夢と希望と

そして力と意志と覚悟があるなら、きっと何でも出来る。

画竜点睛となるか蛇足となるか。

2015-11-20 | 中身
 鉄血のオルフェンズが大変面白く素敵なのですけれども、一抹の不安があります。それは、主人公である三日月・オーガスについてです。彼の思考システムは非常に合理的であり、私のシステムとも似通っています。情愛を持ち合わせないのではなく、情愛をも適切に処理する事が可能な優秀なシステムであると自負していますし、これは戦士としてほぼ完成されていると申し上げても過言ではない思考形態であると考えています。
 だからこそ、今後どうなるのかが心配。合理的な理由もなく物語の都合で、三日月が益体もない惰弱なノイズに右往左往する輩に成り下がってしまわないか、という懸念です。私のシステムは、迷いも葛藤も極めて迅速に処理されますから……そういう人物造形では物語を作製し難いだろうと予測しますし。逆に言うなら、完成されたシステムと自負する私のシステムの、もしも更に上を提示されるような事があったとしたら。これは私にとって、とてつもなく刺激的な経験となるでしょうから、この不安は期待と表裏一体であるとも言えます。

 そんな不安と期待、わくわくドキドキをこめて、私が現時点で勝手に予測してみた最終回或いはその付近のクライマックスシーン的な台詞でも置いておきましょう。ちなみに私が三日月なら、この台詞に対する返答は「それなら闘うしかないね、オルガ」です。

「オマエには解らねェだろうなミカ、オレにとってどんだけオマエが重圧だったかなんてよ。
他の連中の相手は簡単なモンだったさ。ビスケットは、どうせ他でやってく能力もない事なかれ主義のデブだ。ぐだぐだ抜かしても適当にフォロー入れておけば納得して、鉄華団を裏切る度胸は無ェよ。昭弘なんざ『ここは任せた』『信頼してる』とだけ言っておけば勝手に命懸けで身を粉にして働いてくれた。本当に犬は扱い易くて助かったぜ。しかしあの二人も大概だが輪をかけて一番チョロかったのがユージンさ。思慮の浅いアホの癖に何を勘違いしたのかオレの片腕気取りでよ、でもそこんトコさえ認めて頼ってるふりをしてやりゃあ締まりのない顔でシッポ振りやがる。あいつは女だったら確実に男に貢いで身売りするタイプだよな。
だがよミカ、オマエは違った。周りのバカ共にはオマエがオレに絶対服従の手駒に見えたかも知れねェ、ところがその実態は逆だ!オレはいつだってオマエに値踏みされてたんだ。次は何をするんだ、どんなスゲェ事をやるんだ、どんな景色を見せてくれるんだ、そのために何をすれば良いんだ……その期待がオレを雁字搦めに縛ってたんだよ!
ミカは忠実で勇敢で死を恐れず与えられた目的を確実に遂行する、優秀な兵士さ。技量抜群、おまけに向上心も持ち合わせてる。どこに行っても重宝されるだろうよ。じゃあオレは?オレに鉄華団のリーダーが務まったのは何でだと思う。頭が回るから?他の連中に信頼されてるから?違うね、ミカ、オマエを従えてたからだ!オレなんざミカが居なけりゃどこにでもいる小賢しいだけのガキさ。利口ぶって立てる作戦は、全部オマエ頼みなんだからよ。連中がオレの強引な指示に渋々従うのも、後ろ盾になってるミカを敵に回したくねェからさ。ミカを使えるのはオレだけ、そこんトコがオレの価値って訳だ。
……だからよミカ、オレはずっと怖かった。もしもオレがしくじってオマエの期待に応えられなかったらどうなるのか。『オルガ、たいしたことないね』つってミカに見捨てられたらよ、それでもうオレはお終いになっちまう。どんなミスも許されねェ、完璧なオルガ・イツカでなくちゃならねェ、ミカのお眼鏡に叶うオレであり続ける為には気を抜く事も休む事も許されねェ!人間にそんな事、ずっと出来るはず無ェだろうが!!
そんじゃどうすれば良い。どうすればオレはぶっ壊れずに済む?オルガ・イツカがオルガ・イツカでいられる為にはどうすんだ。その答えが、このガンダムヤハウェだ!!こいつと融合したオレは完璧よ。ギャラルホルンもその背後のセブンスターズも怖くねェ、アーヴラウもSAUもアフリカ連合もオセアニア連邦もまとめて蹴散らせる!ましてやテイワズなんざ鼻クソみてェなもんさ。そしてミカ、ヤハウェと融合したオレには、もうオマエも要らねェのさ!なんたってヤハウェは……いや、このオルガ・イツカは!全知全能なんだからなァ!!!」

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