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日々の出来事から国際情勢まで一刀両断、鋭く斬っていきます。コメントは承認制です。但し、返事は致しませんのでご了承下さい。

日本賞の審査結果

2005-10-31 23:42:27 | Weblog
 NHK日本賞の審査が終わり、31日、各部門の受賞作品が発表された。友人の参加した「番組企画部門」では、案の定、彼女の企画は通らず、アフガニスタンの番組名「すべては読み書きから」が選ばれた。
 私は前述したように、3つのエントリーの発表しか見ていないので語る資格はないが、話題性から言っても妥当な選考との空気があった。その作品が完成したらぜひ見てみたいと思う。
 今回、日本賞のホンの一部分しか見ていないが、こういう有意義な活動こそがNHKが求められているものだと感じた。くだらない番組に大金をつぎ込むことはもういい加減にして、BBCのように権力とは一線を画し、民放ではとても作れない番組制作や世界の隅々にまで目を配った文化活動をしてくれないかと思う。そうすれば、私は喜んで受信料を払うつもりだし、協力も惜しまないつもりだ。だが、今のNHKの体制では、そんなことは、到底かなわぬ「夢のまた夢」だろう。

TVの政局報道批判と「浅井の視点」

2005-10-31 12:17:46 | Weblog
 今朝のTVを観ていると、どの局も揃って「政局」報道に力を注いでいる。「誰がどのポストに就くか」「小泉さんは本当に誰にも相談していないのか」等など、まあ、どうでもいいことを長々と放送していた。解散総選挙の際のTV報道が、様々な問題があったと指摘を受ける中で、またぞろ同じことの繰り返しだ。
 今朝も党三役を誰が指名されるかとかなりの時間を割いて論議していたが、第一、視聴者のどれだけが、党三役そのものの役割を把握しているのか、はなはだ疑問だ。私の周りの人たち(アンケート対象者はマスコミ関係者以外の8名)の全てが、党三役と役割を全部言ってみてと私に言われて答えられなかったほどの認知度だ。そんな役職名もなじみがあまりなくて、役割も知らないのに「誰が指名されるのか」などを論じるのがどれほどの意味があるというのだろうか。
 こういう政局報道が、小泉さんの得意の論点逸らしに間接的に協力していることをあれほど指摘されても、「『4人衆』がどのポストに就くのか」「マドンナたちの扱いはどうなる」「“サプライズ”はあるのか」の話題に終始する。こういった形で政局を興味本位で取り上げると、その後どれだけ一生懸命に増税案や年金問題、憲法改変を解説しても視聴者の受ける印象は、前者に集中してしまうのだ。
 ところで、以前から数名の読者が、私のマスコミ批判に手厳しい書き込みをされているが、「第4の権力」とされるマスコミを監視する制度がない以上、誰かがその役割をしなければならないことをまずご理解いただきたい。そして、欧米のブログの世界では、広くマスコミ批判や報道検証が行なわれていることをここにお伝えしておく。前にも書いたが、私は別にマスコミが嫌いなわけではない。逆に言えば、大好きかもしれない。またその役割の大きさを良く分かっているつもりだ。それだけに、手厳しい批判になるのだが、間違っても「可愛さ余って憎さ百倍」という「愛憎のスパイラル現象」にならないように、との冷静さは失わないようにしている。これからもこれまでの姿勢は変わることなく、マスコミへの厳しい視線(浅井の視点)を送り続けていくが、皆さんのご意見は毎日きちんと目を通している。読者の皆さんにはこれまで同様、厳しいご意見をどしどし書き込んでいただきたい。でもたまには「お褒めの言葉」も忘れずに(ダハ!)。

