岩木山を考える会 事務局日誌 

事務局長三浦章男の事務局日誌やイベントの案内、意見・記録の投稿

今日の写真は、「ナギナタコウジュ」/ 「赤倉沢ルートの件、ホームページ掲載について」

2010-09-22 04:04:24 | Weblog
 (今日の写真は、シソ科ナギナタコウジュ属の1年草「ナギナタコウジュ(長刀香需)」だ。ただし、これはまだ「若い」花で、昨年の9月25日に岩木山小森山の麓の道端に咲いていたものだ。だから花つきも花穂によっては疎らだし、花色も薄いピンクだ。
 「ナギナタコウジュ」は、北海道から九州の山地の道端などに生える。岩木山では、百沢登山道でいうと、その標高は桜林を抜け出た辺りまでである。岩木荘の方から登ると、スキー場駐車場に直進するアスファルト道の、特に山側に向かって右側に多く見られる。 茎の高さは大体、60cm前後で角張っている。開出した後で下向きに屈曲するような白い短くて軟らかい毛が密についている。
 葉は対生し、長さ3cmから9cmの卵形か狭卵形で、先は尖り、縁には鋸歯があるが荒々しさはなく、10対前後であろう。葉は下部の大きなもので葉身部分が7cm程度あるものもあるが、全体的に草丈と比べると小さく見える。葉の表には先端に短毛が少しだけ見られ、葉裏は脈上に長めの毛が密生している。
 花も不思議なものである。茎頂に花穂を出して、淡い紅紫の小さな花を高密度に、片側にだけつける。花冠は長さ約5mmの唇形で、上唇は小さく、2裂のように見える凹形だ。下唇は3裂している。中央の花片は、立体的に丸くなっていて最も大きく、左右の片は小さめである。なお、花冠の先端側では、長い斜上毛が生え、筒部では斜上して曲がった短毛が密生している。毛も花冠と同じ薄赤紫色をしている。
 雄しべは4本あるが、上唇側の2本は短く、花冠の先端と同じくらいで、下唇側の2本は長く突き出ている。花糸は花冠と同様の薄赤紫。ふちは細かく裂け、毛が生えているように見える。花の反対側に苞が並び、縁に短毛があるが、背面は無毛だ。
 花期は9月から10月だが、冷え込みなどの違いによるのであろうか、全草の赤紫が強くなり、花色も場所によっては「濃さ」に違いが見られるようである。10月に入ると、茎や葉裏もかなり濃い紫に染まるようになる。

 名前の由来は、「漢方薬の香需に似て、花序が薙刀の様な形をしている」ことによるが、その通りで、全体に強い香りがあるのだ。
 だが、秋遅く「枯れた全草の香りと種子の臭いが混じり合う」と、これがまた、「香需」などとはとても言えない「匂い」になる。わざわざ嗅ぐまでもないが、この「ナギナタコウジュ」を握ったり、触れた手や指を嗅ぐと、「むっと」噎せ返りそうになること請け合いである。触れたら最後、なかなか匂いは消えない。)

◇◇「赤倉沢ルートの件、ホームページ掲載について」◇◇

 9月7日に「赤倉沢修験者の道は危険」と題して、このブログに書いた。それについての「心温まる」励ましを添えたメールが阿保さんから届いたので紹介したい。

「岩木山を考える会 事務局長 三浦章男様

 赤倉沢ルートの件、ホームページ掲載のご連絡ありがとうございます。
40歳の頃から岩木山に登るようになり十数年、以前は夏冬問わず頻繁に登ったものですが、近頃は年に数回の岩木登山です。
 専ら一人で登るので、岩木山に関する情報源として『考える会のホームページ』はとても役立つとともに、心強く感じています。
 また、三浦さんの著書も拝読しておりますが、普通では知ることのできない興味深い記事もあり、参考とさせていただいております。
 今回の赤倉沢ルートの件は、どなたかに伝える必要があると思い、差し出がましいと感じつつもお知らせしたものです。
 ホームページを拝見しましたが、とても丁寧な取扱に少し驚いています。三浦さんほか考える会のみなさん、ほかの一般登山者の方々のお役に立てたのであれば嬉しく思います。

 今後のさらなる『考える会』の発展と、岩木山の自然が守られていくことを心から願うものです。このたびは誠にありがとうございます。            弘前市 阿保正樹」