あるBOX(改)

ボクシング、70年代ロック、ヲタ系、日々の出来事などをウダウダと・・・

「小学館版学習まんが人物館」を読む

2013年12月17日 | 漫画
知っておきたい日本と世界の人物をまんがと解説で紹介する・・・というシリーズ。

貴重な資料、時代考証のすえ、それぞれの偉人の生涯を
シナリオライターとまんが家の共同作業で作品化・・・という触れ込みで。

「図書館で借りて、ちびスケに読ませてやるか」と思って調べたら
「宮沢賢治」さんがあったよ。
副題は「銀河を旅したイーハトーブの童話詩人」と来たよ!

しかも絵が・・・村野守美さんだよ!!!

私が大好きな絵を描く人だよ。
何が好きか、どう好きかなんて説明できませんよ。
ただ、この人の絵が好きなんですよ。



小学館の解説は、
「賢治の生涯を、童話や詩の作品も織り込みながら、まんがでつづる。
自然を愛し、農業を大切に考え、大地とともに生きた賢治の一生をわかりやすく解く」
・・・というもの。

あまり村野さんを全面に押し出したものじゃないが、村野ファンには堪らない要素満載です。
最初から賢治の童話で始まってるし。村野さんの柔らかな線は見事に童話を再現してるし。

結局、私がハマって読んでしまいました。



子供向けに作られた本なので内容は小難しくないのが良い。
家族との関わり、人生の歩み、功績、さらに仏教に傾倒した後の人生観、
死生観など様々な思いが時系列で描かれていく・・・。

そして村野さんの絵の特徴と言えば、女性の素晴らしさ。
賢治には2才下のトシという妹がいて、賢治の才能を疑わない最高の理解者だったとか。

実在のトシさんも、才色兼備だったそうだが、村野さんが描くトシは
やさしく清潔で美しい。

彼女が結核で病床に伏せるシーンでも、村野さんの描線は美しく儚い。
そして、24才というトシの若い死に際し「オイオイ」と頭を押し入れに突っ込んで泣く賢治。

私も読んでて泣きました。
(我ながら涙もろくなったなぁ・・・・)

樺太の鉄道で北上しながら、トシを想う賢治。
そこから「銀河鉄道の夜」が生まれたという。

そして最後は賢治も胸を病み、出版した作品が日の目を見る事を知らぬまま亡くなった。
※死後、高村光太郎らの文人が全集を編んだりして、賢治の才能を世に広めた。

ここでワタクシまた泣きました。
偉人は早世しちゃうんだもんな。昔は薬も無かったしなぁ・・・。



そして「高村光太郎・智恵子」。
智恵子の心の病にもめげず、変わらぬ愛を貫いた光太郎の人生をつづるストーリーまんが。

こちらも村野守美さん。
シナリオがカッチリ固められてたら漫画家・村野さんに自由度は少なかったかも知れないし
御本人が、どれぐらいの充実度で描かれたかは分からない。

しかし、それでも私の胸には迫ってくるんですよ。
光太郎の芸術家としての思いと、智恵子の存在感が・・・。

智恵子は「もう一人の主人公」だから、
村野さんの筆致も冴えてます。

やっぱり智恵子さんの臨終では泣かされてしまいました。
※みんな死んじゃうんだもんなぁ・・・

それをウェットに描かず、かといって淡々とも描かない。
さすが村野守美さんですよ・・・。
やはり虫プロ出身ですよ。

手塚治虫に師事しながら『鉄腕アトム』や『ジャングル大帝』
『カムイの剣』などのアニメ作品に作画や演出として参加した方ですよ。

漫画家・アニメ作家・絵本作家・イラストレーターとして活動は多岐に渡った村野さんですよ・・・。

この「小学館版学習まんが人物館」シリーズは、村野さんにとって晩年のお仕事で

村野さん自身は、2011年3月7日に心不全のため東京都府中市の病院で死去されました。
享年69才。

漫画家さんは若い頃ムチャして仕事するから短命なんですよね。

例によって全ては読んでいないから、今からでも「オサムとタエ」シリーズは集めてみようかなぁ・・・。

少年を甘やかさなかった漫画:「ウルフガイ」

2013年12月17日 | 漫画
掲載は、講談社の少年誌「週刊ぼくらマガジン」
少年誌を青年が読むようになって内容が子供向けには厳しくなってきた・・・として
「再度マンガを子供向けに」と創刊された雑誌。

しかし、そんな雑誌も子供を甘やかさなかった!(笑)

ウルフガイシリーズの原点です!
原作は、あの平井和正。作画は坂口尚!



