2009年のプレミエから早くも再演。
前回はヴォツェックの子供(役名はマリーの子供のはず)を印象付けられたように記憶しているが今回の再演では、
演技は前回同様子役を感じさせないものであったが、
アイデンティティーの形成前といった感が強い。
幕切れは子供の「意志」の現れではなく遺伝子的影響・因果応報的に受取れた(音程が安定しないことも大いに関係しているだろう)。
タイトル・ロールのニグルは声や歌唱ではなく、精悍過ぎヴォツェックの「狂気」というより寝取られ夫の悲劇の感が強い。
その一方で、マリーが蓮葉な女の悲哀を力強く演じた。
ツィトコーワには声域的に少々きついのではないかと危惧していたのだが全く問題なし。
幅が広がるのはうれしいがお気に入りメゾが1人減ったような気もする。
テノール陣に若干の不満が残る。特に大尉は不調だったのか高域は殆どがか弱いファルセット。
ノイホルトは軽快にオケを捌いたように思う。オケも初日から好調。