福岡大宰府にやってきた。別に受検する訳でもないが今の時期大学受験の願掛けで学生が
やってくる。学問の神様、菅原道真ゆかりの神社だ。小生も知人の受検生の為にお守りを
買ったのだが。先ずはイイ湯への出会いを祈願する。これから四国、中国と湯めぐりの旅。
社格:官幣中社 祭神:菅原道真 社紋:梅花 指定:国宝(翰苑 巻第三十)、重要文化財(本殿 他)
参照#大宰府駅 (福岡県太宰府市)
親子が通る。温泉街であることを感じる光景だ。こんな時間、母娘の浴衣が眩しい。
日本の情景を発見。此処は湯の街、粟津温泉名湯の里。(北陸湯めぐり完)
良い温泉地は自ずと風情ある湯の街景観を呈する。この粟津温泉はスッカリ近代
的な町並みだが、しかし発見!『温泉スーパー』なんともダイレクトな店名に納得。
映像:粟津温泉の中心的施設共同浴場『総湯』
粟津温泉は旅館8軒の小さな温泉地、各旅館が自家掘りの源泉を持ち。保養、湯治で栄え
た温泉街も、山代や山中、片山津の拡大の開発の波に呑まれ鉄筋のホテルなど、温泉街
の風貌は一変。唯一、旅館「法師」や共同浴場『総湯』が当時の面影を残す。
歴史:開湯1300年とされる歴史の古い湯で、旅館「法師」は、開湯とほぼ同じ歴史を誇る
(世界最古の宿泊施設ギネスブック掲載)だけあって、今も木造旅館の姿が保存、健在。
泉質:芒硝泉
平成24年4月21日、片山津温泉総湯は場所を変え建物も一新、名称も「街湯」
( ⇩ 過去の記録)
映像:一階大浴場、ここは2階高等湯と異なり、広く地元民も多い。
片山津温泉の中心部に位置し、地域民の憩いの場所。北陸地方の特色である浴室の
さりげない装飾が一層湯情を醸し出す。もう一つの特色は観光客、外来客に親切だ
ということ。とかく、地域湯は常連の方が気難しいものだが此処では優しく迎える。
【Data】含塩化土類-食塩泉 72.5℃ pH6.6 源泉:片山津2号
映像:孫六温泉石ノ湯露天風呂に浸かる旅人。都会の喧騒から開放された瞬間(2007.12.9)
大釜温泉を過ぎて右に間道を暫らく走り途中車を降り、5分程歩くと突き当たるのが孫六
温泉。先達川上流沿いに湯小屋が点在。雪深い乳頭山中の出湯。勿論、自家発電、湯面に
朧な電灯が揺れ耳を澄ませば就寝前の山鳥が忙しげに鳴き交わす。静寂の秘湯に無心入浴。
【Data】単純硫化水素泉 46℃ PH7.1 源泉:石の湯
廃校を移築して温泉旅館とした特徴。しかし、外見もいいがこの内湯、露天風呂が叉良い。
お隣の妙乃湯とは対照的な湯趣だ。乳頭山、秋田駒ケ岳を縦走した後の山男の立ち寄り湯
でもある。大らかな名物女将、今日も話がツイ弾む。同行の新隊員の勤務先の大先輩だと
言うのだから驚きだ!此処の飾り気のない湯船に浸かって目を閉じると夢我湯中の境地
【Data】含酸性・含鉄ー明礬泉 94.7℃ PH2.5 890ℓ/分 源泉名:大釜温泉
女将が元インテリアコーディネーターの洗練された都会的センスで荒々しい先達川の景観
を基に創られた『おもてなし&癒し』の空間は若い女性に人気。露天風呂では乳頭山地の
冬景色が楽しめる本格派。それに上質の2種類(金の湯・銀の湯)の泉質の湯船。ここは
大人の寛ぎの空間だ。『乳頭温泉郷温泉塾』では代表取締女将と面談。この方と一緒に
秋田県での温泉フォーラムを更に進めたいと思うのだった。今度は田沢湖畔に集合かも
【Data】①「金の湯」含土類ー石膏泉 56.3℃ PH2.9 源泉:金の湯
②「銀の湯」単純温泉 41.9℃ PH6.6 源泉:銀の湯
自らも企画に加わった温泉本を示しながら日本温泉地域学会が選定した北日本の『日本
