徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

国宝 風神雷神図屏風 @出光美術館

2006-09-14 | 美術
国宝 風神雷神図屏風 ―宗達・光琳・抱一 琳派芸術の継承と創造―
2006年9月9日~10月1日
出光美術館

国宝 風神雷神図屏風
俵屋宗達・尾形光琳・酒井抱一の三つの風神雷神図を一堂に展示する、実に六十六年ぶりの企画。

やはり、lysanderさんではないですが、宗達ですね。国宝「風神雷神図屏風」(建仁寺蔵)の貫禄でしょうか。光琳の模作(東京国立博物館蔵)、光琳画から模作された抱一の模作(出光美術館)は、やはり模作ですね。

宗達の風神雷神図の力強さは際立っています。画面占める風神雷神の大きさがおおきく堂々としている。風神雷神の威厳のある顔、大きな瞳、力強い角、野性的な髪、荒々しい臍、筋肉や力強さの感じさせる手や足の表現。自然な天衣もはためき。重々しい茶褐色の色調。このように構図から細部まで比較されればされるほど、宗達の風神雷神図の傑作を納得してしまいます。

光琳の変奏も、抱一の変奏も、煌びやかさは納得ですが、動体表現の巧みさが作品の巧拙の差を出しているのでしょう。花鳥風月の題材の多い琳派では、あまりダイナミックな画題はすくないのでしょうがないのでしょうか。その意味で、宗達がこの風神雷神図を創造した源泉・ルーツとしてあげられた作品なかに、彫刻である妙法院三十三間堂の風神雷神の彫像が挙げられているのが、興味深いところです。

あと解説で写真で紹介されている鈴木其一の風神雷神図襖(東京富士美術館)は白地。これは、煌びやかな其一ですから、実物を是非拝見したいなと思います。

また奈良時代の絵因果経(出光美術館蔵)にも風神雷神が描かれているとのこと。是非展示してほしかった。



琳派芸術の継承と創造
《梅を愛でる》
 紅白梅図屏風 伝尾形光琳
 紅白梅図屏風 酒井抱一
《燕子花図の変容》
 燕子花図屏風 酒井抱一 享和元年;トンボと白い花がアクセントとなり、絵心を感じさせる優品。抱一の琳派事始の作品とのこと。
 八ツ橋図屏風 酒井抱一 メトロポリタン美術館の八ツ橋図屏風は拝見したのですが覚えていません。すくなくともこちらの抱一の橋はたらし込みが目立ちました。
 十二ヶ月花鳥図貼付屏風 酒井抱一;燕子花図のために展示されていました。小禽が可愛らしい。草花の茎に、たらし込みが目立ちます。
《秋草図の遺伝子》
 月に秋草図屏風 伝俵屋宗達;萩の表現が金地に可憐で美しい。
 夏秋草図屏風草稿 酒井抱一;現在国立博物館で展示されている抱一の代表作の夏秋草図屏風の草稿
《受け継がれる琳派 抱一の光琳顕彰》
 唐子布袋・松・梅図 尾形光琳;すでに新聞での新発見ニュース(拙ブログ)で本邦初公開に期待はしていたのですが、
墨色の鮮やかさに感動。
 同 酒井抱一の審定書
 大黒天図 尾形光琳;こちらは小気味よい筆致との解説。同感。

など。


 19時まで毎日開館しているのがうれしいですね。Takさんの混雑が予想されすでにロープが張られているとのことで慌てて拝見してきましたが、まだ、じっくりと拝見できました。
コメント (4)
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館蔵 秋の優品展(茶道具 李朝の陶芸)

2006-09-12 | 茶道具
館蔵 秋の優品展
絵画・墨跡と李朝の陶芸
2006年9月2日から10月22日
五島美術館

李朝の陶芸
井戸茶碗が何点か展示されていました。どれも同じようですが、やはり違います。勉強になりました。
  • 粉引酢次茶碗 銘 呉竹 朝鮮(李朝)時代・15-16世紀;酢次を茶碗にするとは。
    片口の食器を茶碗に転用したもの。「粉引」(別名「粉吹」)とは、鉄分の強い黒い土のため、化粧掛けした白泥釉が粉を吹いたように見えるところからの名称。「酢次」とは、本来の用途「酢を次ぐ容器」の意味。内箱蓋(表)の金泥字「呉竹」は、近代の数寄者益田鈍翁(1847―1938)の筆。

    井戸茶碗が並ぶ。井戸茶碗は、どれも同じようにしか見えませんが、高台ちかくの梅花皮(かいらぎ)が鑑賞ポイントとのこと。
  • 重要美術品 井戸茶碗 銘 美濃 朝鮮(李朝)時代・16世紀(9/2-9/24)
    酒井守雅、不昧公伝来。梅花皮(かいらぎ)が鮮やか。
    井戸茶碗の中でも十指に数える名碗。高台近くの梅花皮(釉薬のちぢれ)が鮮やか。銘は、かつての所有者が美濃守だったからか。姫路藩主酒井宗雅(1755―90)、雲州の松江藩主松平不昧(1751―1818)が所持した伝来をもつ。


  • 井戸茶碗 銘 九重;松浦家伝来
  • 井戸茶碗 銘 八文字屋;京都の豪商八文字屋所持、鴻池家伝来;大振りで堂々としている。金継ぎあり。
  • 井戸茶碗 銘 いは本;別名 東横井戸。東横デパートにお茶席を1955年に設けたそうで。

  • 熊川茶碗 銘 千歳 朝鮮(李朝)時代・16世紀(9/2-9/24);外箱蓋書付けは不昧公
    朝鮮半島の対日貿易港として著名な熊川からの名称。銘は、鎌倉時代の歌人慈円(1155―1225)の和歌「雲の上によはひゆづると鳴鳥は君が千年を空にしれとや」(『拾玉集』第三・3767番)から。外箱蓋(表)の書付は、雲州松江藩主松平不昧(1751―1818)による。