「靖国参拝」議員、お断り

2005-10-30 19:24:30 | Weblog
 毎年恒例の「日韓国会議員サッカー」。勝敗云々よりも、親善の色合いが濃い行事である事は確かだが、これまでにも「教科書問題」や「竹島問題」で延期になったりと、何かと物議をかもすことで知られるイヴェントだ。
 今回もモメゴトには至らなかったものの現在の日韓関係を反映する形で、韓国側から「靖国神社に参拝した議員は参加しないで」と申し入れがあった。
 韓国の通信社聯合ニュースによると、韓国国会議員サッカー連盟の張永達(チャン・ヨンダル)会長が、来月中旬に親善試合をしようとの日本側からの提案を受け、「『靖国神社に参拝した議員が参加しないことを条件に開催しよう』と返事をした」ということだ。それに対して、日本側は「参加議員は少なくなると思うが了解した」と返事をしたとのこと。
 このイヴェントだけを取り上げれば、大したことではないが、小泉首相の「靖国参拝」が日韓・日中関係に与える影響は計り知れない。

インドの同時多発テロにアル・カーイダの影?

2005-10-30 19:09:43 | Weblog
 29日に起きた、ニューデリーの同時多発テロで、インド治安当局は30日までに、事件に関与した疑いで少なくとも22人を拘束したとPTI通信は伝えている。
 同通信は、治安当局者筋の話として、パキスタンに拠点を置くイスラム過激派ラシュカレトイバが国際テロ組織アル・カーイダと協力した可能性があると伝えている。同組織はこれまでにも2000年の「デリー城(観光名所)襲撃」など、インドにおいて幾つかのテロ活動を実行している。
 ただ、私はこの地域の情報網は有しておらず、各報道機関のニュースを読んでいても、なぜパキスタン地震が起きて大変な時期にこのような行動に出るかなど、不明な点だらけだ。だったら書くなよ、と言われるかも知れないが、今後「イスラームの波」にどのような影響を与えるかも知れないので、しばらくは注目をしていくつもりだ。

家人が帰国

2005-10-30 18:50:44 | Weblog
 家人が28日、3週間余のフィリピンへの旅を終えて帰ってきた。案の定、帰国した途端、それまでの気苦労と張っていた緊張の糸が切れたのであろう、風邪の症状とあいまって寝込んでしまった。
 1年近くの間、企画から聞き取り調査、資料調べ、そして取材とほぼ1人でやり遂げ、フィリピンに渡ってからも、もちろん多くの友人やグループからの支援もあったようだが、「使命の重さ」に押し潰されそうになりながらも何とか頑張ってきた。
 お疲れさん、の意味を込めて、リクエストされた「手巻き寿司」と味噌汁の用意をしている。私の得意料理は数少ないが、味はナカナカのものと自負している。だしの取り方も上手くなった。“絶品の夕食”で明日は元気を取り戻してくれるはずだ。