孤高の人狼=犬神明の宿命の戦いを描いたSFアクション小説の傑作、
「狼の紋章」「狼の怨歌」の原点といわれる漫画。

平井和正といえば「幻魔大戦」も石森章太郎の作画でスタートし、
これまたライフワーク的な小説に成長させたが
「ウルフガイ」主人公の孤高ぶりは印象深かった。

連載されたのは1970年から1971年まで、全31回。
作画の坂口尚は、当時アニメーターとして実績を持ち(虫プロ)、漫画家としても頭角を現し始めていた時期。

アニメーターらしい流麗なタッチで(描くの速かったろうなぁ・・・)
犬神明の苦悩を表現されています。

主人公が、狼の特性を持った人間ですから。
その時点で悩み満点です。

脅威の生命力に目を付けた勢力に追われ、鎖に繋がれるウルフガイ。
理解者である女性教師は囚われの身となり、救いに向かうウルフガイ。



鎖を引き抜こうとして、逆に血まみれになって苦しがるウルフガイの姿が痛々しかった。
しかし「オレはウルフガイ。この程度の事で・・・」と立ち上がる。

そんなシリアスな絵を描いた坂口さんですが
実験的な作品を描いたり、アクション物じゃないSFを手掛けられたり、
柔らかな線でファンタジー的な漫画を発表されたり・・・と多岐に渡って活動されてました。

全て読んだ訳じゃないけど、ふんわりした絵も好きでした。
私の中じゃ、「村野守美」さん「向後つぐお」さんと同じ系列にあるんですよねぇ・・・。



坂口さんは、1995年12月22日に急性心不全により49歳の若さで逝去されているが
手塚治虫の元に集まった「天才」の一人として、ファンの心に残り続ける事でしょう・・・。

※ある意味「大天才の周辺で天才が消耗する」虫プロ入りしたのが
 不運の始まりでもあったのだが、それはまた日を改めて・・・

そして達郎の「アトムの子」

2013年12月14日 | 漫画
少し前に「読者を甘やかさなかった少年漫画」として
手塚治虫先生の「ライオンブックス・シリーズ」の「コラープス」を
思い出したりしたが、
そもそも代表作といわれる「鉄腕アトム」だって相当に重い漫画だった。



TVアニメ版は「正義の味方アトムが悪と戦う」モノになり、
そのイメージに原作者が苦しんだ・・・というのは
手塚ファンの中では有名な話でもある。

そして、
山下達郎による手塚治虫へのトリビュート・ソング「アトムの子」。
「漫画というカテゴリーをはるかに越えた巨人」が、1989年に急逝した事を受けての作曲。

以下、歌詞の抜粋。



どんなに 大人になっても 僕等は アトムの子供さ
どんなに 大きくなっても 心は夢見る子供さ

いつでも百万馬力で みるみる力がみなぎる
だからね さみしくないんだ

意地悪 する子がいたって 最後は仲良くなれたよ
あの子はどうしているだろ 今でも 大事な友達

みんなで 力を合わせて 素敵な 未来にしようよ
どんなに 大人になっても 僕等は アトムの子供さ



~アトムは10万馬力だったが、強敵と戦うためにパワーアップされた。
戦う為だけに作られたプルートに対抗するのに、自身も怪物的なパワーを求めたアトム。
感情があるアトムは、その無益さを本当は知っていた筈・・・。

手塚先生は、こうも語っている。

「これまでずいぶん未来社会をマンガに描いてきましたが、
じつはたいへん迷惑していることがあります。
というのはぼくの代表作と言われる『鉄腕アトム』が、未来の世界は
技術革新によって繁栄し、幸福を生むというビジョンを
掲げているように思われていることです。
『アトム』は、そんなテーマで描いたわけではありません。
自然や人間性を置き忘れて、ひたすら進歩のみをめざして
突っ走る科学技術が、どんなに深い亀裂や歪みを社会にもたらし、
差別を生み、人間や生命あるものを無残に傷つけていくかをも
描いたつもりです」

談志師匠が「本当の表現者に必要なのは文明批判の精神だ」と仰っていたが
家元が尊敬する手塚先生は、まさに“そういう表現者”だった。

漫画版には、
人間によってロボットが「これでもか」と虐げられるシーンが次々と登場する。

市民権を得る為に活動したロボットが、
登録第一号として手続き終わって庁舎を出た途端
待ち構えた人間に一気に襲い掛かられ、メチャメチャに壊されてしまう光景など
「少年漫画でココまでやるか」・・・と驚きを隠せませんでした。

