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日々の出来事から国際情勢まで一刀両断、鋭く斬っていきます。コメントは承認制です。但し、返事は致しませんのでご了承下さい。

英同時爆破事件 加速する容疑者逮捕

2005-07-30 10:05:01 | Weblog
 7日と21日に起きた「ロンドン同時多発爆破事件」の容疑者が次々に拘束されている。中には、アフリカのザンビアやイタリアにまで及んだ逮捕劇も伝えられている。
 さすが、007に代表される英国情報機関はスゴイ、と思われるかもしれないが、以前も書いたように人権よりも政権のメンツをかけた捜査活動に見えて仕方がない。
 今回のような国内の治安・諜報活動を担当するのは、ジェームズ・ボンドが所属する(?)MI6ではなく、HomeOffice(内務省)のMI5である。同じ内務省に属するScotlandYard(ロンドン警視庁)と共に、多数の捜査官を街中に放ち情報収集と「犯人探し」にあたっている。また、約15,000台の監視カメラから得られた映像の解析にも約1000人のスタッフを配しているといわれている。
 これまでアメリカに比べれば、人権に配慮した捜査活動を行なうとの評判を得ていた英国捜査機関だが、今回の事件に対するやり方は、「臆病な番犬」のブレア首相の目を気にしているためか、何か余裕のなさを感じる。
 この一連の捜査が、英国世論の「人権重視」の部分を刺激するか、それとも古くからの保守的で排他的な「ジョンブル魂悪魔編」を呼び覚ますか。私としては前者に期待するが、下手をすると内務省の幹部に人種偏見主義者が多いと言われているだけに後者が頭をもたげてくるかも分からない。

2007年問題

2005-07-30 08:38:02 | Weblog
 大学1年生と話をしていて「2007年問題」を身近に感じさせられた。
 彼女は埼玉大学に通っている。「教員養成機関」としてこれまで多くの教師を世に輩出してきた大学だ。ただ、一般的に、埼玉でも教員採用はとても厳しい状況が続き、「臨時採用」という“アルバイト”で本採用になれる日を夢見て頑張っている教師がたくさんいる。
 そんな現状があるから、教師を目指す彼女に、「本採用は狭き門だから大変だね」と言うと、広き門だとの答えが返ってきた。
 ん?と怪訝な顔をする私に、
 「もう少し経つと、やめる人がどっと出るんですよ」と、彼女は言った。
 そっか、社会で「2007年問題」が取り沙汰されているのだから、教育界だって当然同じ問題があるはずだ。再来年に団塊の世代のトップバッターである「47年生まれ」が大挙して教育界からも去っていくのだ。そしてその後、多少人数は減るものの多くの古参教員がやめていく。
 そんな話をしていると、普段若者に囲まれて生活をしているだけに、ふと自分の年齢を意識させられる。私も「47年生まれ」の団塊の世代に属するのだ。同じ47年生まれとして「定年」と聞くと、何か寂しいものを感じる。「時間と金」に恵まれて悠々自適の生活が出来るだろうが、何か私には「定年生活」は魅力的に響かない。定年といわれても、まだピンと来ないのだ。サラリーマンではない私がそう感じるのは当然か。
 2007年問題は、これから様々な形で社会に影響を与えそうだ。一度その内、この問題を「私の視点」で考察したいと考えている。