日本賞に参加したチュニジアからの友人

2005-10-30 18:10:36 | Weblog
 先日お伝えしたが、友人がチュニジアから来日している。
 自分の企画した映画制作案が、NHK「日本賞」の候補作品に選ばれ、決戦審査を受けるために来日したわけだが、29日に企画の発表をするから来てくれと連絡してきた。
 日本賞という名前を聞いて、NHKホールのような大会場を決戦の場と勝手に想像していたが、何のことはない、50人も入ると満員になってしまうようなこぢんまりした会場であった。聞くと、彼女の応募した部門の他にもいろいろカテゴリーに分かれており、それぞれで発表・審査が行われているという。
 彼女の発表だけを見ようと遅く会場入りしたので、結果的に3人の発表しか見ることはできなかったが、、「インドのカリズマ教師」「アフガニスタンの識字率向上プログラム」「チュニジアの聾唖村」の3作品は、その何れもが国の事情を表していてなかなか面白く、もう少し早く行けば良かったと悔やまれた。
 インドの発表者は、制限時間内に思いの丈を全て話そうと、独特の巻き舌でしゃべる「インド英語」をさらにスピードアップさせてまくし立てるので、話の内容についていくのに苦労した。いずれにしても、その教師の凄さは分かったが、聞く者にどれだけ強い印象を与えられたかは疑問だ。
 次に出てきた、アフガン人の発表は、聴衆や審査員が「911」以降、「アフガン戦争」をTVで見てきただけに、悲惨な状況を説明しただけで、「つかみはOK」という有利さは感じられた。映画の脚本が、日本で言えば、勧善懲悪の浪花節のようで、なんとも時代がかっていて首をかしげる者もいたとは思うが、アフガンの民衆には「丁度いい」ストーリーなのだろう。発表によれば、アフガンの識字率は、ナント8%だという。それでも、タリバーン政権時代の5%に比べれば、多少向上しているらしい。
 最後の発表者になった友人の企画は、事実に基づくフィクション仕立てで、チュニジアの聾唖者を救済しようという内容の短編映画作りだ。脚本の内容もしっかりしたものだし、プリゼンのやり方も上手く、会場の反応も好印象!だった。彼女は、セミプロでアラブ音楽の歌手活動をしていた経験を持つだけに、人前に出るのはいわば場馴れしている様子で、発表後の審査員からの厳しい質問にも軽妙に受け答えしていた。ところが、最後の方に、「制作費用を45000ドル(約500万円)と見積もっているが、優勝賞金は8000ドルです。予算的に大丈夫?」と質問され、「今回私に同行しているTVプロダクションはとてもしっかりした会社で」と、プロダクションがバックについていることを強調してしまった。これは、聞く者に、「そんなにしっかりしたプロダクションが後援しているのなら賞金は不要なのでは?」と思わせてしまう可能性がある。「あわわ」と彼女の答えをさえぎりたかったが、そんなことが許されるはずはない。
 答えた後、得意満面に笑顔を振りまく彼女を見て、結果はともかくこれでいいのだと感じられた。結果発表は、31日だとのことだ。
 
 

インドで連続爆破

2005-10-30 00:11:20 | Weblog
 インドの首都ニューデリで29日、4回爆発が起き、現地からの情報を総合すると、これまでに30人以上の死者が出ている。
 CNNTVに先ほど出てきた首相府のスタッフは「明らかにテロリストによる攻撃」としているが、私はインドの内政に詳しくないので解説や推測は控えたい。
 ただ、今回の爆破攻撃が、隣国パキスタンと長年にわたって領有権を争っているカシミール問題に関わる問題であれば、根が深いだけに、今後も状況が悪化し続ける可能性がある。

