たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

雪組『壬生義士伝』『Music Revolution』_東京宝塚劇場千穐楽LV

2019年09月01日 21時55分20秒 | 宝塚
 大劇場の観劇録もまだ書けていないまま東京宝塚劇場千穐楽ライブビューイングを迎えました。脱藩して盛岡を離れた寛一郎は二度としづと子どもたちに、生まれてくる子に会うことは叶わなかったことを知ってみるのでなんとも切ない気持ちでライブビューイングスタート。今さらながらに指揮者はいずれの公演も大劇場と同じなのだと知りました。せっかく積み上げたオケピッと舞台との信頼関係と呼吸、東京にいってまたやり直していたら大変ですもんね、そりゃそうかと思ったしだい。

 ライブビューイングならでは、オペラグラスでは細かいところまで追い切れなかった吉村寛一郎が最期を迎える場面、家族を守るために、生きるために人を斬り続けてきた剣客の刀はボロボロになっていて、それでも竹馬の友が差し出した100両の刀は使わずボロボロになった己の刀を自分に向けて最期を迎えた。そのあと大野次郎右衛門は明治政府方の秋田藩を撃ちに行き鉄砲で打たれたということでした。芝居の雪組、日本物の雪組の系譜は層があつく安定しているとあらためて思いました。新選組の殺陣をみながら、『忠臣蔵』が心の中に蘇っていました。女性だけであれだけの殺陣のシーン、すごい。彩凪翔さんの土方歳三、かっこよさがさらに際立っていました。

ライブビューイングのドアップ、麗しくかっこいい。望海さんの横顔、彫刻のように鼻筋が通っていて美しいこと、美しいこと。朝美絢さんの齋藤一の左利きの刀さばきがさらに冴えわたっていたし、芝居力でみせる存在感とドアップのカッコよくさらにいつもどこか斜めにかまえた表情の麗しいこと。自分も飢えていることを隠して自分に握り飯をゆずった寛一郎に、自分が死んでも悲しむものは誰もいない、お前には死んだら悲しむ家族がいる、お前は生きろっていう場面の表情、沁みました。若くしてすでに病に冒されていたであろう永久輝せあさんの沖田総司もドアップで映るたびに麗しかった。真彩希帆ちゃんのしづの歌声はさらに美しく、透明な真水のように静かにさざなみながら望海風斗さんの寛一郎の歌声に重なっていくのが響きました。技術力だけでねじふせない、望海さんの歌声をひきたてつつ寄り添いながら歌う力。二人のデュエットは、わたし旅したことのある雫石、岩手山、そこに流れる中津川の光景が目に浮かんでくるようでした。

 フィナーレの大階段を降りてくる望海さんの表情が、やり切った満足感と無事に終わった安心感で満たされているようにみえました。挨拶がかなり意訳ですが、令和になった年に日本人の心を感じさせる芝居をやれてよかった、恵まれた時代に生きていることがありがたいと思う、毎回芝居の最後、満開の桜のシーンにすごく幸せを感じていたと。ショーにはいろんなものがつまっていた。公演中ほんとに暑かった、劇場にいる三時間だけは暑さを忘れて楽しんでもらえているといいな、終わったらみなさん無事に帰れるかなとずっと心配していた。このメンバーでこの舞台をやれるのは今日が最後。この舞台は雪組生の心にもお客様の心にもずっと残ることを願っていると。同期の凪七瑠海さんと一緒に舞台に立てたことがお互いすごく嬉しそうでした。カーテンコールでは、最初専科の凪七瑠海ですとかたかったのに、東京に来る頃にはすっかり雪組に溶け込んでムービーメーカーになっていたと紹介。受けた凪七瑠海さん、専科のジプシー生活なので仲間ってすごくいいなって思いました、明日からまたジプシー生活に戻りますが、また来たいと。組長さん、今後の予定で『モーツァルト』のことも紹介していて雪組の一員として尊重されていると感じました。今日は書ききれませんが、大劇場で披露されたという「どっせい」を最後万歳三唱に代わって、望海さんの音頭で三唱したり、最後の最後は永久輝せあさんが考えたという雪組ポーズ。収集がつかなくなってきたので、無理やり「本日は本当にありがとうございました」と締めようとするところが望海さんらしかったですかね。真彩ちゃん、また痩せたの?すでに細いですが、歌劇の殿堂のクリスティーヌの衣装のウエスト、とてつもなく細かったですがさらにさらに細くなった? 折れそうでした。

 ショーはダンスダンスダンス。一カ月ほど前にフジテレビの全国ネットで彩風咲奈さんの足の長いことが日本中に知らしめらましたが、ジャズのシーンで長い足を蹴り上げてキックを繰り出してくれるのはいつみても、なんどみても爽快。全国ツアーには彩風さんいないので、ジャズのシーンどうするのかな。