重いんですよ、鉄腕アトムは。
「コラープス」同様、人間の本性を“これでもか”と描いてありますわ。



「アトムの子」はベストアルバムにも収録されてる達郎さんの重要曲だが
当然、能天気な賛歌では無いでしょう。
読み込んだ上での歌詞でしょう。

我々はアトムの子なのだ・・・という宣言。
虐げる側の存在ではなく、心優しいアトムの子なのだ・・・と。

そんな事を思い返した。
「アトムの子」も、
手塚先生の記念年ごとにクローズアップされて行くんでしょうね。

山下達郎「クリスマス・イブ」

2013年12月13日 | 邦楽
ウォークマンで達郎を聴きながらショッピングモールを歩いてると
館内BGMで達郎の「クリスマス・イブ」が流れてきて
「達郎in達郎」



しかし、歌詞を聴いていると
「典型的な“ぼっち”ソングだなぁ」と思わされる。

「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い」に
匹敵する“ぼっち”さ。



♪きっと君は来ない ひとりきりのクリスマス・イブ♪
♪心深く 秘めた想い 叶えられそうもない♪

~と歌われてるんだよ。
素晴らしい“ぼっち”ソングだよ。

まさに「当時の私そのもの」だよ。
つ~か、“秘めた想い”すらも無かったですよ。

それが
クリスマスを謳歌するリア充が聴くヒット曲になった
・・・なんて勝手に思い

「オレの達郎が、もっと遠くに行ってしまった」と
自分を卑下したモノですよ。←最初から遠かっただろう・・・

まぁ、案外
リア充なんて世の中に少ないのかも知れませんがね。

まぁ、名曲なのは間違いない。
中間部で聴かせるカノンのアカペラなんて美しいの一言だし。
※達郎さんは裏声もイイんだよなぁ・・・



何度もパッケージを変えて発売され、
毎年売れ続ける「クリスマス・イブ」

大ヒットのキッカケはJR東海のCM曲に起用された事で。
それを達郎氏は運というが、「Ride On Time」の頃からCMとは縁がある人だし
「Melodies」からは「高気圧ガール」も全日空のCMに使われてるし
いずれ「クリスマス」に目をつけた広告関係者が世間に拡散させる事になっただろう。


※画像は、とり・みき氏がイラストを担当したヴァージョン
 とり氏は達郎ファンで、ファン会誌に4コマ漫画「タツローくん」を描いており
 ベスト盤ジャケットも担当してたんですな


まぁ、それだけの名曲です。
「夏といえば達郎」と言われたイメージを変えた曲です。

それ以前に「Melodies」が“それ”を裏切るアルバムでしたからね。
普通ならA面B面の1曲目に持ってくる夏ソング「悲しみのJODY」と「高気圧ガール」を
A面冒頭、立て続けに持って来て、半ばに夕闇や秋を思わせる曲も収録。
そして最後に「クリスマス・イブ」。完璧に裏切りに来てます。



