『パパ、だ~いスキ』と言われたパパの映画日記

こどもが二人とも小学生になったけど、「パパだ~いスキ!」と言われてる間は、タイトルを変えませんが。

「太陽」 イッセー尾形に1票!

2006年11月24日 | 映画
病人や障害者を演じるとアカデミー賞を獲りやすいとは、レイ・ミランドの「失われた週末」の頃から言われてきた定説のようですが、最近は実在する人物をそっくりに演じることが賞を獲る近道のようですな。
「カポーティ」でトルーマン・カポーティを演じたシーモア・ホフマン。
「Ray/レイ」でレイ・チャールズを演じたジェイミー・フォックス。
「アビエイター」でキャサリン・ヘップバーンを演じたケイト・ブランシェット。
「めぐりあう時間」でヴァージニア・ウルフを演じたニコール・キッドマン。
ちょっと遡ってもこんだけある。

人間観察芸がライフワークのイッセー・尾形が演じた昭和天皇は、私たちが主に知っている園遊会や正月の一般参賀でのそれやった。
「あっ、そう」と言いながら口をもごもごさせ、口元のシワ一本に全神経をとがらせた演技は、彼だからこそ見出せた天皇演技のポイントでしょうな。
おそらく国内では正当な評価を受けそうにないやろけど。
この芸も、今後、世にでることはなく、このフィルム一代限りの封印ネタになりそう。

平家蟹のこととなるとオタク化する天皇。
子供の写真にチューする天皇。
桃井かおり扮する皇后にやっとあえて、ちょっといちゃつく天皇。
天皇が神ではないなんて、十分すぎるどころか、むしろカワイイお人とさえ思ってしまう。
米軍兵士とバラの植え込みで撮影会をするのに、本人が出てきても誰も気づいてくれず、しまいには「チャ~リ~」とまで呼ばれてしまう、本当にあったかなかったかエピソードもいいですが、
皇后との、「あっ、そう」「そう!そう!SAW!」とやりあうとこは、夫婦というもんは、長年連れ添うと色々似てくるという最近発見した法則どうりで、やっぱ人間ですな。

それにしても、この映画の上映映画館は、ようわかりません。
大阪市内は、藤田まことの「梅田ぁ~離れてぇ~ 中津を過ぎぃりゃ~ 夢にまで見たぁ 十三よぉ~ じゅう~そぉ~~~の ねぇ~ちゃ~ん 」でおなじみ、十三のミニシアターでのみ。
だいぶ遅れて岸和田とか六甲とか中心地とは離れたシネコンで。
街宣車を避けてるんでしょうか。
こないだ、もうロードショー公開が終わったと思ってた、素晴らしすぎて見る気のしないアニメ『永遠の法』が舞鶴とか草津でやるということを宣伝する奇天烈な新聞広告を見かけましたが、お金さえだせば「近未来通信」でも「平成電電」でも広告出しよるからな~。
朝日新聞は。


★★★1/2