主宰するメディア塾の塾生の友達だという若者にも声をかけてもらった。嬉しいことだ。

 雨音と波音がさざめく中、様々なジャンルの音楽や踊り、それにジャグリングまでもが飛び出して会場は大いに盛り上がった。型にはまった結婚式が苦手な私には楽しい祝いの席であった。

訂正とお詫び

2008-08-25 14:51:11 | Weblog
 読者の一人、すいふろさんから「豪腕・小沢の復活」と題した一文の中にあった漢字の変換ミスをご指摘いただきました。

 ご指摘の通り、最後の節の「国民の相違」は、「国民の総意」です。訂正してお詫び申し上げます。

 すいふろさん、ありがとうございました。

豪腕・小沢の復活

2008-08-23 12:02:34 | Weblog
 民主党の代表選びに名乗りを上げるのではと言われていた野田佳彦氏や枝野幸男氏が22日、出馬を断念した。

 確かに、二人が小沢氏に挑んだとしても野田グループや枝野氏の属する前原グループではそれぞれ20人程度の勢力だからどちらも小沢氏に勝てる見込みはない。

 だが、その出馬断念の舞台裏が問題だ。

 小沢氏はこれまで、「自分は自民党にいた頃とは違う」とかつての豪腕振りを過去のものとしてきたが、ここに来てまたぞろそのワンマンぶりを見せ始めている。

 小沢氏は周辺に、解散総選挙まで残された時間は多くはなく、「代表選挙で時間を無駄にしていれば自民党の厚い壁は破れない。そんな無駄なことをしていないで選挙区周りに集中させろ」と号令を発した。

 それはつまり、「野田を潰せ」という命令だと取り巻きは取っており、彼らは揃って野田派や前原派の切り崩しに動いた。その結果が、22日の出馬断念となって現れたのだ。

 確かに、政権取りという観点だけにやり方を絞れば、解散総選挙への布石を着々と打っていかねばならないだろう。だが、私はやはり小沢氏のやり方に疑問を感じる。

 代表に就任してからの彼の言動を見ていると、筋を通しているように見えるかもしれないが、それは見かけだけで、福田さんとの大連合を含め、右に左に揺れ動き続けている。また、民主党の中にあっても議員や派閥の意見はバラバラで、経済、外交、防衛とどれを取っても民主党の一貫した政策や考えが見えてこないのが現状だ。

 こんな状態で政権を取ったとしても、安定した政治が行なえるはずはない。いや、下手をすれば、「小沢政権」も誕生から長持ちせずに空中分解してしまうだろう。民主党と言うのだからもっと開かれた民主的な政党であって欲しいと願うのは、自民党政権に辟易した国民の総意ではないだろうか。

電気料金値下げの偽装

2008-08-21 10:30:40 | Weblog
 各地域の電力会社が「電気料金の値下げ又は据え置き」に踏み切った。

 ガソリンを始めとして多くの物価が急上昇している中での決断だ。「さすが、電力会社。太っ腹だね。今時珍しくいい話だ」と受け止めている人もいる。

 だが、騙されてはいけない。これは悪質な料金の偽装なのだ。それも、全国にある10の電力会社が足並みを揃えての法の盲点を突いた詐欺行為だ。

 電力やガスの公共料金は、値上げをする場合、消費者の意見を吸い上げる公聴会を開き、その上で国に認可を申請することが法律的に義務付けられている。

 だが、その法律には「燃料費調整制度」という抜け道が用意されている。これは、一年に4回、つまりは三ヶ月ごとに原油や天然ガスの価格変動に連動して自動的に料金を上げ下げできる制度だ。国の認可は必要としない。

 我々が払っている電力料金の内訳は、基準燃料価格と設備費・人件費に大別される。燃料費調整制度では、基準燃料価格から電力は1.5倍、ガスは1.6倍の範囲内で自動値上げすることが許されている。

 そこで電力各社が考え出したのは、現在の設備費・人件費などの費用を9月に値下げして基準燃料価格を上限一杯の1.5倍にする。そうすると電力料金は値が下がり、多少だが消費者の元に届けられる請求書の額は若干の値下げ、又は据え置きになる。そうしておいて来年1月に基準燃料価格を再度上限一杯に値上げする予定だと言う。そうすると、標準家庭の支払い額は、6797円が7590円になる。当然のことながら、「ビンボーの子沢山」家庭では電力使用量が多いから値上げはよりきついものになる。

