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きのねの本音

染色や木彫り そして気の合う仲間たち
大好きなものに囲まれ シニアライフを楽しんでいます
時には 愚痴や本音もポロリ

2012-12-01 10:33:33 | 田舎日記

 

母が亡くなって、もう10年が過ぎた。
一人残った父は、母の衣類や持ち物を、きれいに整理して
全部残している。

でも、そろそろ処分しようか、と言うことになった。

衣装箱やタンスに、ぎっしり詰め込まれた衣類を見ると、
おしゃれだった母の
衣装道楽ぶりが窺える。
大して高価な服はないが、面白い服が出て来た。

年老いてからは、体も小さくなり、既製服では袖も着丈も
長かったようで、

袖口や裾を折り返し、手縫いで手直しがしてあった。
首は、大きく開きすぎるのを嫌い、
襟ぐりにゴムを通していたり、付け襟がしてあったり、フリルが付けられていたりと工夫がされている。
人一倍寒がりだった母のズボンや服は、丁寧に裏打ちがされている。
ズボンには、下着のズボン下が裏から重ねて縫いつけられているし、
服は背中や肩に、別布の当て布がされている。
80歳前の母の、そのユニークな発想には感服する。
それらを1つ1つ広げては、懐かしがったり、可笑しがったり、
そして、これを着ていた姿を思っては涙してしまう。

「お母さん ごめんね。もう片付けるね」
心の中で謝りながら、ゴミ袋の中に詰めた。

プレゼントしたのは何時だったか、母にプレゼントしたコートが出て来た。
今、私が袖を通しても可笑しくない。
私もいつの間にか、これをプレゼントした時の母の年齢に近づいたという事なのか・・・・

和ダンスの中にも、着物が好きだった母の着物がたくさん残っている。
私の入学式や卒業式、参観日など、大事な行事の日には、
いつも着物姿だった。

それは、いつも粗末な服の母が一変して、子供の目にもきれいな母に
なったようで嬉しかった。

この着物は、そんな思い出と一緒にリフォームしたい。
私のこの先の、大きな目標が出来た。

 

 

 

コメント
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