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あるBOX(改)

ボクシング、70年代ロック、ヲタ系、日々の出来事などをウダウダと・・・

京口紘人は初挑戦で世界王座奪取

2017年07月23日 | ボクシング
7/23 東京・大田区総合体育館
【IBFミニマム級タイトルマッチ】
京口紘人(9位/ワタナベ)判定12R ホセ・アルグメド(メキシコ)

田口の防衛戦とダブルで行われた世界タイトルマッチ
プロデビューから、わずか1年3カ月の京口が世界王座を奪取。

実況で「最短」「最短」言うから、8戦目で最短?5戦目じゃないの?
…と首を傾げていたのだが、デビューからの年月の話なのね。

まだ「最短」争い、「最速」話題で売りたいんですか…。

~なんて私に言わしめた23歳のホープだったが、これが入場から実に
落ち着いていた。
試合が始まっても初回から堂々とした戦いぶりでしたよ。



初回序盤は京口の速いパンチに対応出来ない王者。
京口は相手の右をサイドに躱して左レバーを打ち込む「辰吉ゆずり」の
パンチを披露。
右ストレートも打ち込む順調な滑り出し。左アッパーが鋭角的だ!

一方のアルグメドは予想通り大振りのパンチを繰り出す。
時にバランスを崩すシーンもあったが、ラウンド終わりには挑戦者を
捉え始めた。

2回は王者が京口を読んできた感あり。
逆に京口は相手の癖あるボクシングを掴み切れない。

王者はラフなボクシング。頭も動くし、往年のビクトル・ラバナレスっ
ぽくもある。
京口は打撃戦に付き合い続ける事なく、ジャブを使い始めた。
カウンターがヒット。こちらも相手が掴めたか。

一方、王者は長いパンチを使い出す。ギクシャクしつつもボックス。
ただの乱打王ではない、引き出しの多さがある。

京口はパンチが届かないためか手数が減ってしまう。
中盤、揉み合いぶつかり合いありの展開も。
ワイルドに振ったアルグメドが身体を寄せて挑戦者の反撃を寸断し、
ペースを渡さない。

京口はイラついたかクリンチで側頭部を持っていく。
集中力が切れないか心配されたが、空振りしてバランス崩しても
突っ込んで王者をロープに詰めるなどズルさも見えた。
ラフファイトで動揺するほどウブじやないって事か(笑)。

なんか、辰吉vsラバナレスを思い出す試合になったが、京口の良い
トコロはガードが高い事と相手ペースの打撃戦に乗らない事。

辰吉は第一戦で打撃戦に巻き込まれてTKO負け、再戦ではボクシングを
展開して判定を呼び込んだ。

京口は辰吉vsラバ第二戦の試合展開を目指してるかのようだ。
しかも時おり強打を打ち込んでいる。

カウンターで左ボディーブローやジャブを突き刺す。
バッティングもあるが、第7Rには右アッパーをストマックにヒット!
背中が丸まった王者、効いている!

8回、王者は下がり気味だが、それでも手は出てる。京口はチャンスを
窺いつつ時おり強打。

9回には山場が訪れた。上下打ちが有効の中、京口の左フックで王者が
グラついた!再び左フックを顎に食らいロープにより掛かる王者。
京口の右ストレートが顔面に追撃され、アルグメドはダウン!

一度も倒れたことがないという王者が倒れた。
立ち上がったが効いている!京口の追撃で右手を着いたがレフェリーは
ダウンを取らない!
KO寸前のチャンスの中、このラウンド終了ゴングが鳴った。

一気にKO奪取の期待が高まった場内だったが王者もしぶとかった。
10回には序盤から前に出て先制。「退いたら倒される」と懸命な攻撃。

京口も打ち返して打撃戦になったが、王者の意地も凄い。
11回も王者はグラつく事なく応戦。「12回は両方頑張るから」と
この回でのKO奪取が期待されたが、京口も徹底した攻めがない。

最終回は両者ともセコンドに発破かけられて出たが、さすがに疲れた。
クリンチのシーンも度々あり、京口も足元が怪しい。
それでも最後、左フックをヒット。これでポイント取ったかという所で
最終ラウンド終了ゴング。

両手を上げて歓声に応えた田口、判定結果は116-111が二人、115-112の
ユナニマス・デシジョンで京口判定勝ち!