 確かに、昨年から今年にかけての原油高は異常だ。料金の値上げはやむなしとする声も多いし、私もあえて反対はしない。だが、そうであるのなら消費者が分かり易いように説明をした上で改定をするべきではないか。「偽装」がはびこっている世の中だ。それだけに、公共機関である電力会社には余計に姑息な手段は使わず、正当なやり方を通して欲しいと願うのは私だけだろうか。

 それにしても、東京電力広報部のお粗末な対応には失礼ながら怒りに近いものを感じた。都合が悪い数字や資料は出したくないのか、「調べて送る」と言う。例えば前回の料金改定についての内訳すらすぐに出せないと言うので思わず「御社はデイタの電子化をしていないのですか」と厳しい口調になってしまった。

 電力会社は地域に一つしかなく、公共性の非常に高い、独占産業である。それだけに、企業の透明性が必要不可欠であるし、消費者の視点から運営することが求められる。また、我々消費者の側もこのような姑息な手段にはこれからも目を光らせていかなければならない。

ウルルン滞在記

2008-08-18 18:57:20 | Weblog
 妻が日本代表を務める「United Planet(http://www.ase.ne.jp/unitedplanet.html)」については、これまで何度か紹介させて頂いたので重複を避けるが、先日、日本でのヴォランティア活動を終えて帰国するアメリカ人の若者Sの見送りに加わった。

 彼女はサンフランシスコの大学に通う女子大生。ジャーナリスト志望のSは、滞日中も自由時間になるとひとりで東京の街をカメラをぶら下げて「人」を被写体にしていたという。世話好きの「ホームステイ・マザー」にとっては、それも心配の種であったようだが、欧米の若者は想像以上に逞しい。この猛暑の中、あちこち歩き回り、誰に頼ることもなく目的を果たしてきた。

 アメリカ人にしては控え目で大人しい、だが芯の強いSは、受け入れ先の家族と相性は抜群。双方から「受け入れて良かった」「滞在して良かった」という反応が毎日のように直子の元に寄せられた。

 JR大宮駅で成田空港行きの高速バスに乗って行ったのだが、バスを待つ内、「滞日中に一番印象的だったことは?」とSに聞くと返って来たのが、「ホームステイした家族」という答え。その後にヴォランティア活動をした養護施設の話も出てきたが、こういう答えは珍しい。紹介したこちら側もこう言われると嬉しくなるものだ。

 ところが、Sと見送りにきたホームステイマザーKの様子が何となくぎこちない。バスの出発時間が近付くと、お互いに顔を見合わせようもとしないのだ。お別れのハグもしないでSはバスに乗り込んだ。

 Sはいったんは我々が見える側の座席に座ったのだが、すぐに反対側の席に移動してしまった。Kはと見ると、「だから私は見送りに来たくなかったの」と言いながら、涙ぐんでいる。

 そう。二人とも別れが辛くて、別離にきちんと向き合えないのだ。直子もそんな二人を見て「可愛い」と言って笑いながらもウルウル。なんとも奇妙な、しかしながら微笑ましくもある光景になった。
  

ああモンテンルパの夜は更けて

2008-08-12 11:30:49 | Weblog
 今朝、衛星放送のチャンネルを回していると、「戦争特集」なのだろう。フィリピンで戦犯として死刑宣告を受け、モンテンルパ捕虜収容所にいた旧日本兵と歌手・渡辺はま子との交流を描いたドキュメンタリーが放送されていた。

 歌謡曲「ああモンテンルパの夜は更けて」の詩を作った代田銀太郎さんを中心に構成されている番組に興味を持った直子が、録画をしておいてと出かけて行った。

 直子は、自らが主催する「ブリッジ・フォー・ピース」の活動の中で数年前、代田さんに取材してから短い間だが交流を続けさせていただいていた。

 録画をしながら私も番組を見続けた。というのは、もう30数年前のことになるが、AP通信の記者であった私は、108人もの死刑宣告を受けた戦犯全員がキリノ・フィリピン大統領(当時)の恩赦で釈放され、帰国を許された舞台裏に興味を抱き取材したことがあるからだ。