  • 柿の蔕茶碗 銘 青柿 朝鮮(李朝)時代・17世紀 ;団琢磨所持;何故柿の蔕茶碗と呼ぶか。たしかに柿の蔕です。
    伏せた形や釉調から「柿の蔕」と呼ぶ。薄くかけた釉を通して鉄分の多い土味を見せる。内箱蓋(裏)書付の「あをがきの しぶしぶながらおちゃうけに あまきはやがて しものころかな」は、小堀権十郎(1625―94)の筆。団琢磨(1853―1932)の旧蔵品。


  • 斗々屋茶碗 銘 朝霧
  • 釘彫伊羅保茶碗 銘 苔清水;触ると確かに手がいらいらしそうです。
  • 御本雲鶴筒茶碗

    いくつか瓶、壺が。
  • 粉青白地掻落牡丹文扁壺 朝鮮(李朝)時代・15世紀 ;
    ユーモラスで素朴な味わいのある大柄な牡丹文を彫り出す。側面にも花文などを空間いっぱいに描く。扁平な形姿から、茶人が花生として愛好した。日本では「彫三島」、韓国では粉粧灰青沙器と称する種類。


  • 青磁鉄地白堆草花文梅瓶 高麗時代・12世紀前半;黒高麗 鉄泥を塗り青磁釉をかけた焼き物。
  • 青磁猿型小壺(水滴)高麗時代・12世紀前半;小倉コレクションで有名な小倉武之助旧蔵
  • 粉青象嵌文鉢 朝鮮李朝時代;15-16世紀;小倉コレクションで有名な小倉武之助旧蔵;外側はハケメ、内側は象嵌文。
  • 白磁辰砂蓮花文壺;辰砂とは紅色の釉
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    館蔵 秋の優品展(墨蹟) 五島美術館

    2006-09-11 | 
    館蔵 秋の優品展
    絵画・墨跡と李朝の陶芸
    2006年9月2日から10月22日
    五島美術館

    墨跡
  • 蘭溪道隆墨跡「風蘭」偈 鎌倉時代・13世紀
    蘭溪道隆(大覚禅師 1213―78)は、寛元四年(1246)に鎌倉幕府の執権北条時頼(1227―63)の招きで来日し、のちに鎌倉建長寺を開いた禅僧。中国宋時代の書家張即之(1186―1266)の影響を受けた強くきびきびとした筆跡が特徴。とのこと。


  • 重要文化財 大休正念墨跡 天台石橋頌軸序 鎌倉時代・13世紀 文永甲戌初夏60歳の時の書。
    大休正念(-1280)は、中国南宋の僧。1269年来日。

  • 一山一寧墨跡「園林消暑」偈 鎌倉時代・14世紀
    一山(1247―1317)は、正安元年(1299)に来朝した禅僧。儒学や詩文に秀で、五山の名僧として著名。特に草書体を得意とした。これは、晩年の草書の横幅の傑作。一山の語録に所載の詩。


  • 重要文化財 宗峰妙超墨跡「梅溪」二大字 鎌倉時代・14世紀(展示予定期間9月2日-9月24日)
    京都大徳寺の開祖宗峰妙超(大燈国師 1282―1337)が、弟子の宗智道人のために印可の証明として書き与えた道号。加賀前田家伝来。京都酬恩庵(薪寺)から、前田利常が年賦払いで購入した伝説がある。


  • 虎関師錬墨跡 尺牘 鎌倉時代・14世紀
    流暢な筆致

  • 絶海中津墨跡 古詩 与南雄明上人;鎌倉時代・14世紀;天寧寺伝来

  • 破庵祖先墨跡 詩偈 南宋時代・12-13世紀;草書二行書

  • 兀庵普寧墨跡 法語 南宋時代・13世紀
  • 重要文化財 馮子振墨跡 与無隠元晦語 元時代・14世紀
  • 中峰明本墨跡「勧縁疏」 元時代・14世紀
    中峰明本(1263―1323)は、中国元時代の禅林を代表する僧侶。住居「幻住庵」の虫喰が著しく、その復旧と台所の新築のために寄付を募る文。独特の筆跡を「笹葉中峰」と俗称する。


  • 月江正印墨跡 送行偈 元時代・14世紀
  • 石室祖瑛墨跡 餞別偈 元時代・至元3年(1337)書

    (10日)
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    館蔵 秋の優品展(絵画、特に歌仙絵) 五島美術館

    2006-09-10 | 美術
    館蔵 秋の優品展
    絵画・墨跡と李朝の陶芸
    2006年9月2日から10月22日
    五島美術館

    絵画
  • 麻布山水図 奈良時代;麻布に馬、水鳥、草木、浪を墨一色で描く。これが奈良時代の作品といわれても筆致は確か。正倉院伝来かとのこと。

  • 重文 沙門地獄草子断簡(益田家本甲巻)火象地獄図 平安時代 12世紀(9/24まで)
    甲巻(全十段)の第一場面。淫欲にふける沙門(僧侶)が炎を吐く象に身を焼かれる図とのこと。象は獅子のような顔立ち、胴は大きな馬といったところでしょうか?この1点は、平成18年新指定重要文化財であり、連休に鑑賞した。そのときは、展示ケースが少し遠くだったのでよく鑑賞できなかったが、今回は距離が近くよく鑑賞できた。
    仏法に背いた僧侶が堕ちる地獄を描いた一図。もと益田鈍翁所蔵の七図からなる益田家甲本の名で呼ばれた絵巻の断簡である。国宝に指定されている東京国立博物館本、奈良国立博物館本の地獄草紙の絵巻と並ぶ貴重な作品で、優れた筆致で描かれる。さらには国宝本餓鬼草紙や病草紙などとともに六道絵の一環をなしていたとも考えられている


