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曽根中生監督死去

2014年08月28日 | 生活
8月26日、「嗚呼!! 花の応援団」や多くの日活ロマンポルノ作品で
知られる映画監督の曽根中生さんが、肺炎のため大分県臼杵市の病院で
亡くなったとの事。76歳。

各webニュースによると
1962年に日活に入社した曽根さんは、日活がロマンポルノ路線に
転じたため、ロマンポルノ作品「色暦女浮世絵師」(1971年)で
監督デビュー。

その後、「天使のはらわた 赤い教室」(79年)など、多くのロマン
ポルノ作品で監督を務める一方、
「嗚呼!! 花の応援団」(76年)、「博多っ子純情」(78年)など
一般作品も手掛け、人気を得た。



いずれも青年漫画の映画化だが、特に「花の応援団」は原作の猥雑な
エネルギ-を見事に表現しており、映画館は超満員だった。
※立ち見で鑑賞した記憶あり

ドスの効いた関西弁で喋り、喚き、暴れる主人公=青田赤道。
まさに「クールジャパン」とは縁もゆかりもない「どおくまん」漫画。
下品、ゲス、バイオレンス、理不尽、場末のピンサロ的なエロ・・・と
雑多な魅力満載の作品でした。

名作として再評価される事は無いが
間違いなく一時代を築いた青年マンガで御座います。



映画も爆笑シーンの連発。
漢らしさにグッとくる場面もあり。

赤道が童貞喪失するシーンは、ちょっと叙情的なエロさだったし、
その相手(青田家の使用人=年増美人)が暇を出されたと知った赤道が
相手の名前を叫びながら道路を爆走するシーンは、切なさと笑いが
共存する稀有な場面でございました。

赤道を演じたのは全国からオーディションで選ばれた「素人」さん。
それゆえセリフや滑舌に未熟なトコロもあったが、それさえもが
映画に新鮮な魅力を与えているように感じられた。

(話題づくりのキャスティングだったのかも知れんが)
恐るべし日活。恐るべし曽根監督で御座います。

88年の作品を最後に映画界から忽然と姿を消した曽根監督、
借金や暴力団絡みのトラブルも噂されたが、晩年のインタビューで
「それはない」と一蹴され、「もうやり尽くしたと感じた」と語られたそうな。

映画界を去ってからは大分県で環境機械を開発されたり、独自の活動を
なさっていたとの事。

漫画ファンとしては、最高の映像化を成した映画監督として記憶に残ります。
曽根監督の御冥福を心よりお祈り致します。