荒川三歩

東京下町を自転車で散策しています。

小名木川駅前交差点と石田波郷―2

2021年09月10日 | 散文

やって来ました。砂町文化センター2階に在る「石田波郷記念館」です。

 

ここには石田波郷の生涯や作品、遺品等が展示されています。そして、中央の丸い柱には、彼の俳句と彼が撮った写真が展示されています。彼が生きた時代の砂町風景です。そこには庶民の暮らしがあります。「秋雨や減りに減りたる荷馬車馬」 「寒の水筏もろとも挽きやめず」 「河岸も狭に海苔網干せりうららかに」 「舟端にこぼるる酒や浜祭」 

「風もなく乗る渡舟なり猫柳」 「釣針打って六十年や今年竹」 「額髪に春の風の蓮根掘り」 「春の日や篭り燻る弘法灸」 「珠算塾横顔五十日脚伸ぶ」 「むしろすがし汗の少年ガラス工」等々

 

「手をついて絵馬あやまちし寒さかな」

 

そして、ここでも駅に出逢いました。「小名木川駅春の上潮曇るなり」

 

これも石田波郷の作品です。ここが前回紹介した現在のショッピングプラザでしょうか?

句集「惜命」は、図らずも同郷の先達正岡子規と同じく、闘病俳句の傑作と言われています。「今生は病む生なりき烏頭」

 

そしてやって来ました。小名木川駅が在った、現商業施設のすぐ傍です。

 

現在はカネセン商事の敷地です。

 

そして、何故かここに埋葬されなかった、住居跡の隣にある妙久寺の石碑です。

「繁縷や焦土の色の雀ども  波郷」 石田波郷の命日は「はこべら忌」と呼びます。


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