ニッポン、ちゃちゃちゃ

2005-07-29 12:39:21 | Weblog
 遅い朝食を摂りながらつけたTVで目に止まった「世界水泳選手権」をしばらく観ていたが、気分が悪くなって観るのを止めた。
 先ずは、日の丸の鉢巻姿だ。日本水泳界のリーダー格である北島選手も、その姿で仲間の応援をしていた。私のような「軍国少年崩れ(と言っても、戦後生まれのただの軍隊好きなガキ)」には、日の丸の鉢巻は特攻隊を想起させる。最近、鉢巻姿に抵抗感を持たなくなった人が増えたようで、TVなどに何かにつけてその格好で出てくる人たちがいる。子供の進学塾でも「気が引き締まるから」と受験に向かう子ども達に鉢巻をさせて気勢を上げさせるところがあると聞く。これなどは、子供を「戦場」に向かわせているつもりなのかと首を傾げたくなる。
 鉢巻姿になるものたちにとって、特攻隊員として命を落とされた方たちの遺族や親しかった方たちがそれを見てどう考えるか、などはどうでもいいことなのだろう。またその姿の日本兵に「カミカゼ攻撃」を受けた側の人たち(実際には、鉢巻姿で戦う日本兵は少なかったと思うが、海外の漫画などのイメージではよく使われてきた)がどう見るかなどもまるで念頭にないようだ。アジアの人たちがそういう姿を見て「日本人は軍国主義復活を夢見ている」と言っているのを恐らく知らないのだろう。
 次に気になったのは、カメラ・ワークだ。日本選手の姿を追い続けるあまり、全体の様子が時折り分からなくなる。優勝争いをしているのならまだしも、下位に沈んでいった日本人選手の姿を映し続ける場合も少なくない。スポーツ中継である。そんな必要性がどこにあるというのか。私には理解できない。
 私は、そうは言いながらもオリンピックなどの国際舞台で活躍する日本人の姿を見るとつい応援してしまい、知らず知らずの内に力が入っている。自分のそんな姿がどこか矛盾していると分かっているのだが、これは正直なところ、変えることは出来そうにない。だが、いや、だから余計に、「ニッポン、ちゃちゃちゃ」に代表される「島国根性報道」を改めてもらいたいのだ。

図上想定訓練

2005-07-29 00:58:04 | Weblog
 8月25日に行なわれる東京ガス主催の防災フェアで、「親子図上演習」を指導することになった。今日はその打ち合わせだが、準備の話は早々に終え、先週土曜日の地震の話になった。
 東京ガスでも震度5以上になれば、非常参集がかかる。地震発生から職場に向かうまでの苦労話を聞かせていただいた。この場でもやはり、JRなどの公共交通機関の対応の悪さが最大の話題となった。JRはここまで利用者に不評だとは思っていないだろうが、利用者の不満は「臨界点」に限りなく近付いているようだ。

IRA 武装闘争終結宣言

2005-07-29 00:29:09 | Weblog
 アイルランドのスィン・フェイン党のウエブ・サイトは28日、IRA(アイルランド共和軍)指導部が現地時間の午後4時をもって武装闘争を終結せよとの命令を下したと伝えた。
 スィン・フェインは、北アイルランドのイギリスからの「解放・独立」を勝ち取るための政治組織で、IRAはその軍事実行部門として知られている。IRAの武装闘争は1969年、当時の労働党政権が北アイルランドの少数派であるカトリック系住民を多数派のプロテスタント住民から守るためとして軍隊を導入したものの、その直後に政策を一転させ、カトリック系住民に圧力を加えたことで始まった。
 70年代から80年代にかけて、IRAは連日爆破事件を起こし、世界を震撼させ、その名を広く知らしめるようになった。アメリカ各地のアイルランド系市民からの支援を受け、潤沢な資金を有し、一時期はヨーロッパや中東の急進派と連帯行動を繰り広げて「世界最悪のテロ組織」と恐れられた。
 私は、70年代には何度も現地入りして彼らを取材したが、世界のマスコミで言われる様な強面ではなく、何れもが心優しき“テロリスト”であった。もちろん私は無差別攻撃を良しとしないが、彼らをテロリストなどとは思っていなくて、郷土をこよなく愛するナショナリストととらえていた。世界に恐れられた爆破事件もその大半は、予告爆破で、なるべく市民を巻き込まない配慮もしていた。
 こんなことを言うと、「浅井はテロリストを擁護している」と言われそうだが、誤解を恐れずに言えば、パレスチナ同様、アイルランドの歴史を考えれば、IRAの若者達がそのような活動に走るのは当然との見方をしていたのは事実である。仮に、我が国が外国に侵略され搾取され、何百万人もの餓死者を出したりしたら私は間違いなく、武器を取って侵略に立ち向かう。そんな私をテロリスト呼ばわりする者は、好きに言わせておくしかないのだ。
 IRAが政治闘争に転じるのをとやかく言うつもりはない。それは、彼らの判断だからだ。しかし、彼らが喜んで武装解除するのでないことを知っているだけに複雑な心境だ。

