大切なキモチ

感じるままに、日々思ったことを書いていこうと思います。

事実と真実

2007-11-23 | その他
ものごとをゆっくりと深く考えたい時、
単純なこと、だけどだからこそ底無し沼のように、
どこまでも答えがみつからないことをただただ掘り下げて考えたい時がある。

ものごとを自分なりに吟味して砕きながら考えを深めていく、
そんな時間が好きだ。
そのきっかけになるものが、読書。

この前図書館に行った時に、5,6年ぶりに灰谷健次郎さんの『天の瞳』を借りた。
専門学校を受験する前に読んで心があたたまったので買って集めていた本だ。
でも4冊までは買っていたがいつ次が出版されるか分からないで忘れていた。

私が買わなくなってから4冊出ていた。

久しぶりに手に取った灰谷さんの本。

変わらず自分と重ねたりして考えさせられ、じわ~っとくる小説だ。

その中の一節。
「…確か八歳の子が書いた詩です。

きんぎょばち
きんぎょばちに
入っているきんぎょを
よこからみると大きくみえる
上からみると小さくみえた
どこから見たら
ほんとのきんぎょに見えるだろう


…事実がいつも真実とは限らない。そう考えようとする態度が人には必要で、それは人間の知性の一部です。
大きくみえた金魚を、これがほんとうの金魚だ、
と認識して固定してしまうと、逆に、ほんとうのことに近付く道が閉ざされてしまう。
…大きくみえたのも事実なら、小さく見えたのも事実…
見える金魚は一匹で同じものです。相異なる事実が二つ存在するのはどういうことかと考えることによって、真実にたどりついていく…」


「事実が真実とは限らない」ってこと、言われればそうだなぁって思う。
でも、今までは気にしてなかった。

広い視野と深く掘り下げて考えること、
大事に心がけていきたい。