徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

国宝 風神雷神図屏風 @出光美術館

2006-09-14 | 美術
国宝 風神雷神図屏風 ―宗達・光琳・抱一 琳派芸術の継承と創造―
2006年9月9日~10月1日
出光美術館

国宝 風神雷神図屏風
俵屋宗達・尾形光琳・酒井抱一の三つの風神雷神図を一堂に展示する、実に六十六年ぶりの企画。

やはり、lysanderさんではないですが、宗達ですね。国宝「風神雷神図屏風」(建仁寺蔵)の貫禄でしょうか。光琳の模作(東京国立博物館蔵)、光琳画から模作された抱一の模作(出光美術館)は、やはり模作ですね。

宗達の風神雷神図の力強さは際立っています。画面占める風神雷神の大きさがおおきく堂々としている。風神雷神の威厳のある顔、大きな瞳、力強い角、野性的な髪、荒々しい臍、筋肉や力強さの感じさせる手や足の表現。自然な天衣もはためき。重々しい茶褐色の色調。このように構図から細部まで比較されればされるほど、宗達の風神雷神図の傑作を納得してしまいます。

光琳の変奏も、抱一の変奏も、煌びやかさは納得ですが、動体表現の巧みさが作品の巧拙の差を出しているのでしょう。花鳥風月の題材の多い琳派では、あまりダイナミックな画題はすくないのでしょうがないのでしょうか。その意味で、宗達がこの風神雷神図を創造した源泉・ルーツとしてあげられた作品なかに、彫刻である妙法院三十三間堂の風神雷神の彫像が挙げられているのが、興味深いところです。

あと解説で写真で紹介されている鈴木其一の風神雷神図襖(東京富士美術館)は白地。これは、煌びやかな其一ですから、実物を是非拝見したいなと思います。

また奈良時代の絵因果経(出光美術館蔵)にも風神雷神が描かれているとのこと。是非展示してほしかった。



琳派芸術の継承と創造
《梅を愛でる》
 紅白梅図屏風 伝尾形光琳
 紅白梅図屏風 酒井抱一
《燕子花図の変容》
 燕子花図屏風 酒井抱一 享和元年;トンボと白い花がアクセントとなり、絵心を感じさせる優品。抱一の琳派事始の作品とのこと。
 八ツ橋図屏風 酒井抱一 メトロポリタン美術館の八ツ橋図屏風は拝見したのですが覚えていません。すくなくともこちらの抱一の橋はたらし込みが目立ちました。
 十二ヶ月花鳥図貼付屏風 酒井抱一;燕子花図のために展示されていました。小禽が可愛らしい。草花の茎に、たらし込みが目立ちます。
《秋草図の遺伝子》
 月に秋草図屏風 伝俵屋宗達;萩の表現が金地に可憐で美しい。
 夏秋草図屏風草稿 酒井抱一;現在国立博物館で展示されている抱一の代表作の夏秋草図屏風の草稿
《受け継がれる琳派 抱一の光琳顕彰》
 唐子布袋・松・梅図 尾形光琳;すでに新聞での新発見ニュース(拙ブログ)で本邦初公開に期待はしていたのですが、
墨色の鮮やかさに感動。
 同 酒井抱一の審定書
 大黒天図 尾形光琳;こちらは小気味よい筆致との解説。同感。

など。


 19時まで毎日開館しているのがうれしいですね。Takさんの混雑が予想されすでにロープが張られているとのことで慌てて拝見してきましたが、まだ、じっくりと拝見できました。
コメント (4)
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