私の視点 今、パレスチナで起きていること

2005-10-28 11:32:49 | Weblog
 イスラエル北部の港町ハデラで26日、パレスチナ人による自爆攻撃があり、5人が死亡、55人が負傷した。
 爆破現場は、青空市場がある人通りの多いところで、被害者は全て民間人だとのことだ。爆破直後にパレスチナの急進組織、イスラーム聖戦が犯行声明を出していた。声明によると、24日にイスラエル軍が同組織の軍事指導者サアディ氏を西岸地区のトゥルカレムで殺害しており、それへの報復だとのことだ。同組織は、殺害事件の数時間後、ガザ地区からロケット砲を数発、イスラエル内に撃ち込んでいる。このロケット攻撃の人的被害は報告されていない。
 サアディ氏の葬儀には、数万人の参列者があり、その影響力の大きさからも、近く何らかの攻撃があるのではとイスラエル政府は警戒を強めていた。しかし、今回も悲劇は起きてしまった。
 このようなパレスチナ人からの攻撃があると、イスラエル政府及び軍部は、数時間という短い時間で実行者を特定し、氏名や出身地を発表する。それをマスコミは、イスラエル政府の諜報能力の凄さだとただ感嘆するばかりだが、私には「早過ぎる。適当に言っているのでは」と思えていた。ところが、そのほとんどの場合、発表された通りの人物の家で葬儀が行なわれているからどうやら本当だと私も信じるようになった。だが、と同時に、大きな疑問が湧いてきた。事件から数時間で実行者が特定できるということは、全てとは言わないまでも、かなりの確立で実行者を尾行していて“泳がせている”のではないか、と思えてきたのだ。つまり、「自爆テロ」を政治的に利用しているのではないか、と。
 今回もいつもと同じように、事件から1,2時間で氏名が公表されたということだ。そしてそれから2時間ほどで、閣議が開かれ、大した議論もなく大規模な軍事作戦が決定された。
 決定された内容は、ロケット砲攻撃があったガザ地区への空爆と、自爆攻撃実行者の出身地ジェニンとその周辺地域への軍事作戦だ。
 27日のガザへの攻撃は空爆といっても小規模のものであったが、イスラーム聖戦の幹部2人を含む7人を殺害した。それでも無実の市民が5人殺されたことになる。
 ガザへの攻撃と同時進行で、ジェニン周辺には戦車や装甲車を含む軍事車両が大量に配置され、完全包囲された。
 ここからは、現地からの情報が現在途絶えた状況なので、同じような場合の通常行なわれているイスラエル軍のやり方を紹介する。
 イスラエル軍は、対象とした地域を軍事封鎖すると、車両の出入りは一切禁止、と同時に、全地域に外出禁止令をしく。この外出禁止令、長ければ、数週間に及ぶ。その間、通勤、通学、買い物などを禁じるだけではなく、通院や子供の遊びまでにも制裁を課す。救急車でさえ銃撃されることは少なくない。また、制裁といっても、逮捕・拘禁にとどまらず、発砲されてしまう。
 封鎖した地域には、兵士たちが大量に投入され、一軒一軒しらみつぶしに“関係者”探しを行なう。ゲリラからの狙撃を恐れる兵士たちは、密集した家屋の壁をぶち抜き、「家伝い」に縦横無尽に行動する。外出できないばかりか、軍靴でお茶の間を踏みにじっていくイスラエル兵を見て育つパレスチナの子供たちにどのような心理的影響を与えるかについてはお構いなしだ。だが、これこそが、イスラエルの言う「テロの温床」なのだ。そんな屈辱的な生活を強いられる難民キャンプの子供たちの間に、自爆攻撃実行者が英雄視される空気が生まれるのはいわば当然なのだ。
 軍事作戦の仕上げは、家屋の爆破と住民の検挙だ。実行者と特定された若者の家族が住む実家はまず間違いなく、「子供の育て方が間違っていた」とでも言いたいのか、爆破される。そして、数百人の“容疑者”が空き地に並べられ、次々とトラックに送り込まれていく。
 ジェニンには何度も足を踏み入れている(「浅井久仁臣」と「スクープ」を入れて検索すると、私が取材した2002年の「ジェニン虐殺」が動画で見られます)が、交流のある人たちが置かれている状況がとても気がかりである。このような人権蹂躙が許されるはずはないのだが、「いつものように」国際社会からは、「自爆テロ」の残虐性が判断力を奪ってしまうのか、いっこうにパレスチナ人の人権を守ろうとする声が上がってこない。もっとも、一部マスコミが伝えているように、「イスラエル軍、テロへの報復攻撃へ」などという単純な捉え方をしていたら、それを受ける読者や視聴者が「テロ憎し」で固まるのも致し方ないことだ。
 


インフレもいろいろ?