コジマが倒れた

2005-07-27 23:54:44 | Weblog
 私のあまたいる友人の中でもひと際存在感のあるやつは年齢は関係ない。TBS記者の小嶋修一はそんな男だ。
 小嶋とは、かれこれ17,8年の付き合いだ。小嶋がまだ初々しい(顔は当時からふてぶてしかったが)20代の青年記者で、「ガン患者、モンブランに登頂」という取材報告を私が主宰する「おもしろ倶楽部」でしてもらったのが縁で知り合った。その後私がTBS報道局で仕事をする内、とりわけ仲が良くなった1人だ。
 小嶋は良い意味でガンコもの。たとえ上司の命令であったとしても、納得の行かないことには、頑と首を縦に振らず、信念を曲げない。かといってむやみやたらと対立するわけではもちろんないから、若いスタッフの人望も厚い。
 とにかく仕事大好き人間。報道局で小嶋を探す時は、先ず長いすを見る。徹夜で仕事をして、朝方長いすというかソーファで横になっている事が多いのだ。2,3日の徹夜は40代半ばの今でも特別なことではない。
 そんな日常だから、ここ数年、彼の顔色はいつも優れなかった。土気色なのだ。私の彼に対する挨拶は最近、「大丈夫か」が普通になっていた。
 その小嶋が倒れ緊急入院してしまった。彼にはメディア塾で講師をしてもらっているからそちらの面も心配だが、何より彼の健康が第一だ。ただ、よくこのような仕事人間に掛ける言葉がある。「神様がくれた休日だよ」と。
 私は無心論者だし、戦争の悲惨さを多く見てきているだけに、この世に神があるとは信じない。だが、小嶋に関しては、今この言葉が一番似つかわしい表現のような気がする。

友情

2005-07-27 00:34:54 | Weblog
 親友山本と昼に会食。奴とは高校時代から「悪さ」をしてきた仲で、40年間変わらない友情で結ばれている。
 その山本が珍しく口角泡を飛ばさんばかりに怒りをぶちまけた。もちろん、この私にではなく、奴の母親が入院している主治医に対してだ。87歳になる母親を想い、主治医のひどい対応に怒り、熱く語る山本に、若い頃の情熱的な姿を見た思いがした。そういう山本の「人情に篤い」ところが、私は高校時代から大好きだったのだ。人から頼られれば、嫌と言えず、たとえ自分に不利に働くと分かっていても泥をかぶる“バカ”さ加減がたまらない。
 われわれの出た岡崎高校は、「東海の名門校」と言われていたが(最近はただの全国有数の受験名門校に成り下がったと聞く)、ある「本当のバカ」が女性教師を馬鹿にして彼女が見えるようにカンニングをしてつかまった。夏休み明けの、あまり意味のないテストだったと記憶している。
 すると、そのバカは、山本に「共犯になってくれ」と泣きついた。すると、親分肌の山本は職員室に行き、「俺もやりました」と“自首”したのだ。その噂を聞きつけ、われわれ数人で「俺達もやりました」と後に続いたことで、学校側もこれ以上騒ぎを大きくしてはと思ったのか、同じ処分でも温情をかけざるを得なくなってしまった。山本という奴はそんな小説に出てくるような男だった。
 今日会ったのは、山本の社長就任祝いであった(しかし奴のおごり)が、その時、最近私のパートナーの話が掲載された新聞記事を見てもらった。すると、奴から早速、彼女の元にFAXが一本届けられた。それを見て彼女が大喜びしたのは言うまでもない。
 私は自分の同世代に強く言いたい。こういう温かい目が若者を育てるのだ、と。いやあ、今日改めて私は自分の40年来の親友を自慢に思い、と同時に“惚れ”直した思いがした。いやあ(繰り返しになってしまったが許されよ)、友情って本当に素晴しい。

