京都楽蜂庵日記

ミニ里山の観察記録

カワウ(川鵜)とサギ(鷺)と囲碁

2019年12月08日 | ミニ里山記録
 
カワウ (Phalacrocorax carbo). ペリカン目ウ科。大きな黒い水鳥で木の上に集団で巣をつくる。くちばしの先はかぎ状で、足は全蹼の水かきを持つ。群れで溜まる場所をいくつか持っており、そこで休息と睡眠をとる。夜明けには採餌のために隊列を組んで餌場に向かい、夕方になると再びねぐらに戻る。白いほうの鳥は小鷺か中鷺か?。宇治市の宇治橋「三の間」付近で撮影した風景である。

漢字の「烏鷺(うろ)」(カラスとサギ)は黒石と白石を使う囲碁の事を意味する。野外ではカラスとサギが集まる光景がよく見られる。さらにカラスとウとサギの三者が集まっている写真もある(すなわち烏鵜鷺ウウロ)。相手の色が反対でも黒と白の鳥が集まるのは何か適応的な意味があるのだろうか?

囲碁といえば庵主もへぼ碁をよく打つ。棋風は無謀な攻め型で最後には足下をすくわれて惨敗するケースが多い。勝負の結果よりも、一局で納得できる合理的な手が1手でも打てればよしとする(それで勝てたときは一番嬉しい)。

最近は若者が囲碁を打たないので囲碁人口は減少の一途だそうだ。電車に乗るとスマホ片手にゲームをしている若者が多いが、囲碁は古くしんきくさいと感じるらしい。しかし、これは思考力を養うのにはよい。元参議院議員の藁科満治さんはアマの高段者であるが、その効用について次のように述べておられる。一部変えて紹介する。

脳を使うので思考力が付く。
構想力、集中力、瞬発力が養成される。
勝てばストレス解消になり負けても反省力が身に付く。
礼儀に始まり礼儀に終わるので作法が身に付く。
高齢者のボケ防止に役立つ。
手談といって言葉の通じない外人とでも楽しむ事ができる。
囲碁を通じて人間関係を継続できる。
 
まことに、いいことずくめであります。

最後に囲碁十訓(唐代の囲碁名人伝)も転記しておく。
不得貪勝(貪って勝とうとしてはいけない)
入界宜緩(敵の勢力圏では緩やかにすべし)
攻彼顧我(攻める時には自分を顧みよ)
棄子争先(石を捨てて先手を取れ)
捨小就大(小を捨て大を取れ)
逢危須棄(危険になれば捨てるべし)
慎勿軽速(足早になりすぎるのは慎め)
動須相応(敵の動きに応じるべし)
彼強自保(敵が強ければ自らを安全にすべし)
勢孤取和(孤立している時には穏やかにすべし)
 
このように打てれば、今頃は自分も高段者のはずだが、残念ながらそうはなっていない。

参考図書
藁科満治 『囲碁文化の魅力と効用』 日本評論社 2008


 
 
 
 
 
 
 
 
コメント
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