  • 重文 駿牛図断簡 鎌倉時代 13世紀(9/24まで)
    全十図のうち八図が藤田美術館などに現存するが、唯一の赤牛とのこと。とはいってもホンノリ赤い程度です。



    歌仙絵が並びます。

  • 重美 尹大納言絵巻断簡 鎌倉時代 14世紀;福岡美術館所蔵(松永記念館旧蔵)の「尹大納言絵巻」と同種という伝承の白描絵巻の断簡。福岡美術館所蔵の「尹大納言絵巻」は大絵巻展に名月巻、七夕巻が展示された。花山院師賢の身の上話。自身が詞書、妻が絵を描いたという。妻が描いたということ。絵をよく見ると、極細の筆で描かれています。女性の髪の伸びやかな線、男性の目の細さなど、いかにも女性が描いたという風情。見事。

  • 業兼本三十六歌仙絵 猿丸太夫像 鎌倉時代 14世紀;似せ絵で有名な藤原信実絵と伝来。皺など現実感のある表情の様子が見事。装束は折り紙を折ったような直線を多用した簡易に描く。


  • 後鳥羽院本三十六歌仙絵 平兼盛像 鎌倉時代 14世紀
  • 後鳥羽院本三十六歌仙絵 平仲文像 鎌倉時代 14世紀;絵詞とも後鳥羽院と伝来;字は流麗。絵も見事。

  • 重美 為家本三十六歌仙絵 大中臣能宣像 鎌倉時代 14世紀;絵詞とも藤原為家

  • 歌仙絵 壬生忠峯像 鎌倉時代 14世紀;衣装の青緑色が美しい;   
  • 一歌仙一首本歌仙絵 源俊頼像 鎌倉時代 14世紀;

  • 時代不同歌絵合絵 伊勢・京極良経像 鎌倉時代 14世紀;
  • 時代不同歌絵合絵 藤原兼輔・藤原俊忠像 鎌倉時代 14世紀;
    向かい合って坐って三首ずつ歌あわせという趣向。断簡にして一葉ずつ鑑賞すると、対峙して坐り歌合戦をしている様が見事に描かれています。伊勢が右下に伏目がちに坐り、京極良経がそれを対峙する様子の視線の合わせ方とかよく描けています。

    なお、次の2点は、9/26-10/22の展示。
    重要文化財 佐竹本三十六歌仙絵 清原元輔像
    重要文化財 前九年合戦絵巻断簡 帰順願図

    また東京国立博物館でも特集陳列 佐竹本三十六歌仙絵を行っており、後鳥羽院本三十六歌仙絵巻断簡(藤原元真)、業兼本三十六歌仙絵巻断簡(源順)、時代不同歌合絵巻断簡(源重家) など展示されていますので、よく鑑賞してきたいと思います。
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    館蔵 秋の優品展(古写経) 五島美術館

    2006-09-10 | 
    館蔵 秋の優品展
    絵画・墨跡と李朝の陶芸
    2006年9月2日から10月22日
    五島美術館

    古写経

    絵因果経が展示が多数されていた。

    奈良時代
  • 過去現在絵因果経断簡(益田家本)耶舎長者出家願図

    (追記10月15日)
     まじまじとこの断簡をまた眺めてしまいました。今年は、何回か、古因果経の色々な巻を鑑賞しました。今までは、よくもまあここまで岩絵具が綺麗に残っていたという面ばかり見ていました。
     今回初めて気がついたのは、色々な画師が描いた作品だということ。この断簡には2組のほぼ同じ構図の釈迦と耶舎長者が描かれています。ところが、両者の筆致はかなり違います。釈迦の坐っている台座など顕著です。左は輪郭線は太く、綺麗に幔幕状の模様が等間隔に並んでいます。右は、輪郭線は消えそうで見えない細線。幔幕は適当に塗られています。釈迦の顔の表現も、右は、細線を使って上手に表情まで描かれているが、左は釈迦の表現は、模写といった感じで今一歩というところです。左の画師は一所懸命模写したが、右の画師は上手に描いているといったところでしょうか。明らかに別の画師が描いたものです。よくみると面白いものです。
     また、表装も光背が織ってあり洒落ています。
    (追記10月15日 終)

  • 過去現在絵因果経断簡(東京芸大本)(古写経手鑑「染紙帖」のうち)(10/13まで)

    鎌倉時代
  • 過去現在絵因果経断簡(松永家本)尼蓮禅河水浴図
  • 過去現在絵因果経断簡(松永家本)樹下座禅図
  • 過去現在絵因果経断簡(松永家本)伎楽供養菩薩図

    伎楽供養菩薩図の絵は、鮮やかな青緑色の流水に白く渦巻く様、また中央の天女の流れるような動きなど、見入ってしまいます。

  • 藤原夫人発願一切経 実相般若波羅密経 奈良時代・天平十二年(740)書写;737年に流行した疫病で亡くなった藤原房前の三周忌に娘が発願した一切経。表紙の継目に朱円印より元興寺経と呼ばれる。興福寺(藤原氏の菩提寺)ではなく、の元興寺経(蘇我氏の系列?)の印が捺されているというので、一寸気になりました。東博にも同じく元興寺の朱円印のある「文陀竭王経」が展示されていました。東博の説明によると藤原房前の娘は藤原広嗣の夫人らしいのですが、そうすると、藤原広嗣の乱と大きく関係するのでしょうか?