「週末の地震」に学ぶ

2005-07-26 09:00:16 | Weblog
 ここ2日間、どこに行っても話題は土曜日の地震のことに集中した。みんな口を揃えて言ったことは、交通機関の対応の悪さである。
 中でもJRの評判は最悪である。電車が止まったままなのに、改札規制をしないから出入りする乗客で大混乱。「身体が触れた触れない」とつまらぬことで厳しい怒声も飛び交ったという。
 多くの皆さんが、JRや地下鉄が線路を徒歩で点検するとは知らなかったと驚いていたが、そう、震度5になればそういう規約があるのだ。だから、震度5が発表された時点で、2,3時間電車が動かなくなることは分かっていたこと。なのに、駅ではそのような解説を聞いた人は1人としていなかった。また、駅の情報の伝え方も、私のいたJR南浦和駅では、一人ひとりに代行のバスの切符を渡しながら説明しているだけできちんとしたアナウンスは、私がいた間は皆無であった。拡声器を使うとか、掲示板を使う方法もあるはずなのに、それらの準備も努力もしていなかった。他の人たちに聞くと、多少の違いはあるが、大方の駅で同じ対応をしていたようだ。
 揺れを感じた後、私は、表参道で友人に会っていた家人の携帯電話をすぐに鳴らした。その時は、地震直後であったので「輻輳(電話が集中してしまうこと)状態」にはなっていなかったと思うが、何故か通じなかった。そこですぐにメールに切り替えて、それからはメールと電話で連絡を取り合った。
 帰りを急ぐ彼女に私は、喫茶店でお茶を飲んでゆっくりしてから動くように指示したが、「帰巣本能」なのだろう、動き始めた地下鉄に食らい付いてかなり無駄なエネルギーを消耗してしまった。だが、帰宅して落ち着いてからは「良い経験になった」と冷静に自分の取った行動を振り返っていた。
 メディア塾の塾生の1人は、新宿にいたが、駅の構内は大混乱、中には「パニック症候群」と思われる症状を見せた人もいて、大変な状況であったという。彼女は結局4時間かけて神奈川の自宅に帰る事が出来た。
 私のスタッフ関川のダンナは都内でエレヴェイターに乗っていたが、閉じ込められることはなく、無事に最寄りの階で下りる事ができたという。エレヴェイターに関しては、そのような保安設備が付いてないものもまだまだ多い。普段から5階位までは階段を利用するようにしておくことを強くお勧めする。また、自分が良く使うエレヴェイターにそういう装備がされているか確認しておくことも重要だ。
 今回の地震で、「帰宅難民ウォーク」の重要性に気付かれた方も少なくないだろう。この際だ、家族で「遠足気分」で構わないから、又は夏休みの自由研究にもなる。職場から自宅まで歩いてみてはいかが?ただし、熱中症対策は怠りなく。
 

借家物語 その2

2005-07-26 08:19:11 | Weblog
 先週の水曜日に大家に対して、発言の撤回と謝罪を求めたにもかかわらず、25日になってもハッキリした回答はなく、不動産仲介業者が25日の夜遅く、再度顔を見せた。
 その営業マンの言うことには、大家は更新契約の話し合いをもう一度持ちたいとの事。私に「その前に謝罪をすべきだったですね。待っていたんですがね」と言われて、取り繕って「大家さんも謝罪したいと言っていますので」と弁明に努めたが、大家にその気持ちがあれば、行動に移していたはず。前回書かなかったが、不動産屋が1回目の訪問をして来た時、ナント大家はこちらが気になったらしく、階段の下を2度も通りかかっていたのだ。それもチラッと見上げてこちらの様子を伺っていた(気になって仕方がなかったのでしょう。その姿を、分かり易くかわいいと言えば言えなくもないですが…)大家の本心は、謝らずに「契約更新料」を受け取ることであることは明らかである。
 不動産会社の営業マンも「Sさんの近所の評判は…」と口を濁したように、大家の人となりは大体分かったようだが、仲介業者としての役割がある。苦し紛れの説得が続いた。ただ私は帰宅直後で食事中であったし、それ以上話しても前向きな話は出てこない。私の携帯電話の番号を伝えてお引取り願った。
 それにしても、大家親子というのは可哀相な人たちである。「大家と店子」という古い上下関係でしかわれわれを見る事が出来ず、物事が自分達の都合の良いように運ばないと、感情的になり相手を傷付ける。そして、それがまずいと分かった後も素直に謝る事が出来ないのだ。
 先週実は、私のスタッフである加藤に今回の一件を話した時、その数日前に大家からとても失礼な電話がかかっていたことを聞かされた。すぐに私に言わなかったのは、恐らく彼女なりの配慮であろう。大家は電話をかけてきていきなり名前も告げずに私の居場所や連絡先を聞いてきたという。その話し方から今回の揉め事はさもありなん、容易に推察できると彼女は言う。
 隣に大家が住む状態で、状況がここまで悪化している。パートナーには全て大家とのやり取りを話して「作戦会議」をほぼ毎日しているが、まだ私の半分も人生経験のない彼女には相当辛いのでは、と考えぬでもないが、大家の発言によほど傷付いたらしく、時に私よりもカゲキな“作戦”を持ち出してくる。彼女、外見はそんな風には見えないが、ひょっとしたら私よりも肝が据わっているのかもしれない。
 
  