音質も「For you」より中域の膨らみがあり、落ち着いた印象。
これは当然「クリスマス・イブ」でも同様で
演奏もしっかり達郎の歌唱を支えています。

ちょっとファズ効いた重いベース、ドラムの入り・・・。
こんな曲なのに、やっぱり達郎のリズムセクションですよ。

その安定感も素晴らしいのですよ。

スネア・ドラムの入り・・・
「ドッ・タッ・タガダン」という、“これしかない”青山純さんの間と音色。

達郎さんの曲独特だよね。
「これしかない」とまで研ぎ澄まされたアレンジ、サウンド・・・。

これが年末の日本に流れ続ける。
おそらく、来年も再来年も、もっと先も・・・。

「定番」が苦手な私ですが、やっぱり達郎さんだけは別格なのです。

ここ数日、山下達郎さんのCDばっかり聴いている・・・

2013年12月12日 | 邦楽
「Ride On Time」「For You」「Melodies」「Big Wave」「Joy」・・・。

演奏陣も皆すばらしい。
山下達郎というスーパーミュージシャン、スーパーヴォーカリストと
スーパーバンドが組んでいるかのような印象だ。



まず
シングル曲「Ride On Time」がカッコよかったからねぇ・・・。
当時CMで流れてるの聴いて、ぶっ飛びましたよ。

本当に水平線が見えてくるんですもの、この曲を聴くと。

・・・で、サックスソロ、ギターのカッティング。
達郎テイスト満載。

ギターの音色が綺麗なんだよな。
強力なベースとドラムがあって、
重要なパートでありながらギターと鍵盤は薄く遠く響く。
※でも存在感はあるんです

そこに豊潤な達郎の歌が舞い降りる。
まさに代表曲です。



・・・で
「Ride On Time」が売れた勢いで作ったのが「For You」。
勢いだけじゃなく、やはり売れたら待遇が良くなると言う事で。

スタジオの押さえも、レコーディング曲数も制約が大幅に無くなって
達郎さんは悲願の録り放題状態。
本人の創作意欲も最高潮、ミューズに愛されまくった状態。

エンジニア技術もアレンジ力も上がり、録音機材・楽器・腕利きミュージシャンと
全て最高の状態で録音。

もう、1曲目の「Sparkle」から最高。
パーフェクトな歌唱と演奏が飛び出してくる。

これもCM曲だったが、海・空・島の映像に完璧にハマっていた。
これまた度肝を抜かれました。

トランペットの重奏、ハネるリズム、キレキレのギターカッティング、高らかな歌声。
そして天高く舞うようなサックスソロ。

カッコイイ・・・カッコ良過ぎる。
いま聴いても鼻血が出そう。

そもそもメンバーが凄い。山下・伊藤・青山以外も
難波弘之(Key)、土岐英史(Alto Sax Solo)、吉田美奈子(Back Vocals)。
凄いというか、贅沢じゃん!!



日本のアーティストで「あれやろう、これやろう」として
アルバム中の曲ごとにミュージシャンや音色を変える人もいるが
私なんて、それが苦手で「なんの統一感もない、バラバラじゃんかよ」と思って
2度と聴かなくなったりしたもんですが

達郎さんは違うのよね。
アルバムの統一感が凄い。
リズムセクションを通しで起用してるし、サウンドの構築もアルバムで一貫しているのだ。

特に「For You」は凄い。
音の透明感、ピーンと張ったキレ、突き抜け感・・・素晴らしすぎるのよ。

ベースとドラムが海と大地のようにボトムを抑え、
ギターとキーボードの音色は青空のように澄み渡り、
サックスは真っ白なヒコウキ雲のように天頂へ突き進み、
達郎の声は鳥のように天空と海面を舞う。

カンペキだ。
「Can't Get Enough」でのポール・ロジャース(Vol.)なみに完璧だ!
柴田昌弘の描線みたいにカンペキなのだ!



しかも
こんな曲を達郎はライヴでも完璧に歌ってるしね・・・。
つ~か、原曲以上にパワフルだからね。

こんな強力なリズム隊、並みのヴォーカルだったら霞んでしまうんだが
自分で選んだ自分より若いミュージシャンに「負けてなるか」と声を張り上げてるんだよなぁ・・・。

ライヴ盤「Joy」は、やはり
「メリーゴーラウンド」~「レッツ・ダンス・ベイビィ」~「ラブランド・アイランド」のメドレーが凄い。
リズム隊のウネりっぷりには降参状態。

しかも、曲調でリズムに微妙な緩急があったりして、もう堪りません。
ドラムが走ってるワケじゃないのは、周囲が完璧に合わせてるから理解できます。
リハで練り上げられての事です、こりゃ。



こんな演奏を残してくれた青山純さん、
「アレックス」なんて愛称も似合いすぎです。

ネットでチェックしたところ、御本人は結構コワイ人だった印象もある。
厳しい人だったんですね。根っからプロだったんですね。

56才とは早すぎる。
本当に残念です。

改めて青山さんの御冥福を御祈り致します。

ドラマーの青山純さん逝去

2013年12月11日 | 邦楽
私を最も感激させてくれた日本のドラマーが、
12月3日に肺血栓塞栓症で亡くなってしまいました。
しかも急に。

青山純さん。
山下達郎らのレコーディングやライブに参加した腕利きドラマー・・・。

ただの技術屋さんじゃ無く、本当に「骨と肉とハートで叩く」人だったと思います。
じゃなかったら、あの山下達郎さんがレコーディングやライブに誘うわけがありません。



そもそもはリンゴ・スターやジョン・ボーナムのプレイに感化されたという青山さん。
ヤマハのドラムスクール卒業後、杉真理さんのレコーディングに参加し、プロとして活動を始めたとの事。

その後は「THE SQUARE」「プリズム」「キリング・タイム」など、フュージョン色あるバンドに参加。

2011年にはドラム教則DVDも発売してた。

ここ数年も、MISIAらのツアーに参加するなど、活動は精力的で。
ミュージシャン仲間の中でも「急な」印象だった模様。



私にとっては山下達郎の「Ride On Time」「For You」「Melodies」の名曲の大半を叩いた人・・・という印象が大きい。

そう、今の季節に必ず流れる「クリスマス・イヴ」のドラムもこの人なのだ。
1983年にアルバム「Melodies」からシングルカットされ、1980年代、1990年代、
2000年代に続き今回、2010年代でもトップ10入りした怪物のような曲。