 キリノ大統領の「美談」でくくられていた恩赦の裏に政治家の“思惑”を感じた私は、70年代半ば、フィリピン取材を含めて関係者に話を聞いて回っていた。今は亡き渡辺はま子さんに取材して「モンテンルパの会」に参加させていただいたこともある。

 私の力では日比間でどのような落とし所を見つけたのかその真相を解明できなかったが、今朝観た番組でも真相の究明はされずに、救命嘆願に尽力した加賀尾さんという教戒師とキリノ大統領の美談に終始していた。

 番組自体は、作詞者の代田さんがどのような心境から詩を書き、渡辺はま子さんがそれを意気に感じて受け止めて行ったか、二人の心の動きをまじえて作られている。またそれがどんな経緯で流行歌として日本国中で歌われるようになったかを描いているのでこれはこれで見ごたえのある番組であった。

 これを観て代田さんに質問したいことがいくつか頭に浮かんできた。だが、その代田さんは残念ながら2年前に他界されて今はいない。

今日は何の日?

2008-08-09 23:32:20 | Weblog
 今朝の主要各紙を見て驚いた。讀賣、朝日、毎日三紙のどれにも「長崎への原爆投下から63年」の見出しがないのだ。

 北京オリンピック報道が不要などというつもりはない。だが、あれだけの生命を奪った人類最大の愚挙の記念日を飛ばすとはどういうことなのか。私は朝刊各紙を手にしてしばし呆然とした。

 夕刊できちんと報道したから問題はないはずだ、と考えるかもしれない。だが、そうだろうか。8月9日を迎えるにあたって、朝刊で読者に「63年前の出来事」をきちんと伝えて長崎への原爆投下に想いを馳せるよう呼びかけるのがメディアの役目だと私は考えるが、そう思うのは果たして私だけだろうか。

 TVでは、枠は小さかったが、NHKは午前7時のニュースで「63年後の長崎」を伝えていた。

 今日、都内で直子と開いた「8月くらい戦争カタレ場」でもこのことが話題になったが、大部分が私と同意見であった。

 このことに限らないが、最近、読者の多くは新聞の報道姿勢に疑問を持っている。新聞記者諸君は恐らくそんな意見を持っているのは一部の読者だけだと思っているだろうが、実は多くの人が新聞に対して不満を持っているのだ。

 「戦争モノは最近やったから」等と言う記者がいるが、戦争は芸能ではない、社会現象でもない。人類最大の愚かな行いだ。そんな見方をしているから今日の様な事が起きると私は考える。こんな紙面づくりをしている新聞記者やデスク諸君には猛省をうながしたい。

外国人介護士の導入の光と陰

2008-08-08 08:40:48 | Weblog
 日本の医療・介護の世界に危機が迫っている。

 特に、現場で働く労働力不足は悲劇的ともいえる状況で、治療や介護に支障が出てきている。

 そりゃあそうだ。私の周りを見渡してもそのような施設で働く者は少なくないが、彼らは異口同音に劣悪な労働条件、特に収入の少なさを嘆く。介護福祉士などの有資格者が、月の内に何日も夜勤をする過酷な勤務をこなしても手取りが20万円に届かないことが多いというのだから彼らが嘆くのは当たり前だ。

 「こんな給料では家族は養えません」と転職していく男性職員が最近目立つが、これも当たり前と言えば当たり前だろう。

 日本の若者がこの分野を敬遠し始めていることを危惧する関係者は多く、そこから出てきたのが「ならば、外国人労働力に期待をしよう」という安易な考えだ。

 そんな流れを受けて7日、日本とインドネシアとの経済連携協定(EPA)に基づき、インドネシア人の介護福祉士と看護師の候補者が来日した。第1陣は介護職101人、看護職104人の計205人。その内6割強が女性だ。

 205人は、東京や神奈川、大阪などの6施設で半年間、日本語や生活習慣の研修を受けた後、34都府県の老人ホームや病院など98施設で、日本人職員と同水準の給与で働く。これは、給与水準だけを取れば、インドネシアの人たちからすれば6~7倍の厚遇だ。彼らの眼の輝きが違うのも分からぬではない。

