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Studies about acupuncture and moxibustion and Massage.

腰痛と経絡弁証(1)

2012-09-26 | 経絡弁証
 『中医臨床』で少し論じた部分を補足する。

 腰痛について、現代中医学は単純化しすぎていると感じる。『黄帝内経素問・刺腰痛論篇第四十一』をベースにして再構築する必要がある。
 
 例えば、自分の経験でも、足陽明胃経の兌や足少陽胆経の陽陵泉や足竅陰で治った腰痛がある。手少陰心経の少海で治った症例もある。陰維脈の築賓や陽きょう脈の申脈で治った症例もある。十二井穴を用いた根結療法を用いると、太敦で改善する腰痛もあった。

(1)足太陽膀胱経
【古典における足太陽膀胱経と腰痛】
「足太陽膀胱経が腰痛を起こすと、項背から脊柱、殿部にかけて重くなる。足太陽膀胱経のゲキを刺す。もし春なら瀉血してはいけない
(足太陽脈令人腰痛,引項脊尻背如重狀,刺其卻中。太陽正經出血,春無見血。)」
『黄帝内経素問・刺腰痛論篇第四十一』

※上記の『刺腰痛論篇』のゲキとは、委中であるとの王冰の注釈がある。

「外邪が本経を犯して起こる病気として、気が上衝して頭痛し、眼球は抜けるようであり、項は抜けるように痛み、脊柱が痛み腰は折れそうに痛み、大腿部は屈伸できなくなり、ふくらはぎは避けるように痛む。これは踝厥である。
 筋によって生じる病は痔、瘧、精神病、頭痛、目黄、涙が出る、鼻血、そして項や背中腰や尻や膝窩やふくらはぎや脚が全て痛み、小指が使えないというものである(是動則病。衝頭痛、目似脱、項似抜、脊痛、腰似折、髀不可以曲、膕如結、足耑如裂。是為踝厥。是主筋所生病者。痔、瘧、狂、癲疾、頭シン項痛、目黄、涙出、鼻衄、項,背,腰,尻,膕,脚皆痛、小指不用。)」
『霊枢・経脈篇第十』

「足太陽の別絡は名前を飛揚という。外果から7寸に起こり、わかれて少陰腎経に走る。実すれば鼻がつまり、頭や背中の痛みとなり、虚すれば鼻血となる(足太陽之別。名曰飛揚。去踝七寸、別走少陰。実則鼻窒、頭背痛、虚則鼻衄。取之所別也)」
『霊枢・経脈篇第十』

「足太陽経筋に発生する病は小指がひきつり、踵が腫れて痛む。膝窩がひきつる。脊柱がそりかえって痛む。項部がひきつる、肩が挙がらない、腋から欠盆にかけてひきつり痛み、左右にゆらすことができない。(其病、小指支、跟腫痛、膕攣、脊反折、項筋急、肩不挙、腋支、欠盆中紐痛、不可左右揺)」
『霊枢・経筋篇第十三』

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