1945年8月18日未明。
ソ連軍8千が海峡を渡り、千島北端の占守島に来襲した。
戦争は、3日前の玉音放送で終わったはずであった。
2005年11月から4年間、「小説すばる」に連載された浅田次郎氏の大作、「終わらざる夏(上下巻925頁)」を深い感動とともに読みました。
物語~最北端の占守島を含む千島列島には、米軍を迎え撃つため日本軍の精鋭1個師団(2万3千人)が配置されていた。
しかし、一度も本格的な砲火を交えぬまま8月15日を迎え、故国の敗戦を知った。
そして、終戦処理のため訪れるであろう米軍使節を待ったのだが、来たのはソ連軍であった・・・
先に、ロシア大統領が「自国の領土を訪問する」として、クナシリ島を視察、憤激を買いました。
このように、日本の領土である千島の領有権問題は、決して風化させてはならない今日的課題です。その点で、この小説の持つ意味は極めて大きいと思います。ご一読をお勧めします。