    藤原広嗣の乱とは、WikiPediaによれば「天平9年(737年)朝廷の政治を担っていた藤原四兄弟が天然痘の流行によって相次いで死去した。代って政治を担ったのが橘諸兄であり、また唐から帰国した吉備真備と玄が重用されるようになった。藤原氏の勢力は大きく後退した。
    天平10年(738年)藤原宇合の長男・広嗣(藤原式家)は大養徳(大和)守から大宰少弐に任じられ、大宰府に赴任した。広嗣はこれを左遷と感じ、強い不満を抱いた。
    天平12年(740年)8月29日、広嗣は政治を批判し、吉備真備と玄の処分を求める上表を送った。
    (中略)
    天平13年(741年)1月、乱の処分が決定し、死罪16人、没官5人、流罪47人、徒罪32人、杖罪177人であった。藤原式家の広嗣の弟たちも多くが縁坐して流罪に処された。」
    というわけで、740年は、非常に微妙な時期です。戦勝祈願でしょうか?

  • 重要文化財 称徳天皇勅願一切経 十誦律第三誦 巻第十七 奈良時代・神護景雲二年(768)書写
  • 重要美術品 安倍小水麿願経 大般若経 巻第三百十六 平安時代・貞観十三年(871)書写
  • 重要文化財 不空三蔵表制集 巻第六 平安時代・10世紀 

  • 重要文化財 紺紙金字阿弥陀経 平忠盛筆 平安時代・久安五年(1149)書写;平清盛の(養)父の平忠盛の写経。映画の新平家物語を見たあとだったので感慨です。 

  • 古写経手鑑「染紙帖」 奈良-室町時代・8-14世紀
    益田鈍翁が作成した古写経手鑑。32枚の断簡を集める。(断簡名は、五島美術館の名品「絵画と書」でUPDATEしました。伝筆者は、下記まではメモしましたが)
  • 大聖武
  • 中聖武
  • 小聖武
  • 阿弥陀院切 聖武
  • 飯室切 嵯峨帝
  • 虫喰切 吉備真備
  • 山門切 篁?
  • 色紙経切 
  • 因果経切(こちらは東京藝大本)
  • 金剛般若経解題 行書 大師? 
  • 東寺切 大師? 
  • 東寺切 大師?
  • 讃岐切 管公?
  • 紫切 管公?
  • 二月堂焼経断簡 管公?
  • 光明皇后 蝶鳥下絵経、料紙は丁子(ちょうじ)の汁を吹き付けた茶色。そこに鳥や蝶などを描く
  • 目無経断簡
  • 行成 草書装飾経(金銀の切箔、もみ箔で装飾)
  • 色絵経切 中将姫?
  • 紺紙金泥経断簡 中将姫?
  • 蓮華王院切 白河院?
  • 清水切 後鳥羽院(上部に天蓋、下部に蓮台を銀泥で描き、そのなかに経文を墨書)
  • 装飾法華経切
  • 太秦切 聖徳太子(広隆寺伝来の紺紙に金泥で写経した一字宝塔経。)
  • 装飾法華経切 俊成
  • 唐紙経切  伊勢?
  • 金銀交書経断簡
  • 装飾法華経切 良経卿
  • 法華経切 慈鎮?
  • 紫紙金字経切 亀山院?
  • 笠置切 宣房?
  • 山田切 藤房?


    (10日)
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    ペルシャ文明展 煌く7000年の至宝

    2006-09-09 | 美術
    東京都美術館開館80周年記念
    世界遺産・ペルセポリスの栄華
    ペルシャ文明展 煌く7000年の至宝
    The Glory of Persia
    2006年8月1日から10月1日
    東京都美術館

    200を越す展示物。アケメネス朝に先立つ石器時代の遺物、アケメネス朝ペルシャの美術・工芸品など、ほとんど、日本でいえば、縄文時代、弥生時代のもの。考古学的説明は、HPの解説以上書けそうもないので、単に戯言をつらつらと。

    ペルシャ帝国期以前の美、都市文明の息吹

  • 《鉢》(前前5千年紀後期、テヘラン州テペ・モシュラン出土)(大理石);
    このあといくつか土器が並びますが、最初の1点だけは大理石。どうやって鉢形にくりぬいたのでしょうか?凄い技術です。

  • 動物形土器
    こぶ牛形土器(前1500-前700年)(ギラン州マールリーク出土)や山羊形土器(前1500-前700年)(マーザンダラーン州カラールダシュト出土);シンプルで柔らかくちょっとデフォルメしたの牛や山羊。なんて可愛らしいのでしょう。

  • 《鉢》(前3千年紀)(ケルマーン州シャハダード出土)(緑泥岩);こぶ牛、ひょう、蛇を刻んだ鉢
  • 《銀製円盤》(前1千年紀前半)(銀);有翼の山羊とグリフィン
  • 《銀製鉢》(前1千年紀)(ギーラーン州出土)(銀);鹿とライオンのレリーフ。

    世界遺産・ペルセポリスの栄華
    ペルセポリスのようすが、写真や門などで再現されています。そのなかにペルセポリスの出土品が並べらいます。写真を見ていると一度訪れたくなります。
  • 《マスティフ犬》 アケメネス朝(前550-前330年)(石灰岩);狛犬の元祖ではないかと思ってしまいます。騎馬民族が狛犬文化を連れてきたのではと、根拠なく考えてしまいました。
  • 《ダレイオス1世の銀製定礎碑文》 アケメネス朝(前550-前330年)

    銀貨
    多くのコインが並べらていました。紀元前6世紀後半から5世紀前半の《シグロス銀貨》などから紀元7世紀の金貨、銀貨まで。ペルシアの商人と商売して儲けようなどと思ってはいけないことがよくわかりました。和同開珎が鋳造される以前のコインしか並んでいないのですから。

    黄金の煌めき
  • 《有翼ライオンの黄金のリュトン》 アケメネス朝(前550-前330年)
    細部まで意匠の尽くされたリュトン。現代でも十分賞賛を得られるデザイン。
  • 《黄金の杯》 アケメネス朝(前550-前330年)
    菊花状の花弁文様の杯。
  • 《黄金の短剣》 アケメネス朝(前550-前330年)
  • 《黄金のマスク》 前1千年紀初期