 だが、問題はその後だ。彼らは介護職は来日から4年、看護職は3年間労働できるが、その間に日本の国家資格を取得できなければ帰国を余儀なくされるという。ということは、それまでの研修費用(一人につき800~1,000万円)を負担する施設にとっては大きなリスクを犯すことになる。ある程度の年齢になり、3年間で、しかも働きながら日本語を勉強して難しい国家資格を取るのは至難の業だ。役人さんよ、もし本気で外国人労働力導入を考えているのならもう少し頭を使いなさいよ。


8月ぐらい戦争カタレ場

2008-08-08 00:59:08 | Weblog
 妻直子の主催している「Bridge For Peace」で毎年恒例となったのがこの企画!
 今年も開催します。もちろん、私も毎回参加しています。時間がある方は、いや皆さん、是非時間を作ってでも参加してください。お待ちしています。

 以下、主催者からのメッセージです。

 06年の第一回から、10代~80代(元日本兵)まで全世代が揃う異空間が生まれています。でも、願いは一つ。共通するものがあり、とっても心地良い有意義な時間を過ごさせてもらっています。

 敗戦記念日の8月ぐらい、せめて戦争について全世代で語り合いましょう、というのが主旨の、とてもシンプルな集まりです。お誘いあわせの上、ご参加ください(参加希望の方、人数把握のためinfo@bridgeforpeace.jpまでご連絡頂けると有難いです)


日時:08年8月9日(土)13:00~16:00
場所:地球ひろば303
<地図はコチラhttp://www.jica.go.jp/hiroba/about/map.html>

 今年は、語りボランティアをやっておられる中谷久子さんも例年通り参加してくださいます。そして、ナント「法印様と狐」(山伏が、狐に意地悪して、逆に脅かされる、怪談っぽいお話)をご披露くださるとのこと。楽しみです!

ウィグルの生の声

2008-08-06 12:59:33 | Weblog
 ASEにいると、中国のウィグル地区に行っていた生徒の一人が興奮した面持ちで入ってきた。

 4日朝に起きた警察部隊襲撃事件はどうだったかと聞くと、彼女は3日に現地を出ていたので直接の影響は受けなかったものの、それまでに受けた治安当局による規制の凄さ(酷さ)に怒り心頭、「兵士に銃口を何度も突きつけられた」「刃物という刃物を、爪切りに至るまで取り上げられた」と口角泡を飛ばして話した。

 授業中もその勢いは止まらず、土産の干しブドウをクチャクチャ食べながら話し続けていた。

 彼女はこれまで何度も海外に出かけており、中国にも足を運んでいる。その彼女がそこまで興奮するのはこれまで見た事がない。レッスンを終えてからも1時間近く話しこんでいった。

 中国を旅するとよく分かるが、中国の人たちは表現の違いはあるにせよ親切心にあふれている。ところが、制服を身にまとった連中の横柄で、時に乱暴な言動には不快な思いをさせられることが多い。恐らく彼らは中国共産党や人民軍の命令や指示を忠実に守っているだけなのだろうが、時に不気味ですらある。

 オリンピックを成功に導くためには“多少の”不便さや迷惑は仕方ないと指導部は思っているかもしれないが、この辺りから根本的に変えていかないと国際社会に受け入れられるようにはならないだろう。

 しかし、この話は私には他人事とは思えなかった。彼女の話を聞いていて、先日開かれた「洞爺湖サミット」で日本の警察から酷い扱いを受けた外国人ジャーナリストやNGOスタッフの話を思い出したからだ。一部報道でも伝えられたが(日本のメディアよりも外国メディアの方が大きく扱っていた)、外国人ジャーナリストを含むサミット周辺に集まった人たちに対して日本の公安当局が行なったことは、中国の警察が外国人を含む民衆に対してやっていることと何ら変わりはない。

 人の振り見て我が振り直せだ。日本は国際社会の一員、それもリーダー的な存在でありたいのならこの辺り(報道の自由度)から改め、アジア周辺諸国に範を垂れるべきだろう。

私の視点 麻生人気に警鐘を鳴らす

2008-08-05 10:53:46 | Weblog
 福田内閣が改造された。マスコミはこぞって「解散時期が云々カンヌン」「小泉チルドレンの扱いがドータラコータラ」と騒ぎたてている。中でも幹事長に就任した麻生太郎氏の取り上げ方が異常だ。