2~4ポイント差で挑戦者優位と思っていただけに妥当な採点と感じた。
最後まで上がっていたガードは、被弾を抑え、京口自身を守り、ここと
言う時の強打は相手にペースを渡さなかった。

これまた堂々の勝利。今後の防衛戦が楽しみだ。
一方アルグメドは4度目の防衛に失敗。高山勝成(仲里)から奪取した
王座だったが日本で手放す事になってしまった。
戦績は25戦20勝(12KO)4敗1分け。再戦があるかも知れない。

田口良一はバレラをTKOして防衛に成功

2017年07月23日 | ボクシング
7/23 東京・大田区総合体育館
【プロボクシング WBAライトフライ級タイトルマッチ】
王者・田口良一(ワタナベ)TKO9R ロベルト・バレラ(1位/コロンビア)

田口は3試合ぶりのKO勝ち。
WBO同級王者・田中恒成(22才/畑中)との統一戦へ前進した。

TV放送はテレビ東京。
ボクシングを盛り上げてくれる局だが、リポーターに亀田起用は勘弁して
欲しかった。
※彼に採点の私見とか言われてもさぁ…



国歌吹奏から流してくれたのは嬉しかった。
コロンビア国歌で「バレラ、音楽センス無さそう」と感じたし。

開始ゴング直後からバレラが攻めてきた。予想通りの展開。
しかし、今回の田口は受けに回らなかった!迎え撃ちつつラウンド終盤に
サウスポーにスイッチした挑戦者のレバーに左フックを打ち込み、ロープに
詰めて上下へ連打する好スタート。
挑戦者は腹が効いた様子で、バレラのハートが本物か試される予感。

2回序盤もバレラが打ち込んできたが、田口も左ボディーをヒット。
消耗戦に持ち込めるか、シビアな攻防が続く。

3回バレラがボックスを始めた。パンチを受けて鼻血を出した田口、少し
嫌なムードだったが終盤攻勢。
プレスを強めて再びロープ際へ追い込んだ。

4回も王者のプレスが有効。ラスト、左フック上下でバレラがクリンチ!
5回後半バレラがリズムボックス。

6回バレラはスイッチしてアウトボックス。
しかし、それを寸断する田口の攻勢、ラウンド終盤にはロープへ追い込み
ボディーブローを叩き込む。

バレラはサードロープに腰掛ける動きもあったが、これは弾力と反動を
利用した印象(これは畑山戦でロルシーも使っていた)、ダメージと
いうよりも省エネ目的だろう。
※見栄え悪いと思うが、ロルシーは大差で勝ったんだよな。

7回、田口は常にプレスを掛け続ける。追いながらジャブ、右ストレートも
放つので見栄えも良い。
終盤バレラが攻め返したが大勢は変わらず、挑戦者は消耗が目立つ。
倒せるぞ!

8回、さすがに田口疲れたか?手が出ない。
しかしラスト攻勢。ロープ際でボディー連打で完全に挑戦者はグロッギー。
バレラ諦めるか?

9回、王者は序盤から攻勢!ロープに詰めてラッシュ。
かろうじて打ち返していたバレラだったが、右を浴びで顔が上がった所で
レフェリーがストップした。

田口、堂々のTKO勝ち!

ガッツポーズでコーナーに戻り、勝ち名乗りを受ける田口。
試合後、テレ東さんは放送席にいた田中をリングに上げ、統一戦の機運を
盛り上げた。

9月に2度目の防衛戦を控える田中は防衛を誓い、統一戦でも「間違いなく
噛み合って面白い試合ができる」と応じた。

放送席のメンバーも田口の出来を称えた。
前回、相手のフットワークに苦しんで引き分けた反省から、序盤から攻めに
転じた事が有効だった。

勝因は、初回受けに回らず逆に攻勢に転じた事、自分のジャブを当てた事、
ラッシュの前にも手を出して追った事。

「自分は後半強い、相手は後半落ちる筈」なんて構えてたら、また接戦に
なっていただろう。

挑戦者は試合前の強気に反し、消耗してからはズルズル下がっていった。
※最後の方は半身のまま逃げてたし…

バレラの普段の顔は優しく、つぶらな目をしていたから、ピンチになったら
どうか…と思ったが、田口の強いハートには及ばなかった。

コンディションの出来不出来を内山高志に相談した事もあるという田口だが
「気にせず自分らしく行け」と励まされたという。
今回の快勝が大きな自信になった事でしょう。

※練習量豊富な選手なら、初回身体が重かろうと「ムリヤリにでも動いて
 ジャブ出せば」リズムが出来る事が多い。

ともあれ、田口チャンプと陣営の皆さん、快勝おめでとう!
ナイス・ファイトを有難う…です!