    こんな素晴らしいデザインの工芸品が紀元前にあったことに驚嘆。また金製品だから当然だが、当時の輝きを失わず保存されていることにも驚愕。

    シルクロードと日本美術の源流
    《円形切子碗》 ササン朝(226-651年)は正倉院伝来品と同様のもの。シルクロードを通じて日本にも伝わったササン朝ペルシャの文明が展示されている。

    楽しめました。
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    リール近代美術館所蔵 ピカソとモディリアーニの時代

    2006-09-08 | 美術
    リール近代美術館所蔵 ピカソとモディリアーニの時代
    2006年9月2日から10月22日
    Bunkamura ザ・ミュージアム

    リール近代美術館の寄贈作品の基盤は、ロジェ・デュティユールRoger Dutilleul (1873-1956)による収集品で、美術愛好家としての彼は、目利きの目で、好みのまま、どの流派とか稀なものとかは気にせず作品を選択していきました。当時彼は、伝説的画商カンワイラーと交流し、誕生したてのキュビスムの作品を購入したことで知られています。また、購入したマティスの作品を売ってモディリアーニの絵画を買い求め、結果としてモディリアーニの大コレクターのひとりとなったのです。その後、彼の甥にあたるジャン・マジュレルJean Masurel (1908-1991) がこれらのコレクションを受け継ぎ、さらに充実した作品群として完成させていきました。この伯父とその甥、二人の収集家がリール近代美術館の基を築いたのです。 」とのこと。

    レジェ、モディリアーニが何点もならんでいるのは圧巻です。このほか、ボンボワなど初めて知る作家も多く楽しめました。目に留まった作品を。(画像はSRCリンクです)

  • ジョルジュ・ブラック《家と木》(1907-08)
    ブラックは、サロンヌ・ドートンヌに落選した作品でカンワイラー画廊で個展を開催した。そのときの批評家の弁がキュビズム。そうキュビズム誕生のときの作品。セザンヌが亡き後、その方法論を再現したことよくわかる。緑と黄茶色の色使いもゼザンヌを髣髴とさせる。
    このあとのブラックの作品は、本格的にキュビスムになり、(少なくとも私にとっては)あまり面白い作品では無くなっていく。でも初めの一枚は、セザンヌをごくすこし抽象化しただけの作品だった。


    パブロ・ピカソ
  • パブロ・ピカソ《魚と瓶》(1909)
    灰色をベースに緑色で味付けをして瓶、果物、梨(?)を描く。
  • パブロ・ピカソ《ビールジョッキ》(1909)キュビズム的作品

  • パブロ・ピカソ《楽器と頭蓋骨》(1914)落ち着いた色彩と模様の美しい作品。木目のピアノ、青い木目、薄灰色の頭蓋骨、赤に黒の斑の縦の縞、JRNの文字の紙などで画面を構成する。
  • パブロ・ピカソ《帽子を被った女》 (1942)
    褐色・黒・灰色をベースとした作品。ドラ・マール(との破綻)を描く。
  • パブロ・ピカソ《女の顔》(1943)落ち着いた表情の女の顔。円を1本の線で分かち、目を2つつける。

    フェルナンド・レジェ
    レジェの作品は、初期のキュビズム的な作品から、風船のような女性の作品までがずらっと並び壮観。
  • フェルナンド・レジェ《横たわる女》1914年;円柱とレモン型のキュビズム。初期のレジェは、ブラック的キュビズムからスタートしたのか?

  • フェレナンド・レジェ《赤いテーブルの静物》《緑のテーブルの静物》《人物のコンポジション》
    の3点の水彩、グラファイト、紙の作品。どれも1920年。青、赤、緑、黄などの原色のコンポジションが美しい。
  • フェレナンド・レジェ《犬を連れた女のための構想画》(1920)
  • フェレナンド・レジェ《果物入れのある静物》(1923)明るいで原色で画面をコンポジションしたなかにピンクの果物いれ、青い梨、山の風景画など具象的なオブジェが見え隠れする。
  • フェレナンド・レジェ《横たわって読書する女》(1923)
  • フェレナンド・レジェ《花束を持つ女》(1924);これこそレジェの到達点。赤い背景に、風船のような膨らんだ体つきの女性が黄色の花を掲げる。


    アメデオ・モディリアーニ
  • アメデオ・モディリアーニ《若い女の胸像》(1908)
  • アメデオ・モディリアーニ《バイキングのエッゲリング》(1916)アーモンド眼の細面の男性、濃い緑の背景、黒い服。何故か筆跡が顔中、いや画面中にある
  • アメデオ・モディリアーニ《モイーズ・キスリング》(1916)青い服の童顔のおかっぱ頭のキスリング。なぜか手が大きい。
  • アメデオ・モディリアーニ《母と子》(1919)金髪の細面、濃い緑のガウンをはおり黒い服を着る女性が、青い服の幼子を白いタオルに包み込んで抱く姿。1918年以降プリミティブ芸術と聖母子像などの古典主義との融合を図った典型的作品、ジュンヌ・エピュテルヌが当時母親になったことを思い出させる。とのこと。おだやかさ表情が印象的。

  • アメデオ・モディリアーニ《肌着を持って坐る裸婦》(1917)恥ずかしそうなポーズの栗毛の裸婦像。
  • アメデオ・モディリアーニ《赤毛の少年》(1919)オリーブ色の服の赤毛の細面の少年。

    モーリス・ユトリロ
  • モーリス・ユトリロ《サン・ルイ・アン・リル通り》(1918)
    写真のようなパリの街角。終わりのない遠近法。


  • ジョルジョ・ルオー《我ら自らを王と思い》(1939) 版画集ミゼレーレの1点を絵画にした作品。

    ジョアン・ミロ
  • 《絵画》(1927)

