《かえる食堂》の、かえる、という響きの可愛さに惹かれて、つい買っちゃいました。
“料理の下手な人ほど料理の本を持ってる”と、後輩があるとき言ったのですが、わたしはさしずめその典型的タイプでして、けっこうな冊数の料理本を持っているのです。
この本を読んでいたら母が「ねえ」と言うので、てっきり“いったい何冊買えば気が済むんじゃい!”と怒られるものと思いましたが、母が言った言葉は、「あんた、お弁当持つようにしたらいいんじゃない?」というものでした。
うーむ、たしかにその方がヘルシーだし便利かもね……とも思いましたが、なかなか踏み切れないですね
私が自分でよくお弁当を作っていった時期は2回あって、まず最近では前の職場に通っていたとき。コンビニも、食事できるお店も遠かったんです。
もう1回はもうずっと前で、専門学校生の時ですね。本屋のバイトを土日祝、夏と冬の休みにやっていて、勤務は開店(準備)から4時までだったのでお弁当持ちでした。
自分が食べるためのお弁当づくりというのは、面倒なのをのぞけば非常に気楽なもの(なにしろ文句を言われない)で、作るのは別に嫌ではありませんでした。
ただ、若い頃って、作るメニューが今と違うんですよね。よく、クレープ弁当とか持っていってました。クレープでくるむ具は、ハム・チーズ・ケチャップとか、ツナマヨ・玉ねぎ・レタスなどでした。
前の夜に生地を混ぜて、一晩ねかして朝焼くわけですね。今は、絶対そんな面倒なことしないそれに、そもそもクレープ自体がおばちゃんには似合わない。
女の子のお弁当、ってあるんだな、と思いました。
ところでこの本のなかのレシピでは、私はごくありきたりな人間なので、作りたいと思ったのはスタンダードな“シャケ弁当”とかおむすびとゆで卵の“夜食のお弁当”などでしたが、ちょっとハッとしたのが“雪の日のお弁当”。
じゃがいもと長ねぎのドリアのお弁当なのですが、雪に合わせて、白いお弁当なのですね。
あ、ちょっといいなぁ、食で季節を感じるのって日本人ならではだよね、などと、無粋な私がちょっと思いました。
凝り過ぎていない、名前と同じく可愛いお弁当の本です。