 雪組が終わったということは星組が始まるわけで星組トップコンビのラストラン。三連休を五連休にして東京宝塚劇場に行こうとしていますがその前後はかなりつらい。ひとかけらの勇気をもってローテーション表をようやくみると明日と金曜日、そして五連休明けにお昼休みの
電話当番。つらくて吐きそうです。こんなにわからないことばかりでオロオロなっているのに、不特定多数のある意味前職の対象者たちよりもさらに大変な、不特定多数なのでさらに大変な人たちを相手に顔がみえない電話対応なんて逃げ出したいです。エネルギーもたない。資料は結局読めておらず明日の朝電車の中で眺めるしかないです。吐きそう、いや。生きるために、生活のために人を斬った時代もあったのよ、そう思えば恵まれているじゃないか。そう言い聞かせています。生きることは闘い・・・。

 殿堂の『ファントム』の写真も全く整理しきれていないまま、時間切れとなってきたのでこれにて・・・。

 

星組『食聖』『エクレールブリアン』_大劇場千穐楽LV泣き笑い

2019年09月01日 11時55分40秒 | 宝塚



 昨年6月30日、東京宝塚劇場で『AnotherWorld』『キラー・ルージュ』を観劇したときのブログを読み返してみました。わりと当選しやすい土曜日の11時、友の会貸切公演。1年と2カ月前のことなのに、日比谷を遠く離れてしまったこともあってか、ものすごく時間が流れたような気がします。都心で暮らしていた日々はおとぎの国にいたような感覚。

 月曜日から有給休暇をとった8月19日、宝塚大劇場千穐楽ライブビューイング。ほんとに楽しく、泣いたり笑ったりと忙しい時間でした。大阪と東京で行われた最後のディナーショーも本来は60分のはずが余裕で時間オーバー、歌って踊って紅柳紅子さんも登場し喋り倒した、楽しい時間だったようです。サヨナラショーで紅子が登場するって、前楽のネタバレで知っていたのですがそれでも「おろしておろして、高所恐怖症なのよ」っていいながらセリ上がりで登場したときは意表をつかれた感でした。1時間半の芝居と1時間のショーをやったあとでのサヨナラショーで、あの紅子さんのパワーはどっから出てくるのか、ほんとにすごいと思います。楽しんでほしいという想いがあのパワーを生み出すのでしょうか。短い時間で客席の空気を受けとめながらやりとりしつつ、アドリブで紅子キャラ全開。さわっとこっていいながら、壁や柱をペタペタ。ここがトップスターが立つゼロ番ね、さわっとことって舞台の床をペタペタ。曲目全部はわからずネットにあがっているものを参考に備忘録。

ひとかけらの勇気(紅)
オームシャンティーオーム(全員)
夢を売る男(紅・如月・麻央)
ガイズ&ドールズ(紅・礼)
あなたを見つめると(綺咲)
 紅子さん
キラールージュ(如月・麻央・蓮月)
エストレージャス(礼・如月・麻央中心に)
あなたこそ我が家(紅・綺咲)
Seven Wonders(紅・綺咲)
Good Bye(紅)
ありがたやなんまいだ(全員)

 「夢を売る男」は『オーシャンズ11』のベネディクト。手下が如月蓮さんと麻央侑希さん。歌う人によって雰囲気がずいぶん違うものだと思いました。紅さんベネディクトは地を這うように生きながらここまではいあがってきた、濃い感じでした。そこでかぶった帽子をとったタイミングで男役化粧のままドレスを着た琴さんアデレイドが登場した流れがすごく自然で入り込みやすく素敵でした。くしゃみつき、男役をやった直後にあの可愛い声はすごい。愛理さんの「あなたを見つめると」は『スカーレット・ピンパーネル』から。ライブビューイングでしたがお披露目を思い出すとほんとに成長したなと思いました。「Seven Wonders」は『キャッチミー・イフ・ユーキャン』からかな。世界中旅したけれどあなたの隣が自分の居場所だとわかったという内容の歌が心に響きました。琴さんが紅さんに渡した赤い薔薇の花束。40本あったそうな。白い衣装の紅王子が「Good Bye」って歌いながら客席に一本一本なげていくの、素敵でした。最後は「ありがたやなんまいだ」でチーンの音と共に終了。王道の去り行くトップスターが組子を見回す場面がなかったのが紅さんらしいなと思いました。柚組長、お披露目公演の千穐楽挨拶で「星組20代目トップスター」と誇らしげに紅さんを紹介しているの、メモリアル展でみて胸あつでしたが入団時のすみっこにいた時からずっと知っているのだから涙なりますよね。あったかい千穐楽でした。動画サイトにあがっている楽屋入りの様子、紅さんを迎える星組生たちの本気のキレッキレダンスも胸あつ、娘役さんたちヒールであのダンス。あったかい場面。

 これから雪組ライブビューイング。その前後にひとかけらの勇気をもってローテーション表を確認しなければ。つらすぎるので今すぐ逃げ出したいですがクレジットカードの請求書をみると逃げ出せません。引っ越し代の分割がようやく終わります。また家を出るにはプリンスエドワード島を旅する以上のお金がかかる。デカイ家あるのに何苦労しているのだろうと思いますが自分の人生を生きるために、ひとかけらの勇気をもって歩いていくのみ、車にはねられて死なないようにね・・・。