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▲広がり続けているのだろうか?「堆肥と称するものの遊休農地への過剰投入、野積み問題」

 5月はじめに、渥美地域に環境問題で訪れた折り、廃棄物が混入した過剰な堆肥と称するものが投入された農地の現場にいくつか出会いました。現場では、道路に汚水が流れ出ていました。
 以前にも、湖西市に堆肥と称して老夫婦所有の農地に大量に(5m位の深さ)投入された問題に関わったことがあり、農水省や環境省とも懇談を持ちました。そうした活動もあり、業者はその畑から撤去するに至りました。こうした経験もあり、同じことが起こってはなりませんので、県と豊橋市に調査などの申し入れを行いました。

 10日以内に回答を求めましたので回答日は5月25日ですが、返事もない。しびれを切らせて、6月6日(昨日)、回答はどうなっているか県に確認。廃棄物グループとしては回答作成が終わっているようですが、上司の回答に対する了解が得られていない模様。回答日を知らせてくれるよう、再度要望をしました。(10日頃には、回答が届きそう)

 連絡もなく、回答がこんなに遅れることははじめてです。
 遅れるにしても、今までは必ず連絡がありました。しばらくご無沙汰した間に、県民への対応はこんなに変わってしまったのだろうかとちょっと怒っています。

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                                                      平成26年5月15日

愛知県知事 大村秀章殿

「堆肥(汚泥発酵肥料)リサイクル」に関する公開質問ならびに要望

                                   ダイオキシン・処分場問題愛知ネットワーク

                                       代表 吉川 三津子

 当ネットワークは、石原産業フェロシルト事件や偽装堆肥、鉄鋼スラグ問題などの「偽りのリサイクル」の問題に取り組んできました。その結果、愛知県は平成20年7月より全国に先駆けて「再生資源の適正な活用に関する要綱」を策定し、リサイクルにおける環境汚染を未然に防ぐしくみをつくりました。

ところが昨日、渥美半島を訪れたところ、堆肥だと称して農地に投入されたものにより、耕作地が1mにもおよぶ高さにかさ上げされ、その堆肥だと称した表土からはガラスくずやプラスチック類などが混入されていることが確認できました。また、道路上にまで汚水が流れでいる現場など複数確認しました。

農作物を作ろうとしている農家であれば、有機肥料の適正量はわかっているはずです。さらに、愛知県も「有機資材施用基準」を農家に知らせ、使いすぎは地下水の硝酸性窒素汚染や重金属汚染をもたらすことに警鐘をならしています。こうしたことからも、「堆肥投入」と称して耕作地が膨大にかさ上げされることは不自然です。また、農作物を作ろうとする農家の方が積極的にガラスくず等を含んだ堆肥を使うなど考えられません。さらに、悪臭がひどいことから未完熟堆肥であるとも推測できます。

現場近くの農家の方に聞いたところ「いつもはさらに悪臭が激しい」、「遊休農地を有料で貸す人が多くなってきて困っている」、「多少なりともお金も入ってくるし、草も刈らなくて済むから遊休農地を持っている人は貸すんだよ」とのことでした。売れない堆肥や作りすぎて困っている堆肥を農地に投入している事例や、以前湖西市でもよく似た問題が起きています。

次に出会った現場は、約3mの高さに未完熟堆肥の野積みがされており、異臭を放っていました。近くの農家の方によると「最近までその山は今の何倍もの大きさだった」、「今より異臭を放っていた」、「湯気をあげて発酵していた」とのことでした。堆肥の山からは汚水が流れ出ており、水質汚濁や土壌汚染、肥料取締法、廃棄物処理法などから問題があるのではないかと思っています。

リサイクルは、廃棄物処理法の脱法に使われる可能性が高く、汚染を引き起こすことは、フェロシルト事件や鉄鋼スラグ事件で、愛知県は経験してきたはずです。よって、大きな事件に発展しないためにも以下の事項について質問への回答を求めると同時に要望をいたします。

?.大量の堆肥投入の農地について

(質問1)堆肥の安全性の確認は、県としてどのようにされていますか。

(質問2)完熟した堆肥(製品)として出荷されているか否かの確認は、県としてされていますか。

(質問3)全国で製造されている堆肥は、需要を超えていませんか。愛知県で農地に投入可能な堆肥総量と実際の投入量、製造量を教えてください。

(要望1)私たちが例にあげた事例は氷山の一角。不適正投入の実態調査を求めます。

(要望2)必要以上に投入されていることや、ガラスやプラスチック混入の未完熟堆肥が投入されていることから、偽装リサイクルであり不法投棄が懸念されます。渥美半島の事例について調査を求めます。

(要望3)環境汚染が心配されます。渥美半島の事例について調査を求めます。

?.未完熟堆肥の野積みについて

(質問1)鉄鋼スラグ問題に取り組んだとき、県は「売り先が決まるまでは廃棄物である」との見解を示しました。そして、エイジング中は廃棄物であり、水汚染を防ぐための施設整備を業者にさせました。この見解から判断すれば、製造途中の堆肥は廃棄物となります。未完熟堆肥が、製造施設でもない場所に地面に直接野積みされていることは、廃棄物処理法上、肥料取締法上、水質汚濁防止法上などから問題ではありませんか。見解を求めます。

(質問2)仮に豊橋市での許可業者が、県管轄の自治体に野積みした場合、責任をもって問題解決するのは、県か豊橋市かどちらですか。解決を求めます。

(要望1)悪質なリサイクルを防止するため、立ち入り検査の回数をふやし、搬出先や製品としての価値があるか否かにまでチェックの目を向けてください。

?.その他要望事項について

1.廃棄物、肥料、農業、水および土壌環境などの関連部署が連携して取り組むことを要望します。

つきましては、

要望、質問事項ともに、10日以内にご回答をいただきますようお願いいたします。

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