  • 《顔》(1937)水彩、水性塗料、木炭、パピエ・コレ、紙。青い背景にジャガイモ顔、赤い鼻。

  • 《絵画》(1933)ナイフとフォークがモチーフだそうで。

  • 《偉大な音楽家の顔》(1931)画面を一筆書きの曲線で分割し、赤、青、黄色、緑での塗り絵をしている。

    ウジューヌ・ネストール・ド・ケルマデック
  • ウジューヌ・ネストール・ド・ケルマデック《明らかに裸同然の人物》(1946)
  • ウジューヌ・ネストール・ド・ケルマデック《光とヌード》(1950)
    リズミカルにまっすぐに伸びやかな線で、一筆書き的に人物をかたどる。しかし画面は、そのデッサンとは関係なく明度のやや低い様々な色で分割される。

    アンドレ・ボーシャン
  • アンドレ・ボーシャン《ステュクス川》(Le Styx)(1939)岩山の模様が圧倒する。前景に小さく、若い裸婦が流れに足を入れている。

  • アンドレ・ボーシャン《いちご摘み》(1940)森に迷いそうないちご摘みの女性が二人。

    カミーユ・ボンボワ
  • カミーユ・ボンボワ《ヒナゲシの花束を持つ田舎の娘》;豊かなマッスの娘と明瞭な色彩、気取った相貌とのどかな田園風景、繊細な細線で描かれた花束、花畑。見れば見るほど不思議な絵。

    世田谷美術館で来月ボンボワが展示されるので期待したい。

    アンドレ・ランスコワ
  • アンドレ・ランスコワ《桃色で描いた家族》(1938-1940);亡命ロシア貴族によるイコン。

    ベルナール・ビュッフェ
  • ベルナール・ビュッフェ《石打ち刑》(1948)


  • ベルナール・ビュッフェ《横たわる裸婦》(1949)
  • ベルナール・ビュッフェ《メロンある静物》(1949)
  • ベルナール・ビュッフェ《身繕いをする女たち》(1953);濃い赤い背景に三人の裸婦。男のような顔で腹はでている。
    ビュッフェは、第2時世界大戦後の深刻でショッキングな作品で評価を確立したという。
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    モダン・パラダイス @東京国立近代美術館

    2006-09-08 | 美術
    モダン・パラダイス
    大原美術館+東京国立近代美術館 東西名画の饗宴
    2006年8月15日~10月15日
    東京国立近代美術館

    大原美術館と東京国立近代美術館の所蔵作品による、夢のコラボレーション。


    TAKさんのBLOGで予習をして、戦々恐々として東京国立近代美術館に向かいました。

    I.光あれ

  • 菱田春草《四季山水》(ca.1909)(T):明るいカラフルな四季山水。樹木の細かい表現が繊細。

    このほかの東京国立近代美術館の作品では、写真の作品に目がいく
  • 山中信夫《東京の太陽(4)》《マンハッタンの太陽(31)》(1980-81)
  • 杉本博司《カリブ海 ジャマイカ》(1980)、《日本海 隠岐》(1987)

    大原美術館の作品は、豪華絢爛。
  • アンリ・マティス《エトルター川下の絶壁》(1920)
  • ブリジット・ライリー《花の精》(1976);カラフルな線がすこし波を打って画面いっぱいに拡がります。
  • 児島虎二郎《ベゴニアの畠》(1910);日本人にとって西欧の夏の光は眩しいという感覚でしょうか?
  • カミュー・ピサロ《りんご採り》(1886);ほのかな光を木陰に見つける。
  • ジョバンニ・センガンティーニ《アルプスの真昼》(1892);Bunkamuraで開催された「スイス・スピリッツ 山に魅せられた画家たち」は見にいきませんでしたので、センガンティーニの作品は多分はじめて。

  • ポール・シニャック《オーヴェルシーの運河》(1906)
  • アルベール・マルケ《マルセイユの港》(1916);
    マルケ(1875-1947)は、Wikipediaによれば、「19世紀~20世紀のフランスの画家。ギュスターヴ・モローの指導を受ける。ここで同窓生のマティス、ルオーらと知り合った。 後にフォーヴィスムのグループに加わるが、マルケの作風は激しいデフォルメや非現実的な色彩を用いない穏健なものである。派手さや革新性はないが、グレーや薄い青を基調とした落ち着いた色彩と穏やかなタッチで、パリの街や港の風景などを描いた。」とのこと。


    Ⅱ.まさぐる手・もだえる空間

  • 白木ゆり《Sonic(A)》(1998)《Sound-28》(2000); この展覧会でなければ見逃していたかもしれません。白地に細い灰黒色の線で画面を覆っています。白木ゆり氏(1966-)の作品には、日本人の女性的な感覚が画面を覆っているというのが、この展覧会の「まさぐる手・もだえる空間」という視点で見た感想。でもよく考えてみれば、平安以来の料紙の模様・感覚です。今年のはじめにも日高理恵子さんに魅せられたましたが、私は女性的な感覚の作品が好きだということでしょうか?

  • 李禹煥Lee Ufan《線より》カラフルな線が縦縞に描かれます。上は着色、下は色が消えます。この作品は、李禹煥の作品ではじめて好きになりました。

  • ピエール・スーラージュ《絵画》(1959)
  • 横山操《塔》(1957)
    黒で力強さを表したとき、書跡の表現と重なってきます。でもこれらのモダンアートでは、力強さしか表現できないのではと、ちょっと疑問。

    ここまで来てハタと納得。まさぐる手って書跡と同じ。もっとシンプル?書跡では、画面を切り裂いたりはしませんが。


    Ⅲ.こころの形

    このパートは、東京国立近代美術館と大原美術館の作品の饗宴。代表作が対になって展示されています。
  • 高村光太郎 《腕》(1917-19、大原)《手》(1918)
  • 関根正二《三星》(1919)《信仰の悲しみ》(1918、大原)
  • 中村彝《エロシェンコ氏の像》(1920)《頭蓋骨をもてる自画像》(1923、大原);キリスト教への信仰を感じさせます。

  • 堂本右美 Kanashi-11(2004);不思議な感覚の表現です。青色の世界に「未知との遭遇」のような円盤が描かれています。なぜ、この作品がこの部屋に展示されているのか。

  • 小出樽重《ラッパを持てる少年》(1923)
  • 岸田劉生 《麗子肖像(麗子五歳之像)》(1918)
  • アンリ・マティス《画家の娘-マティス嬢の肖像》(1917-18、大原);8月にやはり1917年のマティスの肖像画を鑑賞しました。マティスのこの頃は、肖像画が多いのでしょうか?

