朱の徒然

変形性股関節症の76歳

帚木 蓬生の読書会   「短編工場」 (集英社文庫編集部編)

2015年07月04日 | 日記

 「小説すばる」の創刊25周年を記念して編まれた12名の現代作家の短編集。

 読書会での注目は「ここが青山」(奥田英朗56歳)でしたが、それぞれ、なにを呑気なとか、こんな失業生活もありかなとか意見は様々。

 私は、この作品で初めて「人間到る処青山在り」(じんかんいたるところせいざんあり)の本当の意味を知りました。    人間は世の中で、青山は墓場ですってさ。

 調べてみたら、幕末の僧の詩 「男児志を立て郷関を出でず、学若し成る無くんば復た還らず、骨を埋むる何ぞ墳墓の地を期せん、人間至る処青山あり」から採ったのですって。 中国の漢文かと思っていたわ。

 

 「金鵄のもとに」(浅田次郎64歳)は、この作品集の中では異色でした。

 私たちの年代では、戦後に物乞いする白衣の傷痍軍人を見かけるのは、普通の光景でした。 いつ頃から、祭りなんかでも見かけなくなったのかねという話になりましたが、やっぱり昭和30年代でしょうか? 

 それを戦後生まれの作家が書いていることがすごい。それも2002年に「小説すばる」に・・。書かれた話が架空の小説と若者に思われることを恐れます。軍隊は皇軍で、金鵄勲章をもらうことが、戦の励みだったんですね。

            1947年5月3日に「日本国憲法」が施行され、金鵄勲章は廃止。

 

 2か月ぶりの会合でしたので、読書会というよりも、互いの自分話で盛り上がりました。

 71歳の方は、74歳のご主人とPET(陽電子放射断層撮影装置)で、臓器の血流や代謝を測定し、癌などの病気の診断をする検査を受けたと。 結果は二人ともOK。一人12万円の健康安心料。現代医学はすごいですね。

  ひとしきり、それぞれの身体話をした後で、次は 新聞の人生相談の切り抜きから・・。

  60代の主婦。友達がいなくてさびしいと相談したら、美輪明宏のずばり回答。

 いろんなことを全部受け入れてくれる「悩みのごみ箱」みたいな人は、この世に存在しません。夫がいて、目が見え、耳も聞こえ、歩くことができる。それなのに感謝が足りない。幸せの数を数えなさい。と・・。やっぱ、美輪明宏は、すごい!いいね!と、皆で笑い合って 切り抜きを読みました。

 この話で、それぞれ自分の場合の友達の作り方・・。といった具合に、自分に転化しても話し合いました。小説よりもより身近な事として、盛り上がれるので、人生相談でも仲間づくり、友達作りは出来るのでは?頑張れ!同世代って感じ・・。

 私にとっては、人生相談は、超短編小説です。ずばり面白い。生き方の参考になります。    

沖縄土産のクリップ。おしゃれね。    初めて夫が晩御飯を作って待っててくれました。

         

  術後に慰めてくれた蘭ちゃんが、また咲いてくれました。みんなにありがとうです!

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