NHK番組改変問題 朝日が大反論

2005-07-25 10:55:55 | Weblog
 「NHK番組改変問題」を覚えていられるであろうか。そう、「従軍慰安婦問題」を特集番組で扱おうとしたNHKに対して、安倍晋三、中川昭一両衆院議員が放送前にNHKの幹部を呼んで圧力をかけたのではないかと、朝日新聞が報道して大きく話題になった問題である。
 朝日の2人の記者が書いた記事は、朝日側によれば、NHK幹部、安倍、中川両議員を含めて関係者に直接取材して書き上げたものであった。記事の掲載直後は、明らかにNHKと両議員は不利に追いやられ、土俵際に追い込まれた感があった。それに対して、取材された側の多くは、「そんなことは言っておらん」と反論、人数と情報量の多さで朝日新聞側を逆に土俵際に追い返した。ギョーカイでは、朝日側の「奥の手」の取材テープがいつ登場するのか、いやひょっとしたらテープがないのか、等と噂される中、真相が明らかにされぬまま半年が経過した。
 今朝、朝日新聞は2ページ全面を使って大反論を展開。松尾武NHK放送総局長(当時)、安倍、中川両議員との一問一答を詳しく発表した。その内容は、事細かく描写されており、これを読むと、取材テープが存在することを想起させる。また、NHKの幹部が大物政治家を恐れる実態と、「NHKを私物化」しているそれらの政治家のおごり高ぶった姿が描写されている。ぜひ、皆さん、全文をお読みいただくことをお勧めする。
 私は、この取材に当たった記者の一人をよく知るが、「獲物に噛み付いたら死ぬまで離さない」タイプの記者で、録音という有力手段を使わずにこのような問題の取材をするはずがないと思っていた。この問題の今後の展開はまだ読めぬが、ここまでやってくれた2人には、両議員の戦争責任に関する暴論にかねてより怒りを抱いていた私は、有難うと感謝の言葉を送りたい。ただし、それがすなわち、H記者の取材活動全てを称賛していることを意味しないので誤解しないでいただきたい(実は、半年前にH記者の紹介をしたところ、誤解をした同業者から「H記者の人格に異論」とのメールが寄せられたのだ)。

ロンドンテロ事件 誤認射殺に想う

2005-07-25 10:18:48 | Weblog
 ロンドン警視庁は23日、多発テロ関連捜査官が22日に追跡する内に射殺してしまった男性が、テロ事件に無関係であったと発表した。
 この事件直後から、誤認射殺であったのではとの声が強くあったが、捜査当局は、「夏なのに厚着をしていた」「監視中の建物から出てきた」「捜査官の追跡を振り切って逃げようとした」など、まるで射殺された男性が、危険人物であるかのような“状況証拠”を挙げて正当性を訴えていた。
 しかしながら、ロンドンの夏は、気温の変化が激しく、ノースリーブとコート姿が混在するのがごく普通の街だ。また、捜査官の追尾といっても、被害者にとって私服警察官は恐らく“危ない男”にしかみえなかったのだろう。又は何か、多少の後ろめたい部分を持っていたのかもしれない。
 ロンドン警視庁の警察官は、丸腰で有名である。それが、彼らのある種、人気のある原因でもあった。市内を歩く「お巡りさん」と捜査官とは当然その姿勢も違うはずだが、それでもスコットランド・ヤードのイメージは、あの山高帽と背の高さに象徴されて、どこか「浮世離れ」していた感がある。それが最近、テロ対策の一環で、武器携帯の必要性が議論されるようになり、9.11後には、イスラエルなどに一部の人間が送られて訓練を受けていた。
 今回の警察官がイスラエルで訓練を受けてきたかどうかは分からないが、有無を言わさず、被疑者に発砲、それも頭部に5発の銃弾を撃ち込むというのは、明らかに「イスラエル・スタイル」だ。日本の警察もイスラエルで同様に訓練を受けてきていると聞くが、もし本当であるのなら今回の事件を真剣に検証すべきだ。