しかし、達郎が、「Melodies」が凄いのは、
こういう怪物曲でさえ収録曲の1曲に過ぎなく感じる事。



はい、全曲が捨て曲なし。全部イイ曲。
「ジョディー」「高気圧ガール」のリゾート感。
「メリーゴーラウンド」のファンキーなリズム、ミディアムテンポ曲「あしおと」の歌メロ、そしてリズム。

すべてが素晴らしい。

私が「全て完璧」と感激した「For You」の屋台骨も青山純さん。
「Ride on time」で合体したベースの伊藤広規さんとのコンビが練れた結果、
最高のリズム・セクションが出来上がったのだ。



全身音楽家にしてバンド出身の達郎氏だ。
自分の音楽に強力なリズムセクションは不可欠だと間違いなく分かってた筈だ。

ライヴ盤「Joy」でも、この両者の演奏は最高で
特に「メリーゴーラウンド」のファンキーなオープニングは鳥肌モノだ。
伊藤広規さんのベースはチョッパーになっても地に足が着いてるし、青山さんのドラムはスネア音が絶妙に重い。

達郎氏はパワフルな歌声をドラムとベースに負けじとキメる。



つ~か、
私は「Melodies ツアー」を地元の市民会館で見ているから
青山さんのドラムを生で見てるに違いない!

※「クリスマス・イヴ」がアカペラ登録されたリズムマシーンで
  達郎氏が単独登場して完璧に歌ったのには感激しつつも、少し
  寂しかった。「なんでぇ、ドラム居ないのかよ」・・・と。

「プリズム」というグループも日本を代表するフュージョンバンドだよな。
私は、ちゃんと聴いてないなぁ。
聴かなきゃなぁ・・・。

享年56歳。
青山純さんの御冥福を心よりお祈りいたします。

八重樫、ソーサに見事な判定勝ち!

2013年12月10日 | ボクシング
プロボクシング
【WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦】
12月6日 東京・両国国技館

八重樫東 判定12R エドガル・ソーサ(メキシコ)

打ち合いになったら危ないと言われた試合、八重樫は見事にスピードで元ライトフライ級王者を制した。

前に出るメキシカンを、イキの良い日本選手がスピードで封じる試合展開に
オールドファンは「柴田国明vsビセンテ・サルディバル戦」を思い起こしたかも知れない。

ソーサの間合いを避け、相手パンチの打ち終わりにスピーディーで回転の速い連打を決める。
相手の打ち気をそらす左右の動き、ジャブ、クリンチ。

打たれたソーサが再度踏み込んでも、もうそこにはいない。
本来、技術がある八重樫。
ミニマム奪取試合や井岡との一歩も引かぬ試合ぶり激闘王と呼ばれたが、強敵を迎えて資質が再度開花した印象だ。

それでも相手はライトフライ級時代に日本人ボクサーを5人も屠っている最強の挑戦者エドガル・ソーサだ。
踏み込んで左フック伸ばしたり、八重樫の左に右を被せたりと色々やってきたが、八重樫は続けての被弾を拒否。
動きが止まろうものなら一気に連打に捕まりかねない展開、王者は慎重かつ大胆に作戦を進めた。

WBC名物「4ラウンドごとの採点公開」、4ラウンド終了時2人がフルマークで八重樫、8回終了時も優位は動かない。

もちろん要所で自分から前に出て連打するシーンもあり。
しかし長い時間の打ち合いは避けている。冷静だ。

ただ、終盤は手数も減って「ただ下がるだけ」になった印象あり。
ラストラウンドは自分から仕掛けて、この試合ベストショットとも
いえる素晴らしい右ストレートを決めたが
※最終回で、あんな切れて速いストレート決まったんだから、
 もっと騒げよ放送席・・・

終盤はポイントを失っており、その辺は今後の課題でしょうか。
全般的に出鼻への左フック・カウンターの精度も足りなかったし、「当てる正確さ」の向上を期待したいものです。

公式判定は、6ポイント差が2人、4ポイント差が1人の3-0。
大差の判定勝利。あの前評高いソーサ相手にだ!