    IV.夢かうつつか?

  • ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ《幻想》(1866、大原);この2月にパリのオルセーで見ていらいファンです。
  • ギュスターブ・モロー《雅歌》(1893、大原)
  • ジョルジョ・デ・キリコ《ヘルクトールとアンドロマケーの別れ》(1918、大原)
  • 古賀春江《深海の情景》(1933、大原)
  • イブ・タンギー《聾者の耳》(1933)

    戦争画が何点か。藤田嗣治《決戦ガタルカナル》はこの間藤田嗣治展で見たばかりでしたし、靉光は常設展でよく眺めている。TAKさんとらさんのBLOGで予習をしていたので、ジャン・フォートリエやフルーデンスライヒ・フンデルトワッサー(百水さん)も成る程と思いながら鑑賞することができました。フルーデンスライヒ・フンデルトワッサーは、カラフルですね。戦争画が主題かは、ぱっと見ただけでは判らないですね。
  • 国吉康夫《飛び上がろうとする頭のない馬》(1945、大原)
  • ジャン・フォートリエ《人質》(1944、大原)
  • パブロ・ピカソ《頭蓋骨のある静物》(1942、大原)
  • 藤田嗣治《決戦ガタルカナル》(1944)
  • フルーデンスライヒ・フンデルトワッサー《血の雨の中の家々-あるオーストリア・ユダヤ人を慟哭させた絵》(1961、、大原)
  • 靉光《眼のある風景》(1938)

    V.楽園へ

  • ワリシー・カンディンスキー《突端》(1920、大原)
  • ジョアン・ミロ《夜のなかの女たち》(1946、大原)
  • 東松照明《「光る風・沖縄より」小浜島》(1977)、《「光る風・沖縄より」波照間島(1979)、《「光る風・沖縄より」阿嘉島(1973)》
    など
  • ピエール・オーギュスト・ルノワール《泉による女》(1914、大原)
  • 土田麦僊《湯女》(1918);
  • ポール・ゴーギャン《かぐわしき大地》(1892、大原)
  • 萬鉄五郎《裸体美人》(1912)
  • トーマス・シュトゥルート《パラダイス13屋久島日本》(1999)
  • 岡村桂三郎《黄象05-1》(2005)
    など

    終わってみれば、大原美術館名品展+現代絵画入門+菱田春草《四季山水》+土田麦僊《湯女》が一緒に楽しめる展覧会といったところでしょうか。もう一度訪問したいと思います。
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    中国の絵画(常設展)  東京国立博物館 東洋館

    2006-09-06 | 美術
    中国の絵画  蓮・水鳥・魚・草虫
    2006/8/1~ 2006/9/3
    東京国立博物館 東洋館第8室

  • 葡萄垂架図 1幅 伝任仁発筆 元時代・14世紀 TA-122

    本図は水墨の草虫図として極めて良質の作品である。元時代の任仁発筆の伝称は根拠に乏しいが,江南の草虫図の名手の作と思われる。本来は他にいろいろな花卉草虫を描いた画巻であった可能性もある。能阿弥と狩野探幽の外題が付属している。曼殊院旧蔵品。
    伝任仁発筆の絵画は《松竹に鶴図》 を三の丸尚蔵館で拝見している。

  • 重文 蓮池水禽図 2幅 於子明筆 南宋時代・13世紀 京都・知恩院蔵
    1幅は、桃色の蓮と緑の蓮を垂直に描く。白い水禽。もう1幅は、すこし斜めに傾く蓮を描く。茶褐色の水禽。
  • 重文 蓮池水禽図 2幅 伝顧徳謙筆 南宋時代・13世紀 TA-142

    蓮池水禽図は中国江南の毘陵(常州)などの地において五代以降,着色画,水墨画ともにさかんに描かれたようである。本図は五代南唐の顧徳謙の款印があるが南宋末頃の着色の代表的作品。蓮花には蕾,開花,落花の「時」のうつろいがみられる。三井家旧蔵品。 飛ぶ鳥が見事。鴛鴦が対で泳ぐ。

  • 蓮鷺図 2幅 伝徐崇嗣筆 元時代・14世紀 TA-41
    蓮を褐色と白で描く。飛ぶ右上と立つ左下の鷺が向かい合って対をなす。

  • 芦雁図 2幅 伝牧谿筆 元~明時代・14世紀 個人蔵
    灰色の地に墨で雁を描く。

  • 重美 藻魚図 1幅 伝景初筆 明時代・14~15世紀 TA-365;白地に淡墨色で鯉を描く、大きな鯉が画面中央に、小魚が9匹。鱗、ひれの動きが見事。
  • 藻魚図 2幅 劉節筆 明時代・15世紀 個人蔵;一対の藻魚。褐色。
  • 重文 四季花鳥図(秋) 1幅 呂紀筆 明時代・15~16世紀 TA-163;画面右に生える樹木に泊まる黒い小鳥2羽と白い尾長。左下には鴨2羽。右下には水墨画風に岩を描く。緑、赤、茶が鮮やか。背景にも濃淡をつける。四幅のうちの1幅。