メディア塾に異変

2005-07-24 23:49:31 | Weblog
 今日はメディア塾。順調に進んできたこの集まりも21日に「ヴィデオ・ジャーナリズム」講座を担当している小嶋講師から悪いニュースが飛び込んできた。小嶋氏が体調で緊急入院することになったのだ。
 小嶋修一氏はTBS社会部の敏腕記者で医療分野を中心に取材活動を行なってきている。年齢を重ねたこともあり、報道部の総合デスクやニュース番組の編集長という役職に就くようになっても「生涯一記者」の立場を貫く“昔かたぎ”の記者だ。帰宅しないこともしばしばで報道部のソーファがベッド代わりになるほどの「仕事大好き人間」だ。昨年などは会うといつも土気色の顔をしていたので、会うたびごとに「大丈夫か」とうるさいほど心配になって声をかけていた。
 今年に入ってから多少顔色もよくなったので安心していたのだが、長年の無理が蓄積されていたのだろう、今回の緊急入院という事態になってしまった。
 塾生達はそれぞれチームを組み、取材テーマを決めて「小嶋塾」を楽しみにしていたのでこれからが少々心配だ。しかし、それよりも長年付き合ってきた彼の身体の一日も早い回復が先決だし、重要だ。
 

借家物語 その1 血は争えぬ

2005-07-24 02:05:41 | Weblog
 これまでのいきさつから簡単に説明しておこう。
 私達は2年前、現在住んでいるところに入居した。契約する前に内覧をした際、前に住んでいた人たちが退去したまま通常行なわれる畳表の張替えなどの「お化粧直し」はされていなかったが、気になる汚れはなく、「退去時にそれらの改装費負担を要求しない」ことを条件に入居した。もちろんそれを文書化して契約書に書き入れてもらった。
 入居して細かい不都合な面はあったが、大家には言わず、こちらで解決した。ただ、玄関の鍵だけは、古いものでは不安が残り、取り替えるよう要求した。ところが、大家は「前にいた人は信頼できる人ですから」の一点張り。後で分かったことだが、前に住んでいた住民は、1階部分に移り住んでおり、大家と親しい関係にあるので彼女(大家)はそう言ったようだ。が、こちらとしては「はいそうですか」と言えるものではない。「だったらこちらで勝手にやりますが…」と言うと、しぶしぶ業者を呼んで取り替えてくれた。しかし、後に分かることだが、これが大家とその娘には気に召さなかったようだ。
 ここで、われわれの住居の構造を簡単に説明しておこう。2階建ての建物の半分は、大家一家が住まいにしており、残りの半分が賃貸部分になっている。1階部分に、以前2階にいた父子が住み、2階にわれわれが住んでいる。家の出入りは、外階段になっており、大家や階下の住人と顔を合わすことはほとんどない。
 入居後、大過なく過ごして来たが、一変したのは「熱愛発覚」後のことだ。向かいの家族が飼っている猫のジミーとわれわれとの“熱愛”が問題になったのだ。
 なついてくれて、遊びに来るジミーを時折り家に入れて遊ばせていたのが、大家の知るところとなり、「契約書に飼ってはいけないと書いてあるでしょ」と猛烈な抗議を受けた。約一年前のことだ。
 「いや飼っている訳ではなくて時折り中に入れているだけですよ」と言う私に、「一緒です。(部屋に)ニオイがつくし、傷が付きます」と断じ、すごい剣幕でまくし立てた。そのすごい剣幕に気圧された形で私はしぶしぶ相手の言い分を認めた。だからその後、ジミーとの「逢瀬」は、屋外に限られてしまった。
 大家からの半ば感情的な要求はその後しばらく続いた。布団を叩く時は、事前に必ず言うこと(こちらは間違っても最近逮捕された「布団叩きおばさん」のように、ラジカセで大音響を放ちながら大声で叫んではいない、念の為)。ヴェランダに置かれたよしずは腐って排水溝が詰まる原因になるから片付けろ…等など。しかしながら、大人しくこちらが下手に出ていると高まった感情は収まりを見せた。外で会っても挨拶をしない大家と下の住民にこちらから挨拶し続けると、挨拶が返ってくるようになった。また、そそっかしい私が鍵を仕事場に置き忘れてきた時も、まあ、嫌味は言われずに合鍵を貸してくれた。
 だが、そんな平穏な日々も長くは続かなかった。ここでも以前に書いたが、契約更新を巡るトラブルが関係を急速に悪化させたのだ。
 約1ヶ月前、契約更新の意志を聞かれ、よろしくお願いしますと答えた私に数日後提示された再契約書だが、そこには値上げされた家賃が書かれていた。
 「聞いていないのですが」といぶかる私に言った大家の言葉は、
 「値上げが嫌なら退去されて結構です」。
 「値上げが絶対駄目だと言っているのではなく、先に言っていただきたかった。家人とも相談したいので契約書をお預かりしてお返事いたします」
 と言うと、差し上げられません、のひと言を残して契約書をひったくるように私の手から取り戻し、大家は階段を降りていった。私も人生経験は相当豊富だが、一方的に値上げを決めて何も事前に知らされず、契約書にサインをしろ等という話は聞いたことはない。
 数日してまずいと思ったか、自宅の留守番電話に「家賃は値上げしなくて結構です」との大家からのメッセージが残されていた。「よろしくお願いします」というこれまで聞いたこともない丁寧な表現があり、その豹変振りに驚いた。
 それからまた数日後、書き直した契約書を持った大家が現れた。署名捺印して渡すと、「20日までに更新料と8月分の家賃をお願いしますよ」と言う。「え、また条件付きか」と思ったが、それについても承諾した。
 その後、いくら待っても契約書の写しが私たちに渡されないので、大家さんに「契約を頂きたい」旨を伝えると、「更新料をもらってから渡します」との返事。
 こんな一方的な契約は許されるはずがない。消費者契約法にも明らかに違反したやり方だ。私はそこで初めて大家に抗議した。