 漫画好きにどれほどの意味があるのかさっぱり分からないが、どのメディアも漫画好きが庶民派の代名詞であるかのように麻生氏を好意的に紹介している。そんな「洗脳」とも言えるマスコミの対応が着実に麻生氏の人気を高め、今や「首相候補人気ナンバー1」だ。

 その他の人事についても大きく紙面や時間を割いて面白おかしく書いたり見せたりしている。だが、間違ってはいけない。内閣の人事は、紅白歌合戦やオリンピックの出場者選びをしているのではないのだ。国の舵取りを任す大臣たちを選んでいるのだ。人柄を紹介することよりも、選ばれた人たちの大臣としての能力を分析して欲しいと思うのは、私だけだろうか。今回の改造人事は、まあ、いつものことだが、大局を見てのものではなく政局がらみだ。適材適所よりも当選回数と各派閥の思惑や事情が優先されている。大臣一人一人の能力は二の次に見えてならない。

 いくら政治家達が政(まつりごと)のレヴェルを落とそうとも、マスコミを含めた「民意」がしっかりと政治を監視する姿勢を貫いて厳しい「市民の眼」を光らせていれば、まだ救いがあろうというものだ。ところが、政治家の監視役であるはずのマスコミまでもが「市井の目線」をなくし、目先の動きに惑わされ、踊らされている現状は情けなさを通り越して怒りに近いものを感じる。

 麻生氏が幹事長になったことにしても、一部のマスコミは、麻生氏の「火中の栗を拾う」という発言に意気を感じて、「男麻生が国のためにひと肌脱いだ」などと持ち上げているが、冷静に考えれば、麻生氏にとって「この機を逸したら二度と(首相になる)チャンスは訪れない」ことは明々白々だ。

 福田政権が解散総選挙を今年中に断行すれば、自民党が政権維持できないとは誰もが考えること。総選挙で自民が敗北すれば、その後いくら自民党総裁の椅子に座っても麻生氏は総理にはなれない。「ただの自民党総裁」だ。そんな地位は麻生氏にとって何の意味もないものだ。首相の座こそが「吉田茂の孫」の自分にとっては最も相応しいと彼は考えている。

 だったら、腕を拱いているのではなく勝負に出るべきだと考えたとしても不思議ではない。「情」に弱い国民に「情の世界」でアピールすれば、必ず自分の人気はさらに上る。それは小泉戦略に学ぶ所が多いが間違いなくそう計算したと私は見る。

 幹事長はいわば党の顔だ。地方選挙を含む多くの出来事にマスコミは意見を求めてくる。自分からマスコミに売り込む必要はない。マスコミが追いかけてくるのだ。だから彼は、あらゆる機会を捉えて自分の顔を露出させ続ければいい。勢いのある者にとってこんな美味しいポストはない。

 自分を前に押し出して「麻生人気」をさらに上げれば、勢いづく民主党の前進を阻むだけでなく、次の総選挙への展望も開けてくる。そこで与党第一党の立場を守りきれば、ポスト福田の後継者争いの勝利は約束されたようなもの。もしそうならなくとも、例えば福田氏が辞任した際には総裁の座を禅譲される目も出てくる。

 だから再度言うが、麻生氏が幹事長のポストに就いたのは、「火中の栗」を拾いに行ったからではない。彼は自分の年齢から「この機会を逃したら二度とチャンスはない」と考えたからなのだ。

 これまでにも何度も口を酸っぱくして言って来た事だが、記者諸君には「木を見ずして森を見る」を忘れずにと強調したい。

 麻生氏が天下を取れば、恐らくこれまで放送してきたものの再放送を見るように、マスコミ各社は麻生批判キャンペーンを張っていくだろうが、それでは遅い。その前に麻生氏の性質・性格から追い求める政治理念まで丹念に情報を拾い、読者や視聴者に伝え続けて欲しい。そうでなければ、かつて小泉純一郎氏に夢を見ようとしたように、また国民は麻生氏に自分達の将来を託そうとするだろう。

 しかし、残念ながら麻生氏には小泉氏同様、この国の舵取りを任せられるものがあるとは言い難い。小泉氏が国を壊したように、下手をすれば麻生氏も舵取りを誤って日本を迷走させる可能性が少なくないのだ。