大橋会長は、ボブ・アラムがプロモートとしているロンドン&北京のライトフライ級の金メダリスト=ゾウ・シミン(中国)とのビッグマッチを希望している。

さらに、フライ級には、ローマン・ゴンザレスや、WBA&WBOの統一王者のファン・エストラーダ、
ブライアン・ビロリアら強豪が、統一戦を含むビッグファイトを狙っている。

そこに「逃げるという言葉は無い」という八重樫チャンプ。
頼もしい存在だ。
※ローマン・ゴンサレスがブランケットを
 あれだけ一方的にKOした後なのにねぇ・・・

大橋会長がセットした試合を全力で戦い、観客にアピールする。
それが八重樫の「王者としての矜持」なのだろう。

技術的にもスタイル的にも「八重樫ボクシング」は完成に近付いてる気がする。
今回は、その過程を見た思いだ。

次戦で完成か?まだ2~3試合先か?
それを見届けるのが、とても楽しみです。

井上尚哉は快勝!

2013年12月09日 | ボクシング
プロボクシング
【東洋太平洋ライトフライ級王座決定戦12回戦】
12月6日 東京・両国国技館

井上尚弥(20才/大橋) KO5R ヘルソン・マンシオ(26才/比国)

東洋太平洋ライトフライ級1位井上尚弥が、期待のKO奪取を果たした。
同級2位ヘルソン・マンシオ(26)も上を狙う気概で来日したのだろう。序盤からシャープな井上のパンチに晒されても試合を諦めなかった。

初回から井上が速いジャブから右ストレート、左フックで完全に優位に立った。
2回には早くもダウンを奪うも、相手の捨て身の反撃を警戒して距離を保つ冷静さも見せた。
並みの相手なら諦めるトコロだが、マンシオは2回終盤に左を強振するシーンあり。まだまだ怖い相手と思わせた。

それでも、荒らっぽいマンシオに対し、得意の左フック&アッパーなど多彩なパンチを散らして接近戦をも試す井上。

解説の川島氏が言っていたように、今回は重心も安定している。
ジャブからワンツーの基本技も冴えた。
※いきなりの左フック・左アッパー見せすぎの感あったからねぇ・・・

試合は優勢のまま第5R。
ダメージの溜まったマンシオに左フックをヒットさせ、そこからラッシュを掛ける井上。
コーナーでの連打で、さすがのマンシオも防戦一方。
たまらずレフェリーがストップした。

勝者インタビューで
「打たれ強く頑張らせてしまった。もっと的確に攻めて戦意喪失させたかった。世界は遠いかな」と語った井上だが。

マンシオとて、(技術こそ及ばなかったが)「パッキャオになろう」とチャンスを狙う選手。
簡単に試合は捨てないし、窮地でも強打を振ってきた。
気持ちもアゴも強かった。

そういう相手を最終的にTKOで仕留めたのだから大したものだ。
前の試合では「井岡と戦うには、まだまだ早いな」と思ったが、
いやいや来年は分からないですぞ。

最短挑戦の是非はともかく、本当に「期待のホープ」と呼ばれて遜色ない選手になってきたな・・・という印象です。

しかし、村田×井上興行は
どっちかが快勝すれば、どっちかがモタつく・・・そんな印象ですな。
次回があれば「両者快勝!」となって欲しいトコロです。

村田諒太、2戦目は8回TKO勝ち

2013年12月08日 | ボクシング
12月6日、元ロンドン五輪ミドル級金メダリストの村田諒太(三迫ジム)が、プロ2戦目を行った。
相手は14戦13勝(8KO)1敗の米国中堅どころ、デイブ・ピーターソン。
その身体の柔らかさに少々手を焼いたが、最後は強打を矢継ぎ早に叩きつけ、仕留めてみせた村田。

「最初は固くなってしまった」と振り返ったが、たしかに序盤から圧力を掛けて優勢ながら、攻めあぐねている印象も強かった。

上体をくねらせ、ジャブから軽打に繋ぐピーターソンは、まるで中南米系の中堅選手。
のけぞる相手にパンチは届ききらず、相手がダックすれば右は後頭部に流れた。
4ラウンドには右を浴び、連打されて防御に追われる場面もあり、「オイオイ、大丈夫か?」と思わせもしてくれた。

しかし、そこはホープ。
地味な左ジャブから組み立てなおし、リズムと距離を構築。
ボディも交えて「プロアマ通じて一度もダウンが無い」と言う触れ込みの相手を追い詰める。

