ゆでのくせになまいきだ。

　我ながらひどいタイトル。しかしこれは純粋な賛辞です。サイコマンの乙女心は完全にリミットを突き抜けて、独自の美を形成し始めました。

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「ハッ お黙りなさい
かつてまだ友好だった頃のあなたたちと語りあった始祖としての誇り 美学
たとえそれに背くとしても
シルバーマン あなたにこの力の意義を認めてもらえるのであれば
私は"拾式"の奥義だってその具材に捧げますよ！
私たちが神になるために この世を真の理想郷とするために！
目を覚ます？お断りします
これが夢なら私は永遠に眠り続けましょう
この覚めない眠りの果てにこそ
私たち11人が見た夢の続きがあるのですから」
　からの、完璧・拾式奥義 輪廻転生落とし。グリムリーインカーネイション、技そのものはマッスルリベンジャーに勝るとも劣らぬ恥ずかし固めですけれども、そのネーミングは実に素敵。
　あれだけサイコマンと仲が悪かったガンマンも含め11人と始祖を認識しつつ、どこまでも見果てぬ夢を追い続ける姿を……私は笑えません。否定する事も出来ません。

　この闘い、試合としての勝敗がどちらになろうとサイコマンにとって幸福は約束されているのではないでしょうか。シルバーマンに勝ち、その命を奪うなら彼はサイコマンの内で永遠になる事でしょう。負けて命を奪われるとしても、敬愛する存在に殺されるならこれ程嬉しい死に方はありません。
　……ゆでたまご如きに恋愛の機微など描けるはずが無いと考えていた認識を改めなければなりますまい。