都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

研数学館

2020-03-12 | 千代田区 
研数学館
所在地:千代田区 西神田2-8
構造 :RC
階数 :本館4F+B1F、別館4F+RF
建築年:1929(昭和4)
解体年:別館 2016(平成28)、本館 2018(平成30)
Photo 1988.11.1

 研数学館は大学受験予備校として知られた学校。老舗なので年配の人の多くが知っているし、通っていたという人にもしばしば会う。ただ、私が受験をした1980年代後半は、代ゼミ、駿台、河合が3大予備校になってしまっていて、やや影が薄くなっていたかもしれない。

 上写真はまだ予備校として使われていた頃のもの。塔屋の上に広告看板が付いていたのに、そこを画角に入れ損ねたのは失敗。下記、「研数学館/西神田2丁目 - ぼくの近代建築コレクション」でも、この看板は一部が写るのみ。

 全体はスクラッチタイル張り。左側、コーナー部に入口があるのが別館、右側の白山通りに面して入口があったのが本館。別館の塔屋には時計が掲げられていたのだろうが、私が接した頃には既にそれはなかった。

 その後、2000年3月に予備校としての活動を終了。しかし研数学館自体は、理学研究者の支援をする財団法人として存続しているそうだ。


 Photo 2002.4.13

 予備校ではなくなったので、建物も無くなってしまうのかと思ったが、その後、校舎の一部を他の大学や学校に貸すようになって意外に長く建物は存続した。写真は大正大学になっていた時代のもの。

 塔屋のある別館は外壁が改修され、どうもタイル張りではなくなりペイント仕上げに替えられていたようだ。塔屋の上の広告も撤去されて、その点は建設当初の姿に近くなっていた。


 Photo 2005.3.25

 本館、白山通り側の入口。こちらの外壁はスクラッチタイル張りのままで、玄関まわりにはテラコッタの装飾もあった。奥の扁額は1941(昭和16)に理数系の旧制専門学校である「研数専門学校」となった際のものだったのだろうか。


 白山通り北側から Photo 2008.4.21

 研数学館の南側は2000年代になってもなぜか2、3階建ての建物が多く、4階建てで塔屋のある研数学館の建物はこの時代になっても意外に存在感を見せていた。


 Photo 2008.4.21

 2008年に訪れた時は別館コーナー部の1、2階は居酒屋チェーン店になっていた。入口上部には大きな電飾看板が設置され、外壁も山吹色に塗り直されていた。学校・財団があるビルに居酒屋が入居したのはちょっと意外だった。


 白山通り側ファサード Photo 2008.4.21

 別館は2016(平成28)に先に解体されて、プレハブのコンビニなどになった。そして本館も2018年4月から解体。こちらは現在コインパーキングになっている。昭和初期の存在感のあるデザインの建物だっただけに、街の変化のなかで解体に至ったのは残念。

研数学館 - Wikipedia
研数学館/西神田2丁目 - ぼくの近代建築コレクション

Tokyo Lost Architecture  
#失われた建物 千代田区  #学校  #近代建築 
タグ一覧
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 白いばら | トップ | 虎ノ門のギャンブレル屋... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