2005-10-26 16:28:01 | Weblog
 消費税増税、定率減税の撤廃、環境税の導入、酒税増税、そして金融の量的緩和政策の解除等々、総選挙に大勝した自民党周辺から次々に飛び出す、「増税」関連話。
 これらの内容を知ったら、この国から逃げ出したくなる人も少なくないはずだ。私はかねてから政府はやがて「強制インフレ政策」を取るはずと力説している。ここのところの永田町周辺の動きを見ていると、それは「推測」から「確信」に変わった。
 17年前、消費税を導入する時、少なからぬ人たちが「将来の税率」を憂慮する発言をした。それに対して、政府は巧みに質問を逸らして明確な回答をしなかった。その5年後、細川政権が「福祉税」であることを前面に打ち出し、7%に一挙に引き上げようとして猛反発を食らい白紙撤回したが、その3年後、橋本内閣が5%に増税した。それから8年。いよいよ自民党は牙を剥き、衆議院における圧倒的多数を背景に5%から一挙に10%以上に出来ぬものかとその機を伺っている。そして一部の政治家は、「福祉のレベルを保つには仕方がないのだ。あなたたちも年金が欲しいんでしょ?」などと、訳の分からない脅しとも取れる“説明”をする。
 定率減税については、もうすでにご存知の方も多いと思うが2007年には撤廃される。「実質的な増税だ」という声に、与党幹部は、「不況で大変だろうからと減税してやったんだ。景気が戻ってきたら撤廃するのは当然だろう」と開き直りに近い横柄な態度だ。確かに一部の業種や企業は景気回復したかもしれないが、われわれ一般庶民でそれを実感しているか。むしろ、その逆で「相変わらずいい話はない」というのが挨拶代わりだ。
 環境税の導入も詭弁だ。小池環境相は、地球温暖化の責任を負ってもらうなどとまやかしを言っているが、原油の高騰でどれだけ庶民が苦しんでいるかが分かっているのか、と訊きたい。タクシーの運転手などは、「われわれの給料では結婚なんかできないですよ」と言う。それは、運送業者も同じだ。
 酒税の税率についても同様だ。私個人としては、下戸だから影響はないが、仕事の後の庶民の楽しみをなぜこのように簡単に奪おうとするのか、理解に苦しむ。
 そして、総仕上げが量的緩和政策の解除だ。上手いさじ加減をすれば、解除がバブルの再来を招くことはないとする人も多いが、私はかなり懐疑的だ。
 かくしてわれわれ貧乏人は、インフレが荒れ狂う中、将来年金生活に入っても大幅に目減りした金額にため息をつくことになる。そう、未来永劫、ずっと財布の中身を心配しながら毎日を送っていくのだ。
 自民党のお偉方やお役人さんよ、小泉さんの真似をして「インフレにもいろいろある。良いインフレ、悪いインフレ…」などという言い方をして、庶民を欺くことだけは止めてくださいよ。
 

私の視点 朝日の世論調査を斬る

2005-10-26 00:47:44 | Weblog
 朝日新聞が電話による総選挙の世論調査結果と、「『宴のあとさき』小泉劇場」と題した分析記事を25日付の朝刊に掲載している。

 その内容をかいつまんで言えば、自民党の「歴史的大勝」はなぜ起きたのか。小泉首相がどのような仕掛けをして、それを受けてメディアがどう動き、そして選挙民が最終的にどのような判断をしたかを書いたものだが、これを読めば、今回の総選挙に果たしたマスメディアの役割の重さが分かろうというものだ。だが、この世論調査、どうもひねくれものの私にはすんなり受け容れ難いものが感じられる。 

 質問文は全部で8問。そのほかに選択肢があるが、まあここでは質問文だけを取り上げさせていただく。最初の3問は、どの党に投票したか、支持するかといった一般的なものだ。私が問題にしたいのは次から5つの質問だ。それらの質問は、メディアと投票行動との関連性に触れている。

 まず、「あなたが、今回の総選挙で、一番参考にしたメディアは何ですか」と質問し、新聞、テレビ、インターネットから一つだけ選ばせている。回答者は、新聞40%、テレビ51%、インターネット4%と答えた。

 次の質問が、「メディアが特定の政党や選挙区ばかりを持ち上げている印象を持ったか」というもの。50%が「持った」、41%が「持たなかった」と答えた。

 そして、「メディアの影響をどの程度受けたか」と聞き、
 「大いに11%」「ある程度42%」「あまり受けなかった32%」「全く受けなかった13%」との回答を得ている(筆者注)。

