皮膚の下の頭蓋骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 129‐2)) 価格:¥ 1,029(税込) 発売日:1987-10 |
以前あるひとが今P.D.ジェイムスを読んでいる、と言っていたので、これかしらと思ってはっとしたことがあります。
なぜはっとしたかといいますと、この作品、私の“後味の悪いミステリベスト10”には必ずランクインするであろう作品だったから。
けれど、この作品が嫌いか、というとそうではない。舞台もムードも、内容も、けなげな女性探偵コーデリアも、みんなイイですよね。
(そういえば、私の後味悪いミステリは、他に『火刑法廷』『ヒルダよ眠れ』『レッドドラゴン』『血まみれの月』『ロウフィールド館の惨劇』『北イタリア物語』等々ありますが、けっこう名作率高い気がする……)
ただ、あんまり書くとネタを割っちゃうけど、これって正義が勝たないミステリなんですよね……(T_T)
けど、もし誰かに、「夏に読むのにに合うミステリってある?」と聞かれたら、これって必ず挙げるかもな……、とも思いました。
とりあえず、孤島だの高原だのリゾート地だのが舞台だったら、まずは夏向きですよね。
アガサ・クリスティーの諸作品、とくに『ナイル殺人事件』なんて私の中では定番。『はなれわざ』なんかも同タイプでしょうか。
あと、日本の青春系新本格(?)『月光ゲーム』とか『十角館の殺人』とか。
そのものずばりの『夏季限定トロピカルパフェ事件』なんかも、若い人には、いいかも。
そして、とくに夏と関係ないのですが、私二十歳くらいのころは、夏の暑い時期にあえてややこしいミステリを読むのが好きでした。
『虚無への供物』と『函の中の失楽』を続けて読んだりとか。
推理が二転、三転して、いいかげんにせぇ!と突っ込みたくなる『キドリントンから消えた娘』なんかも、読んだのは夏だった気がする。
今はテーマを決めて本を読んだりする余裕があんまり無くなっちゃったけれど、ちょっとまたやってみたくなりました。