京都楽蜂庵日記

ミニ里山の観察記録

マスクの効用についてーWHOは頭が悪いのかそれとも何か裏があるのか?

2020年03月04日 | 環境と健康

 

(写真は福井新聞on-lineより)

 マスクは依然品薄で店頭にみかけない。毎日使い捨てにするからそうなるのである。庵主は一度使用したマスクは水洗いして、洗剤を溶かした温水に一晩浸けた後、さらによく水洗いし干して再利用している。洗剤は強力な界面活性剤なので細菌、カビ、ウィルスなどは、ほぼ100%死滅する。それでも気になる人はアルコールを表面にスプレーした後、乾かして使用すればよい。化繊でできた不織布のマスクは、破れないかぎり何度でも使用できる。マスクを使い捨てにせよというのは、そもそも地球にやさしくない。

  WHOは2月27日マスク使用に関する指針を発表し、またまた「マスクの利用は推奨しない」と主張した。マスクは新型コロナウィルス (SARS-CoV-2)を含めた感染症に対する予防効果があるという証拠はなく、むしろ手洗いを勧めている。

WHOは前からこのバカバカしいコメントを繰りかえしている。それに対する庵主の反論(?)は前のブログ記事(2月6日付「マスクより手洗い」とは: WHOのわけの分からないコメント)でも述べた。何回もこんな事を主張するのは、WHOは相当に頭が悪いのか、それとも裏に何かあるのだろうか?

 マスクは効果がないといっているが、インフルエンザの感染率が約1/10(データーは統計的に有意)になったという報告がある(滝澤, 2010参照)。ただ交絡要因(手洗いなど他の衛生行動)の問題もあって、マスク着用だけでそのような効果があったと判定はできていない。いずれにせよ、感染予防のためにはマスクも手洗いも励行すればよろしかろうということになる。コストや時間はほとんどかからない。

さらに、マスク着用がSARSウィルスの感染の軽減に効果あることがメタアナリス研究で示されている(同上)。SARSはSARS-CoV-2と類縁関係のあるウィルスである。これはCOVID-19感染予防のための重要な知見である。

 今冬の季節性インフルエンザの罹患率については、昨12月中は例年よりも多くて記録的な蔓延が予想されていた。ところが1月に入ってから例年の感染ピークはみられず、この十年で最低の感染者数であったといわれる。これは暖冬のせいだとか、今年の予防ワクチンは例年になくよく効くせいだとか言うアホな人がいるが、COVID-19に備えて市民がマスクを着用するなどの衛生活動を一斉にとったためである。近所の町医者もこの季節の例年に比べると患者の数はかなり少ない。幸か不幸か町医者もCOVID-19のために経済的な打撃をうけているようだ。

 マスク不要とするWHOの理由の一つに、医療従事者におけるマスク不足をあげている。ここで、まさにWHOの頭の悪さ(非論理性)が露呈されている。マスクが感染防止に役立たないとするのなら、医者がマスクをしても何の役にも立たないじゃないか?まったく矛盾した話である。

 中国では政府が市民にマスクの着用を義務づけているようである。車内にマスクをつけていない客がいると、マスクをつけた他の乗客が取り囲んで非難するような光景が放映されていた。これは不顕感染者が、ウイルスを周りにまき散らすのを恐れているためである。中国では以前のSARSの騒動でこりて、これの防止研究を行ってきたはずである。マスクに効果ありというのも、そういった経験にもとずく知恵であろうと思う。

 約10年ほど前、新型インフルエンザが世界的に流行したころ、たまたまヨーロッパを旅行した。日本では今ほどではなかったが、町で多くの人がマスクをして歩いていた。ところが、かなりの患者が発生しているのに向こうの国では、マスクをして歩いている人はほとんど皆無であった。旅行会社の現地添乗員の話では、ヨーロッパではマスクは重病の人がするものという考えがあり、予防のためにする人はいないそうだ。これが顔を隠すのが平気な文化とそうでない文化の違いのせいなのかどうか分からないが、それぞれで「実験」を行っているような状況である。おそらくヨーロッパ諸国や米国ではWHOの「マスク不要」の「フェイク情報」に従ってマスク着用をしないであろう。COVID-19感染に関する今後の比較疫学調査に興味がもたれる。

 

 

参考文献

滝澤毅「マスク着用にインフルエンザ予防のエビデンスはあるか?ーEMBによる検討」千葉科学大学紀要,3,149-160,2010

 

追記1(2020/05/14)

WHOを巡る中国と米国の政治的駆け引きはCOVID-19パンデミックの対応に暗い影を落としている。すくなくとも人の健康と命に関しては、差別や区別があってはならないはずだ。台湾はWHOに加入さすべきである。

村中璃子 『WHOはなぜ中国の味方なのか』文芸春秋 6月号 2020

 

追記2(2020/06/08)

WHOはついに、一般市民が布製を含むマスクの着用を推薦するように、各国政府に求めた。感染拡大を効果的に進めるための改定としている。人が密集した環境という条件付きながら、感染や症状の有無を問わず対象を拡大した(2020/06/07京都新聞朝刊7面)。やはり相当、頭が悪く判断力が無い集団である。

 

 

     

  

 

 

 

 

 

 

 


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