 ここまでの質問であれば、まあ、問題があるものの、そんなに意図的なものは感じられない。だが、次の2つの質問でびっくり仰天だ。

 「あなたは、今回の総選挙は、これまでの総選挙に比べて面白かったと思いますか。そうは思いませんか」と質問したのだ。

 これは小泉さんを真似したのか、「サプライズ」と言っていい類の一種の誘導尋問だ。おもしろいと答えさそうとする意図がミエミエなのだ。回答者は、「おもしろかった52%そうは思わない39%」と答えている。これは、朝日の想定どおりの数字だろう。

 そして最後の「あなたは普段、テレビを1日に何時間ぐらい見ますか」という質問で、朝日新聞の今回の世論調査の意図ははっきり読んで取れた。「小泉さんを調子に乗せ、それを集中的に取り上げて有権者をおもしろがらせて今回の選挙結果にミスリードしたのはテレビだ」と言いたいのだ。

 もう一度、アンケートの5つの問いを並べてみると、朝日新聞の意図が皆さんにもよくお分かりいただけるはずだ。

「一番参考にしたメディアは何ですか→メディアが特定の政党や特定の選挙区ばかりを取り上げている印象を持ちましたか。持ちませんでしたか→メディアからどの程度影響を受けましたか→おもしろかったか→あなたは普段、テレビを1日に何時間ぐらい見ますか」

 もし、朝日にこの点を問い質せば、恐らくと言うかまず間違いなく、そのような意図があるはずがないと答えるだろう。そんな意図はなかったというのなら、最後に「新聞を1日に何時間読むか」と入れておくべきではなかったか。

 紙面のトップを見れば、“疑惑”はますます膨らむ。
 「総選挙『おもしろかった』52%」
 「『参考に』テレビ51%新聞40%」
 の見出しを躍らせて総仕上げをしているように見えるのだ。こんなのはとても世論調査と呼べる代物ではない。一種の「世論操作」だ。800万部の部数を誇る、日本の代表的な報道機関というには恥ずかしいやり方だ。今からでも遅くはない。朝日新聞全体で、社会学者の指導の下、アンケート調査のイロハを勉強されることをお勧めする。最後に、この世論調査が、調査機関なり社会学者によって行なわれていたらそれなりの意味があったことを付け加えておく。

筆者注:「あまり~ない」
 メディアの選挙報道に「影響を受けたか受けなかったか」という質問に対する答えの中に「あまり影響を受けなかった」というものがあるが、「あまり」ではなく、「ほとんど」とすべきではなかったかと私は思う。最近の若者と話していて気付くことだが、「あまり…ない」は否定的要素があるものの肯定的要素を相当残した言い回しに使っている。特に、明確な回答を避けるときのあいまいな表現だ。想像するに、突然電話で調査を受けて「メディアに影響を受けたか」と聞かれた回答者の1,2割は、「影響を否定できないけど、自分なりに考えて投票した」という意味で、「あまり」と回答したのではないか。
 

消費税が9%に?

2005-10-23 23:20:19 | Weblog
 谷垣禎一財務相は23日、NHKのテレビ番組「日曜討論」で、消費税の税率引き上げについて「(次の首相が)私かどうかは分からないが、誰になっても避けて通れない道と思う」と述べ、小泉首相の後継者が社会保障費の財源確保を目的とした税率引き上げの決断を迫られるとの認識を表明した。
 谷垣氏は「ポスト小泉」の有力候補の1人と見られる人物である。「任期中(来年9月まで)は引き上げない」との立場を貫くと言うか、責任逃れをしている小泉首相の後継者は、近い将来、消費税を上げざるを得ないというのが共通認識だから今さら新味のある発言ではない。ただ、これで「X-DAY」がそう遠くないことは分かったわけである。消費税増税をめぐっては、年明け以降の政府税制調査会などで本格的な論議がスタートする予定になっている。
 谷垣氏はさらに、「2007年度に向けて税体系全体の見直しに結論を出さなければならない。消費税もその中で方向を出さなければならない。議論を年が明けたら始める必要がある」と、発言している。さて、心配なのはその税率だが、同番組に出演していた経済同友会の渡辺正太郎副代表幹事は「(消費税率を)5%にとどめていたことは(政府の)怠慢だ。年金制度の基礎部分は消費税率を9%にしてやるべきだ」と発言している。
 いよいよ、年金を支払うための「増税」と「強制インフレ(注)」の幕開けだ。皆さん、これからカネの価値はどんどん無くなっていきますよ。懐は大丈夫ですか?そう言う私はなんら対抗策はありません。でも、政府や役人の「怠慢のツケ」を払わされる我々もたまったものではありませんね。