 とかく間違いがちだが、国の閉塞感を打ち破ることが出来るのは一人の政治家ではない。回り道と思われようが国民全体の政治への関心を高めることだ。

 マスコミのある種のヒロイズム礼賛にここで一つ警鐘を鳴らしておく。

五輪開催直前に襲撃事件

2008-08-05 00:02:11 | Weblog
 4日、中国新疆ウイグル自治区カシュガルでジョギング中の警察官の一隊にゴミ収集車が突入、その後車から飛び出てきた2人の男が爆弾やナイフで襲い掛かり、16人の警察官の命を奪った。

 ウイグル地区ではかねてより北京五輪開催に合わせて襲撃事件が起きるとの情報があり、今回の事件でそれが裏付けられた格好となった。

 治安当局は、胡錦濤指導部の「安全な五輪実現を最優先にせよ」との号令を受けて厳しい警戒態勢を敷いてきただけに、五輪妨害が狙いとみられる今回の襲撃事件を防げなかったことに衝撃を受けている。

 ウイグル地区は中国最西端でイスラームの影響が非常に大きく、若者達の多くはアル・カーイダなどの急進派に共感を抱いていることからテロの発生が懸念されてきた。今後一段と警備が強化されるのは確実だが、五輪開催時の安全確保が胡指導部にとって大きな試練となる。

 胡錦濤氏と言えば、天安門事件の鎮圧を指揮したとされる御仁だが、彼が本気を出したらどんなことになるか、想像するだに恐ろしい。だからそうならないためにも国際的な監視の目を緩めてはならない。

熱中時代

2008-08-02 14:39:12 | Weblog
昨日のこと、普段は元気に飛び込んでくるY君の様子がおかしい。大好きなおしゃべりやカードゲイムに興じるわけでもなく、椅子に座り続けていた。

 ただ、Y君、時折りふて腐れて同じような表情を見せることがあるので、まずは観察に留めた。

 レッスンが始まる時間になってもどこか具合が悪そう(不機嫌?)なので、体に触れてみると熱がある。頭痛もあると言う。だが、脈拍はそんなに多くはないし、意識ははっきりしていた。この時期、元気な子ども達は外から駆け込んでくると同じような症状を見せる場合がある。ひとまずは教室の涼しい所に椅子を並べて横にならせた。そして、スポーツドリンクを飲ませた。

 その後も観察をしていたが、改善する様子がない。授業は受けさせずにそのまま涼しい場所に寝かせた。そして、親と連絡を取らせて家に帰した。

 後になってY君を病院に連れて行った母親から連絡が来た。38度の熱があり、軽い熱中症にかかっていたらしい。

 熱中症は、判断を誤ると手遅れになる場合もある。夏休み中は遊び時間が長くなる。遊びに夢中になる子ども達に特に注意を払い、異変に気付いたら適切な処置をされるよう心がけていただきたい。

内閣改造と公明党の思惑

2008-08-02 07:42:47 | Weblog
 内閣が改造された。

 マスコミは様々に書き立てているが、私が一番気になったのは公明党の動きだ。
改造人事の発表の前には、評論家や記者たちが「公明党が閣僚ポストをもう一つ要求している」「浜四津氏又は松氏の女性幹部の起用を迫っている」などと言っていたが、ふたを開けてみれば1ポストのままだ。それも、環境省という政治的な見方では“軽い”ポストだし、女性ではない。

 果たして福田首相が裏を書いたのか。

 私はそうではないとの見方をとる。事実、福田氏は公明党の幹部と何度も協議を重ねていたし、次の選挙で勝つためには公明党の力なくしてはならない。

 ならば何が起きたのか。

 私は公明党が福田政権に愛想をつかしたと見る。福田政権が倒れる日が間もないと見て一蓮托生を嫌ったのではないか。つまり、福田政権との共倒れを恐れて距離を置いたのではないかと思うのだ。

 だとすると、政界再編も十分にありうる。党内にくすぶる自民党に対する不満が思いのほか大きく、これ以上これまで通りの連立体制を組めなくなっているのかもしれない。もちろん、最終的な判断は最高実力者である池田大作氏の思惑による所が大きいだろうが、これからは公明党の動きに注目する必要がある。