 すると、大家は「娘が宅建(宅地建物取引の免許)を持っていますから娘に話してください」と立腹した様子。
 娘と話すといっても「娘は忙しいから明日の2時から2時半の間に電話してください」と時間限定付きだ。娘は嫁に行って別の家に住んでおり、話すといっても電話になるという。
 気の進まぬまま指定された時間に電話をすると、娘はのっけから感情的な話し方であった。どうやら母娘共非常に感情のコントロールが苦手なようだ。
 「ぐずぐず言わないで更新料を払えば契約書を渡す」と、無礼な言い方をする娘に、「借地借家法」の第26条(賃貸借契約の更新)と第28条(賃貸借契約の更新拒絶の条件)や「消費者契約法第10条」に触れ、相手のやり方に問題があると言うと、「何を法律に詳しいかのように言って。偉ぶってあなたは一体何様なの?」と電話の向こうで怒鳴り始めた。
 彼女が怒鳴っているのはそのままにしておいたが、「よくそんな事が言えるわね。アパートを使い物にならない瑕疵物件にしといて」と言われたところで、「何ですか、それ?」と口をはさんだ。
 「猫よ。猫を入れているでしょ?あれで私達はあの物件に入れなくなっちゃたじゃないの。猫アレルギーにはもう瑕疵物件なのよ」
 「しかし、私たちがジミーを中に入れたのは何回か、それも数十分ですよ」
 「それは飼った事と同じなの、法律では」
 「いや、そんな法律はないと思いますが…。それに、私達はあなたのお母さんから抗議を受けてからは一度も家の中に入れていませんよ」
 「飼ったと同じなの。そういう判例が出ているのよ。知らないの?法律に詳しそうにしてたって何も知らないじゃない」
 後日、彼女の言わんとした事が判明した。最近、大家と借家人の間で争いごとになるのが「ペットを他人から預かっているだけ」という住民がうそをつくケースで、それに対して大家に有利な幾つかの判例が出ていたのだ。しかし、私達はそのケースとは全く違う。ただ、遊びに来た猫と短い時間をすごしただけの話だ。ジミーのような外を遊び歩く猫は、“部屋の探索”に飽きるとまた外に出て行きたがるもの。長居をするわけではない。
 その辺りの違いを説明すると、大家の娘は形勢不利と取ったらしく、突然、「更新料を払うの、払わないの?」と言って来た。
 「お支払いしますが、契約書を頂いてからです。または、契約書をお持ちいただければすぐにお支払いしますよ」
 と答え、私は相手と日時を相談した。
 日時を決めた後、彼女は何を思ったか、
 「でも、退去時に畳と壁のクロスを全部換えて負担してもらいますからね。あなたたちのいる物件は、もう使えないんですから」と、言い出した。
 もうこれ以上電話で話しても時間の無駄と判断して私はそれに「承諾しかねますよ」と言い残し電話を切った。
 約束の日時が迫るにつれ、一抹の不安が頭をよぎった。相手に渡してしまった契約書に畳とクロスの事が一方的に書き込まれていたらどうなるのだろうか、と不安になったのだ。何せ、私は相手が差し出した再契約書に署名押印をしているのだ。約束の日の前日、手当たり次第に電話をかけて取材してみた。
 県や市の相談室は、まるで時間の無駄であった。特に埼玉県の相談室の担当は、威張り腐っているという表現がピッタリ。一方、市の方は、まるで頼りにならない感じを受けた。そこで、宅建協会の相談員に色々話を聞いた。ここの相談員は親切に相談に乗ってくれた。「そういう大家さんがまだいるんですよね」とこちらの立場を理解した上で、借家法や消費者契約法のこと、ペットを預かった場合の判例などを教えてくれた。私の場合、もう既にそれらのことは知っていたので参考になることは少なかったが、皆さんで同じようなトラブルに巻き込まれた場合、すぐに地元の宅建協会に相談することをお勧めする。
 契約書の効力については、結局弁護士に頼るしかない事が分かった。私は友人や知人に弁護士をしているものが何人もいるが、他人が抱えている問題であれば気楽に「無料法律相談」と称して意見を求める事が出来るが、何せ自分のことだ。ちょいと聞き辛い。
 そこで、弁護士会の電話相談に目を付けた。しかしながら、世の中問題だらけのようで、電話は話し中のまま、つながらない。仕方なしに私は友人の弁護士に電話を入れて聞いてみた。
 「それは大変ですな。でも、そんなのは気にすることはありません。契約更新をしなければ済む事です。契約書は入居した時のものがあるんでしょ?それで十分です。法定更新を取ると宣言して、毎月これからも家賃だけを払い続ければ良いんですよ。更新料を払う必要はありません」
 単純明快な答えが返ってきた。
 早速、大家の娘に電話をして言われたことを伝え、翌日の約束もキャンセルすると伝えた。
 すると、
 「何を滅茶苦茶なことを言ってるの?そんな事が許されるとでも思っているの?その弁護士の名前は?住所は?電話番号は?」と怒鳴りまくっていたが、彼女の言葉が切れるのを待ち、「大家であるお母さんに文書でお渡しします」と答えた。
 店子に“侮辱”された上、更新料を払わないと言われたショックからだろうが、私の答えに切れてしまった彼女はここでは紹介できないような口から出まかせの暴言を吐いた。私は電話を切り、その内容が名誉毀損に当たるため提訴もありうると文書化して大家である母親の郵便受けに入れておいた。
 翌日、入居時に斡旋した不動産会社(註)の若い営業マンが我が家を訪れてきた。私は、これまでの経緯を話し、もう交渉の余地はないと彼に告げた。この営業マン、中々の好青年(もちろん私に友好的だからこのようなカテゴリーに入るのだが)で友好的雰囲気の中、話を聞いてもらった。この営業マンの話ではどうやらウチの大家は、「札付き大家」で会社としても扱いかねているいるような口ぶりであった。

