『パパ、だ~いスキ』と言われたパパの映画日記

こどもが二人とも小学生になったけど、「パパだ~いスキ!」と言われてる間は、タイトルを変えませんが。

「トンマッコルへようこそ」 観客動員1位は信用できるか?

2006年11月20日 | 映画
2005年の韓国観客動員№.1の映画(2位は『マラソン』で、『クムジャさん』は4位)である。
ただし、『グエムル-漢江の怪物-』(2006年1位)が、韓国内全スクリーン数の 3分の1にあたる640スクリーンで公開されたのに対し、キム・ギドク監督の新作『時間』が、わずか12スクリーンで公開されたことに腹をたてたキム・ギドク監督が「韓国映画と観客のレベルが最頂点に一致した映画が『グエムル-漢江の怪物-』だ」という嫌味を言われてしまう観客たちであるが。
2004年は、1位『ブラザーフッド』。
2003年は、1位『シルミド』、2位『殺人の追憶』、3位『オールドボーイ』。
2002年1位は未公開作なんでおいといて、
2001年は、1位『チング』、3位、『猟奇的な彼女』。
2000年は、1位『JSA』。
1999年は、1位『シュリ』。
ん!?韓国国民わりと見る目、確かやんか!!
ギドクさん。
藤田(鬼平)監督に叱られた新庄剛志みたいに、「監督やめる」なんて言わんと続けなさいよ。
「シンジラレナ~イ」こと、起こるかもよ?

監督はCM出身の人で、イノシシの襲撃シーンは、まんまトヨエツと山崎努が卓球をするサッポロ黒ラベルやった。
とうもろこし(爆裂種)を置いといた倉庫が爆発して、ポップコーンになって降るシーンも実にCM的。
子供の笑い声と楽しそうに遊んでる風景で、トンマッコルが居心地のよいとこだと瞬時に思わせるとこもなんかCMっぽい。
最初の北朝鮮軍の戦闘シーンも、後の通常の戦闘シーンとは違う撮り方やった。

それより監督がスタジオに訪問するほどのジブリ好きだというとこの方が重要ですな。
先のイノシシのシーンも、『もののけ姫』のタタリ神の憑いたシシのような巨大さで、
村に点在する地蔵も『もののけ姫』のコダマのよう。
『火垂の墓』の空襲シーンのような爆弾落下のシーンもあり、
ラストの、「ヘルメットに蝶」は、『風の谷のナウシカ』のエンドクレジット後のカット「腐海の中、ナウシカ帽子のそばで伸びる芽」とそっくりでした。
さすがに、「おわり」の文字まではでませんでしたが。
ジブリ映画とTAKESHI映画で気づきにくかったけど、久石譲サウンドは映画の印象を2割増する効果がるということもあらためて気づかされました。

ラストの方は、『七人の侍』における勝四郎(木村功)になるヤツが、一体誰になるか興味深かったですが、ちょっと残念です。
先ほど、ラストと申し上げましたが、ラストのラストには、韓国映画の伝統技「実はあの時、こうしてましてん」が炸裂してました。
そのまたラスト要するにラストクレジットにまでおたのしみ映像がありました。
サービス精神豊富な映画です。

『王の男』(2006年2位)、どないしよかな~?

★★★