ダメージが蓄積したピーターソンを第7Rで猛攻し、最終ラウンドに連打で防戦一方に追い詰めたのは素晴らしい結果だった。
8ラウンドを経験した事は大きい。

攻めの踏み込みがデビュー戦より鈍った気もしたが、そこは「初のプロ外国選手(しかも本場)」との対戦という緊張あっての事かも知れない。

今回の経験で次戦の村田がどう変わるか注目したい。

亀田興毅がバンタム王座返上へ

2013年12月07日 | ボクシング
12月6日、亀田興毅がWBA世界バンタム級王座の返上を発表した。
「自分の目標である4階級制覇を目指すためにスーパーフライ級に転級する」そうな。

WBA世界スーパーフライ級王座は、王者だったリボリオ・ソリス(ベネズエラ)が、3日のIBF世界同級王者・亀田大毅(亀田)との統一戦で計量に失敗し、現在は絶妙に空位。

WBAは、王座返上した王者を転級先で1位にランクする優遇処置を取るのが定番だそうで。
興毅がWBAの1位に入れば、2位選手との王座決定戦となるとの事。

当初はWBAの指令により、12月10日に同級スーパー王者アンセル・モレノ(パナマ)との王座統一戦の入札がパナマで開かれる予定だったが、興毅の王座返上によってこれは中止となった。

また盛りを過ぎた元フライ級王者とかを連れてくるんでしょうか。
またはスタミナに難のあるデンカオセーン(タイ)に食手を伸ばすのでしょうか。

先日の韓国戦では袋叩きで同情したものですが。
※孫正五は足元がバタついてて、亀田に左でバランス崩すシーンもあったから
 その辺は見栄えが悪かったですからねぇ。前に出る割に有効打は伴わなかったし。
 往年の鬼塚勝也さんも「オニヅカ叩けば拳闘通」みたいな風潮でバッシングされまくり、
 1994年の李承九戦も「ダウンまで取られたのに」という論調で叩かれまくったもんです。
 私は「ダウンやダウン寸前のシーンもあったけど、それ以外は相手が狙い過ぎて
 手数が少なく、鬼塚のボディで防戦に回ったりしたし、ペース支配で鬼塚にポイントが
 流れるじゃん」と思ったのですが、世間の大半はそんなコト認めませんでした。

やっぱりカメダはカメダ。
悪い期待にだけには応えてくれますね。

亀田大毅、判定負けして王座保持

2013年12月06日 | ボクシング
12月3日のIBF・WBA世界スーパーフライ級王座統一戦は、亀田大毅(24才/亀田)が判定負けしながらIBF王座に留まるという“裁定”が下された。

WBA王者ソリスの減量失敗が原因とはいえ、「負けて防衛」の裁定には異議が噴出。

JBC浦谷事務局長代行は、IBF立会人のタッカー氏とピープルズ会長に事情説明を求める質問状をメール送付したという。

試合前日のソリス減量放棄を受けての会見、
IBF立会人のタッカー氏はJBC・WBA関係者と同席して「亀田大が勝てば王座統一、負ければ両王座とも空位」と説明。

しかし、大毅が判定負けする結果が出た後には
「(このような場合、IBFには)勝敗にかかわらず王者はタイトルを保持するという規定がある」と言いだし混乱を招いた。

まず、保持なのか維持なのか防衛なのかが曖昧だし。
そもそも軽量級で3,5kgもの体重差がある選手同士を、グローブハンデも無しで対戦させたのも疑問だ。

ソリスに10オンスのグラブを着けさせて、ノンタイトル10回戦に変更しても良かったのではないか?

え?興行としてファンに顔向け出来ない?
じゃあ、何のためのトリプル世界戦か?

1試合が、こういうトラブルでポシャる事も考えた保険じゃないのか?
他の2試合を戦う選手が懸命に興行を盛り上げればイイんじゃないのか?

※高山選手なんて、ハイテンポな見事なボクシングを見せてくれた。
 知毅選手だって、「自分が盛り上げなければ」と、もっと積極的に
 攻めたかも知れないじゃないか。

大毅選手には同情的な事も書いたが、体重差が原因で馬力で劣ることになったのなら、技で上回る事は出来なかったのか?

アウトボックスの真似事をしていたが、ロクにジャブも出ないようじゃポイントは取れないだろう。
リードパンチで左フックと左ジャブを組み合わせ、その中からワンツーに繋げる芸も欲しかった・・・。
それらが無いようでは「別の意味でも世界王者失格」と言われてしまうだろう。

そして
相変わらずのコミュニケーション能力に欠ける亀田ジム。
前回の当日計量時間繰り上げの連絡不徹底に続き、今回またしても説明不足。

IBFに説明責任を転嫁し、JBCに聞き取り責任を転嫁しているが、
やはり自分トコロの興行なんだから、自分らがメディアやローカルコミッションに説明するのが筋じゃないの?