(注)強制インフレ:年金などの社会保障制度は事実上崩壊している訳だから、約束した金額を払うには、金の価値を低くする。つまりは、強制インフレが一番手っ取り早いでしょう。それを読んでのことだと思われますが、今東京都心部の土地は、外国人投資家を含めて投資家が殺到して買い漁っています。




新潟中越地震から1年

2005-10-23 10:21:27 | Weblog
 今日で新潟中越地震が起きて1年が経つ。一部の地域では復興する姿も見られるが、傷跡は深く今も9000人を超える被災者が仮設住宅などで不便な被災生活を送っている。
 阪神大震災の時、仮設住宅がなくなるまでに5年の月日がかかったことを考えると、被災者の数の違いを考えてもあと2,3年は仮設住宅を離れられない人が残るであろう。阪神大震災の教訓が生かされ、仮設住宅における「孤独死」は今のところ1人にとどまっている。被災生活を送る人たちの多くが高齢者であることを考えると、これからも今まで以上にきめの細かい心配りが必要とされる。
 私の所属するACTNOWは、集まった義捐金で基金を作り様々な支援を行なってきたが、その一つに、古民家を修復して憩いの場にしようという活動がある。これは小千谷市塩谷地区での活動だが、「芒種庵(今朝の朝日新聞で紹介されている)」と名付けられた古民家は、住民とヴォランティアとが今、雪が降るまでにと急ピッチで修復作業をしている。

馬鹿オヤジ 腕相撲編

2005-10-22 08:12:59 | Weblog
 私は腕相撲をするのがこの歳になっても好きだ。若い頃は、大人の太い腕を見ると挑戦してみたくなったし、このところは若者の成長を退けることに楽しみを見出している。昨年は、ACTNOWのメンバーで消防のレスキューをやっている、りゅうの腕を見て「高校生の時以来だな。ちょっとやってみるか」とちょっかいを出して軽く退けた。
 昨夜もASEで、高校3年生のサムケンが私を見るなり「浅井さん、薄着になるとムキムキですね」と言ってきた。昨日は、久し振りに暖かかったので、ジャケットの下は半そでシャツであった。室内は人いきれで結構暑かったので半そで姿であったから目だったのだろう。また、私はどうやら着痩せするらしく、薄着になるとそう言われる。だが、実を言うと、私の体はそんなにムキムキではない。若い頃は確かにしっかりした体をしていたが、今は地球の引力(食欲?)に負けて腹回りも昔より10センチは太くなってしまった。
 さて、そのサムケンだが、イラン人の父親の血を引いたらしく185センチと長身だ。彼の体を見て久し振りに「いたずら心」が湧いてきた。
 「腕相撲してみるか」と誘うとうれしそうに乗ってきた。皆の前ではかわいそうかと、奥の部屋に招じ入れ手を組んだ。カナダ人とアメリカ人の教師が興味津々と見守る中、勝負が始まった。
 腕相撲は、手を合わせた時、勝負が分かる。彼の腕(かいな)力を瞬時に量った私は余裕の表情で彼の力を出させた。どうあがいても勝負にならないと悟ると、サムケンは「クヤシー、ショック」と言った後、「鍛えますから一年後にもう一度挑戦させてください」と言ってきた。紅潮した顔と輝きを伴った目が可愛かった。
 恐らく一年後にはすっかり忘れられているだろうが、おじさんは結構覚えているものだ。サムケン、いつでも胸を、いや腕を貸してやるぜ。

