お湯の国 日本

美しい日本の温泉地中心の旅記録(おんせん鑑定士:監修) 【記事・映像は著作権、人権保護法等により無断使用を禁じます】

ひかり苔(知床半島)

2006年09月28日 | 🌏世界遺産日本紀行

武田泰淳の代表作『ひかりごけ』の舞台となった知床東端にある北海道指定天然記念物、
ひかり苔は自家発光ではない、明りを浴びて光る。もうすっかり暗くなって誰も居ない
闇の洞窟は、明るい時に来たのとは違う、なんともいえない、底知れない怖さがあった。

人肉を喰う粗筋が脳裡をよぎり更に恐怖は倍増する。小説の至る所にマッカウス洞窟
群生する「ひかり苔」の妖光が描かれている。元となった食人事件はここが冬季極限の
世界である事を認識させられる。こわごわとカメラのフラッシュを焚いたのが上の映像。
怪しく光る黄金色。闇の中に人魂なんぞなかった。神秘の輝きは目の前で一瞬に消えた。

コメント