「JBCは日本の恥」と言い放った亀父。
選手とJBCは上手く付き合って行くしかないのに、この言い草。

「前日の会見では英語やスペイン語で説明があった。JBCは語学力ある者を会見に出席させたのか?」と言い放った亀田ジム。

一国のコミッションに礼を欠くこと甚だしい・・・。
※ウチらも散々批判してきたけど、ここまでは言いませんよ。

そして試合後の大毅会見を「(心身の)ダメージが深いから」と、またしても拒否させる有様。

内藤戦同様の過保護ぶり。
・・・・というか、本音で何か言われたら困るんだろうな。

まるで角兵衛獅子。
児童虐待法で無くなったというが、こんな形で残ってましたよ。

24才の青年、気の毒ですなぁ・・・。

亀田大毅、体重オーバーのソリスに判定負け

2013年12月05日 | ボクシング
12月3日に行われたボクシングのトリプル世界戦。
亀田和毅、亀田大毅、高山勝成の三人のチャンピオンの揃い踏み興業だったのだが、
またしても亀田大毅の試合でトラブル発生。
メディアやネットを騒がせる結果になってしまった。

まず、波乱の元凶はWBA・IBF団体統一王座戦の前日計量。
相手のソボリオ・ソリスが大幅に計量オーバー。
2度めの計量でもリミット内に収まらず、それ以上の減量を諦めて、
関係者の制止を振り切って自販機で購入した水やコーラをガブ飲みするというハプニング。

ここでメディアに発表されたのは
試合は行われ、亀田大毅選手が勝てばWBA・IBF2つの王座を獲得、
挑戦者が勝てば両王座とも空位。
ドローの場合は亀田大毅選手が元々保持していたIBF王座のみ防衛。
・・・という特別ルールで行われるというもの。

しかも、ソリスはIBFルールにある「当日計量」も免除(?)。
体重差のある者同士の対戦という、非常にアンフェアなリングとなりました。

この点は大毅選手は気の毒だった。
普通はソリスにグローブハンデが課せられるパターンです。

昔はチャチャイやピントールの様な名選手でも減量失敗をやらかして、戦う前に王座を失う事もありましたが
「失態」と言われつつも、それでもギリギリまで体重を絞ろうとする「誠意」は見せたと思います。
結果、ヘロヘロの身体で惨敗しても、今にして思えば、まだ立派だったと言えるでしょう。

そういう「最後の誠意」さえ失われたのは、90年代のフレディ・ノーウッドあたりですからかね。
余力を残して対戦相手を打ちのめし、勝ち星を稼げば次に繋がる・・・とばかりに「搾りカス」になる事を拒否。
※松本好二さんは気の毒でした

正直、そういう「卑怯者」には、最低でも(下部組織を含め)その団体のタイトルから2年は出場停止の処罰が与えられて欲しいと思いますよ。

発表によると当日は3.5kgほどの体重差があったそうで。
往年のチャチャイやピントールに比べ、ソリスの身体には張りがあり、筋肉も盛り上がっていた。

大毅選手は接近戦で挑戦者に押される苦しい展開、アウトボクシングしてもリードパンチが足らず、ペースを掴んだとは言えない展開。

お互い決定打がないまま試合終了。
「地元判定で4ポイントくらい引っくり返すかな」と思ったが、判定はソリス!

大毅選手は王座陥落・・・とアナウンスされました。
(続く)

亀田和毅も判定で初防衛

2013年12月04日 | ボクシング
12月3日 大阪・ボディメーカーコロシアム
【プロボクシングWBO世界バンタム級タイトルマッチ12回戦】
亀田和毅(22才/亀田)判定12R イマヌエル・ナイジャラ(29才/ナミビア)

判定は3-0。初防衛に成功。

リーチ差を埋めようと、前に出た和毅はボディーを中心に攻勢。
対格差のあるアフリカ選手にスピードで勝ったのは大した物だが、それ以上の踏み込みは無かった。

最大10点差がつく3-0判定なれど、ナイジャラにピンチらしいピンチなし。
当然ダウンシーンも無し。

ロープに詰めての攻勢や、思い切ったパンチを叩き込むシーンも無し。
長身ボクサー型同士の距離の取り合いや、そこから相手ストレートに自分の右を被せる「徳山vs曹」的な醍醐味も無かった。

試合後は日本での初防衛戦のプレッシャーを語り、さらには「減量苦」も吐露。

一時は山中との統一戦も話題に上がったが、やはり話題だけで終わりそうですな。
とりあえずは指名挑戦試合で上位選手とどう戦うか?
その内容が問われるでしょうな。