馬鹿オヤジ “愛猫”ジミー編

2005-10-22 07:41:50 | Weblog
 このブログに長くお付き合いいただいている方だったら既にご存知、向かいの家に飼われている猫の話だ。
 この猫、近所で評判の「博愛主義ネコ」で、多くの隣人や通りがかりの人たちに可愛がられている。私の知る限り、ジミーを嫌っているのは、階下に住む私たちの大家だけである。
 ジミーの私たちへのなつき方は尋常ではない。彼(?)の想いが募りに募っている時は、我々の帰宅を待ち構えるだけでなく、夜中に抱っこしてくれと玄関の外で鳴き続ける。近くの公園に夜散歩した時などずっとついて来て、帰りも一緒であった。この時、同行した友人たちに「まるで犬だね」と呆れ顔をされてしまった。
 ところがこのジミー(本当はジェニー。私たちが聞き違えていたようだが、今さら呼び名を変えたくないと頑なにジミーと呼び続けている)、ネコであることに間違いはなく、夜な夜な近所のネコと「一戦」を交えることも多い。さかりの時期になると、ほぼ連戦連夜状態で顔に傷を負うことも少なくない。また、違った意味で“ネコ”を感じさせる場面も多い。それは、時に信じ難いほど素っ気無くなることだ。「相思相愛」状態の時は、我々の姿を見れば、どこからか駆け寄ってくるのだが、本来(?)の猫になると、我々が呼びかけても「ニャー」とひと鳴きするだけだ。これが恐らく我々の心をくすぐるのかもしれない。
 ここ2,3週間は、「本来の猫」状態で、どこか寂しかったが、数日前からまた、「本来のジミー」になって癒してくれている。
 昨夜も私が帰宅すると、猛烈な勢いで走り寄ってきた。そして今朝。ここのところ毎日8時近くまで寝ていたのだが、今日は6時過ぎに目が覚めてしまい、新聞を取りベッドに戻ろうとしたその時、玄関で「ニャー!」。
 ベッドで新聞を楽しもうと思っていただけに、「ウヘ」と一人声を出してしまったが、ジミーの魅力に抗えるはずはない。玄関の階段に座って抱いてやった。今朝はよほど寂しかったらしく、顔を私の胸や腹に埋め「グルグル」と喉を鳴らしている。そして、前足でモミモミをする。こういう時は、抱いてやる時間も2,3分どころか、10分位でも十分ではなくて、離そうとするとしがみついてくる。だから今朝も30分近くひざの上で遊ばせておいた。まあ、その間新聞を読めるから私としては問題はないのだが、通りかかる人たちの中には時折、何奴かと階段の上の私を見やる人もいる。しかし、彼との愛(なんか変ですね?)はそんなことで揺らぐものではない。明朝もジミーの姿があれば、同じことをしているだろう。

smile again

2005-10-22 00:07:18 | Weblog
 フィリピン訪問中のパートナーからの「マニラで暴動が起きているようだ」との情報を確かめようと、TVのチャンネルをあちこちの局に合わせていると、松任谷由実さんと数名のアジアの音楽家がある音楽番組に出演していた。
 松任谷さんや中国・韓国などからの歌手や演奏家が「アジアは一つ」を訴える発言をした後、「smile again」をいう曲を歌い上げていた。「ユーミンの世界」はあまり好きな方ではなかったが、彼女の発言と書いた曲が心にすんなり入ってきた。今東アジアがぎすぎすした空気に包まれているだけにこのような音楽や文化の交流がお互いの理解を深めると実感をした。
 マニラの暴動については、今のところ情報はない。