温泉地域資産』を解説する温泉地活性化研究会代表(画面右)。温泉は地球の素敵な贈
り物である事。徹底した取材により、選りすぐった映像で温泉の不思議・感動を伝える。
北東北三県温泉地の感動的な「温泉塾」が開催された。三県の温泉愛好家、温泉関係者が
集合した温泉地は人気の乳頭温泉郷。この温泉郷で『温泉塾(こちら参照クリック)』
を開催したいとの夢が実現した。本陣宿鶴の湯ご主人、「金の湯・銀の湯」妙の湯女将、
源泉・森林浴の休暇村田沢湖高原支配人、水沢温泉郷の方々、JR東日本田沢湖駅の駅長
さん、観光タクシーの運転手さん、温泉好きのメディアの方、医療関係の方、温泉愛好
家の方、そして前回の温泉検定の各県代表者・・・・30数名で会場がいっぱいだった。
何よりも驚いたのは、県外県内問わず多くの方々が会場の『休暇村田沢湖高原』に宿泊
参加した事だ。様々なイベントもよいが、温泉の知識を学習するメニューも集客・サー
ビス効果がある事が示された。この様な『温泉塾参加ツアー』の可能性も今後探りたい。
『 乳頭温泉郷 in 温泉塾 』は見事に成功した。この企画に賛同、協力した岩手県、秋田県
青森県の多くの方々に感謝と御礼を申し上げます《2007.12.9:温泉地活性化研究会代表》。
福井県からまた石川県に戻る。目標は片山津温泉。この温泉は柴山潟南岸で発見。往時
の利用者は湖水との分離に労力を重ね、明治に入り、本格的な北陸の温泉地として隆盛
時期もあったが、温泉ホテルは厳しい経営だ。旅館、ホテル14件ほどで温泉街を形成。
泉質:ナトリウム・カルシウム塩化物泉、73℃、445ℓ/毎分、適応症:創傷、火傷等
映像:温泉公衆浴場(公営)セントピアあわら地の湯
明治16年、灌漑用水を掘っていた農夫が偶然見つけた。温泉街は近代的なホテルや老舗
旅館が多く建ち並び、やはり田んぼの温泉地、普通の平地に施設がポツリポツリとあり、
此れまでの北陸の名湯とは雰囲気がやや違う。永平寺参りの前後、清めの湯として共同
浴場に浸かるも良いだろう。
【Data】含塩化土類ー食塩泉 44.3℃ PH7.6 源泉:芦原温泉 泉井番号 第28号
僧堂、東司と共に三黙道場の一つ。この戒律の里に有っては入浴さえ
重要な修行の一つとなる。跋陀婆羅菩薩に三拝し開浴の褐を唱え身も
心も清浄。温泉探査人としてはこの入浴法もいつか果たしたいものだ。
出来るかな…今日はこれ以上の突撃は許されなかったので断念した。
【Data】霊泉 適温 PH6~7 源泉:白山湧水
水により悟りを開いたといわれる跋陀婆羅菩薩(ばつだばらぼさつ)が
祀られている。三黙道場(僧堂.東司、浴室)のひとつで、修行僧は入
浴中も私語が禁じられています。筆者は俗界人なので立ち入りできない
禅僧修行の場の中心的場所。この本堂で禅僧の祈りが最高潮となる。開祖道元は比叡山
延暦寺で修行したが強い疑問があり、やがて宋の国、如浄禅(1163-1228)に入門、如浄
の法を嗣ぐことを許され、4年あまりの滞在を終えて帰国。「只管打坐」はその教え、影響。
宗派:曹洞宗 寺格:大本山 本尊:釈迦如来、阿弥陀如来、弥勒仏
今回、永平寺の訪問は二つの目的がある。一つは修行僧の湯殿を観察すること。もう一つ
は放浪の歌人・種田山頭火が永平寺に立ち寄り歌った俳句の「甍」を確認すること。深閑
とした杉木立の中に永平寺伽藍の「甍」群を筆者も確認した。修行の現場が迎えてくれた。
「 てふてふ ひらひら いらかをこえた 」(種田山頭火)
俳人種田山頭火も屹度、心では修行僧になり、蝶々のように永平寺境内を眺めたのだろう