荒川三歩

東京下町を自転車で散策しています。

晩秋の「墓参ら~」ー8

2017年12月01日 | 散文
浄閑寺に来ました。
墓がひしめき合っています。都会の墓地らしいです。


こういう案内があると「墓参ら~」は助かります。


ここ浄閑寺は「投げ込み寺」と言われています。


こういう名文があると、「墓参ら~」は動けなくなってしまいます。
吉原から運ばれた無縁仏の境遇を思います。


秋の深まりの下で、娘を売った親の心情を思います。
そして、人買い業者の心情を思います。


この地蔵の下の納骨堂には、今も新しい骨壺が運ばれます。
先日風俗産業の黒服らしい男が線香をあげていました。
今も「投げ込み寺」なのです。


ここ浄閑寺には、吉原の遊女たちを文章に起こした、菊池寛の筆塚があります。


浄閑寺に埋まりたかった彼の名文があります。
こういうのがあると、「墓参ら~」は佇みます。


山谷の身寄りの無い労働者の心の安らぎ為の「ひまわり地蔵」があります。
こういうのを見ると、「墓参ら~」は帰れなくなります。


いつの間にか初冬の冷え込みです。




このシリーズを終わります。
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晩秋の「墓参ら~」ー7

2017年12月01日 | 散文
西日に照らされた大龍寺に来ました。


正岡子規の墓がある寺です。


墓地の入り口に板谷波山の墓があります。
人間国宝の作陶家です。
名作を脳裏に浮かべます。


今日は随分西日に照らされています。


眩しいでしょう?


「墓参ら~」らしく、彼の生きた時代を思います。
彼を取り巻く人を思います。


彼を支えた人を思います。
母と妹の苦労を思います。


彼の業績と無念を思います。


暫く佇みます。
夕暮れの中で正岡子規と対話します。


この話、続きます。
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