註:普段は更新時も不動産屋が介在するが、借家人ばかりでなく大家の側も手数料を取られるため、不動産屋に仲介を頼まなかったのが大家には今になって裏目に出たようだ。

緊急時に役立たずの路線情報

2005-07-23 20:10:27 | Weblog
 今日夕刻起きた千葉県南部を震源とする地震は、埼玉県南部でも強い揺れをもたらし、私はJR駅の近くにいたが、周辺の道路はビルから飛び出た人たちで一杯になった。
 震度5弱(後に5強に訂正)の震度と聞いて、交通機関の影響は若干出るもののすぐに再開すると高をくくっていたが、あにはからんや首都圏の電車・地下鉄はほぼ「全敗」。しかも、相も変わらず情報提供が上手く行われず利用者の怒りを買っている。
 私のスタッフの足は各自の努力で何とか確保できたが、都心に出ていたパートナーが「足を奪われた」。インターネットや電話などで交通運行情報を得ようとするが、これが全くの役立たず。東京の地下鉄網である「東京メトロ」などは、地震直後から3時間経ってもなんら情報の更新は行われていなかった。ホームページの「携帯で運行情報を」などという呼びかけが、空しく感じられた。

エジプトで同時多発テロ

2005-07-23 12:27:32 | Weblog
エジプト・シナイ半島の観光地シャルム・エル・シェイクで23日午前1時ごろ、外国人観光客で賑わうホテルなど4ヶ所で爆発が起き、これまでに分かっただけでも43人が死亡、130人を超える負傷者が出ている。
この街は、ただの観光地というだけではなく、これまでに今年2月のパレスチナ停戦会議など多くの重要な会議や会談が行なわれており、国際的な知名度も高い場所だ。恐らく実行グループはその影響力を狙ってこの土地を選んだものと思われる。