    伝呂紀の《花鳥図》(対幅)は三の丸尚蔵館で拝見した。

  • 草虫図 1幅 元~明時代・14~15世紀 TA-367;たで、朝顔、あげは蝶などを描く。
  • 重文 草虫図 2幅 元時代・14世紀 TA-488
  • 草虫図 1幅 呂敬甫筆 明時代・15世紀 TA-611
  • 重文 竹塘宿雁図 1幅 南宋時代・12世紀 TA-489;扇絵
  • 重文 荷花鶺鴒図(唐絵手鑑「筆耕園」の内) 1枚 伝王淵筆 明時代・16~17世紀 TA-487



    草虫図巻 1巻 明~清時代・17~18世紀 山越保子氏寄贈 TA-640;十種類以上の草と蝶、蜂、蟋蟀、蟷螂などを描く
    湖畔群雁図巻 1巻 周縄筆 清時代・順治4年(1647) 林宗毅氏寄贈 TA-466;画面の右から左へ雁が群れをなして飛んでいく。
    芦雁図冊 1帖 辺寿民筆 清時代・乾隆9年(1744) 高島菊次郎氏寄贈 TA-309
    花蝶図扇面 1本 真然筆 清時代・同治11年(1872) 林宗毅氏寄贈

    (8月25日)
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    夏季展 明代陶磁と能装束 @畠山記念館 

    2006-09-05 | 美術
    夏季展 明代陶磁と能装束
    2006年8月15日~9月18日
    畠山記念館  

    重美 篠虫図 伝 趙昌筆;扇面月兎画賛 本阿弥光悦筆;重文 金襴手六角瓢形花入;万暦赤絵輪花共蓋水指 ;重美 古赤絵刀馬人文鉢など



  • 扇面月兎画賛 「袖の上に誰故月はやとるそと 餘所になしても人のとへかし(新古今巻十二、恋二 藤原秀能」本阿弥光悦筆; 西洋でもトンド形式にどのように構図を描くかは、巧拙がでます。しかし同様に扇面にどう図柄を描くか、これは日本や中国だけの様式。光悦は、小さな円で月を描くことをせず、扇面の半分を大きな円(の一部)で覆うように描いてみせます。その月の円弧で扇面を斜めに分けているのです。光悦は、何と大きく月を扇面の中に描いたのでしょうか。何と上手に扇面を緑と金に上手に分割したのでしょうか。大きな金色の月と緑色の地にはねる兎。風流です。九鬼家伝来。伝世品が少ないとされる光悦絵画のひとつ。

  • 秋萩図 尾形乾山筆「たち残す錦いくむら秋萩の花におくある宮きのゝ原」;乾山の書と萩の図。状態がすばらしい。

  • 蕎麦茶碗 銘 螢;淡いオリーブ色の釉薬に、縁から見込みにかけて、明るい褐色の釉薬を掛けています。
  • 村田一斎作共筒茶杓
  • 備前茶入 銘 午枕 江雪宗立添状
  • 志野花入 鴻池家・三井家伝来;志野の花入は少ないそうだ。現存は本品と逸翁美術館の「柑子口花入」の2点を知るのみ

  • 黒樂茶碗 馬たらい 樂一入作 樂了入箱書;平樂茶碗

  • 重要文化財 金襴手六角瓢形花入 加藤半蔵庵旧蔵 明時代;舶来の金襴手は、造形から素晴らしいです。HPの写真を見てついつい畠山美術館に足を運びました。

  • 重要文化財 染付龍濤文天球瓶;景徳鎮 官窯;明時代;

  • 重要美術品 古赤絵刀馬人文鉢 鴻池家旧蔵;この古赤絵。見込みには仙人、周囲には4匹の馬が描かれます。赤とすこし緑を入れて表現は見事。外側の文様は、優品の一言。刀を射しながら馬に乗る武士が描かれる。生き生きと描かれ今にも飛び出しそうだ。刀馬人とは三国志に因む人物の意匠のこと。

  • 唐物南京玉入藤組手付茶入 明時代;
  • 万暦赤絵輪花共蓋水指 藤田家伝来 明時代;
  • 遠州好棚 桂宮家伝来 江戸時代;
    この遠州好棚の中段に水指、上段に茶入が飾られていた。
    水指が優品、捻り六角形の筒型の水指。変形の花形の六角形の蓋が付く。蓋には6面に捻じれたレリーフで仕切られ、花がそれぞれに描かれる。水指の横には人物が描かれる。
    茶入れは、夏らしい藤組み手、カラフルな玉が組み手を飾る。

  • 色絵祥瑞捻文中皿 明時代;8面に皿面を捻り文で分割して描く。中央には円に入った兎、さらに4つ円にはいった花を周りに配して描く。

    赤絵金襴手は多数。
  • 赤絵金襴手寄向
  • 赤絵金襴手宝相華唐草文向付
  • 赤絵金襴手宝相華唐草文中鉢 白鶴旧蔵
  • 赤絵金襴手人物文爵形酒呑
  • 赤絵金襴手丸文小壺

    古赤絵、呉須赤絵、万暦赤絵なども多数。

  • 五彩魚藻文壺


    創設者畠山即翁は、能楽、特に加賀宝生に造詣があったとのこと。
    能面3面、能装束8点が展示されていた。

  • 能面 翁 伝徳若忠政作
  • 能面 山姥 本阿弥光悦作;光悦の作とされる能面は他に例をみないことから、彩色のみ光悦の手によるものではないかとの推測もされる。大正10年に梅若万三郎が所持者であった益田鈍翁よりこの面を借りて舞台を務め好評を博したとのこと。大聖寺藩前田家伝来。
  • 能面 小面

  • 紅入石畳鳳凰笹竜胆模様唐織;唐織は装束の中でも最も豪華で代表的なもの。
  • 紅地金雲雪持椿模様唐織;宝生流の「道成寺」専用として用いられた。畳紙には文化11年(1813)と記され、その制作年代が知られる、前田家伝来。
    など

    (3日)

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