たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

花組『ポーの一族』_美の宝石箱(3)

2018年03月21日 19時00分07秒 | 宝塚
 極寒の一日、久しぶりにお腹がすいたという感覚が戻りつつある一日、部屋にこれ以上いるとほんとにちっそくしてしまいそうだし、Webメールの仕様が突然変わったら容量めちゃめちゃ食ってしまったみたいであっという間にWifiの残量がなくなってしまったしで、外で息抜き中。こりゃ大変だ。どこまで外で食べられるかなというお試しも兼ねています。なにしろ一週間ほとんどまともに食べられなかったので、明日お昼を外で食べられるか心配。お店がなさすぎてちっそくしそうだし、苦しいところです。

 ようやく久しぶりにお正月の宝塚大劇場遠征写真をアップ。体は無理したし、お財布は痛い。でも行って正解だったと思います。今この時しか出会えなかった舞台、二度と訪れることのない一期一会の出会い。この世にいればこその出会い。生きていればこその出会い。翌日は現実に毒されまくるのが嘘のように、幻想的な世界にひたりつづけました。小池先生が、この作品を舞台化したいために宝塚に入団したという思い入れのある作品。過去にこの人が演じていたらどうだろうと思う役者さんは何人か頭の中をよぎるのですが、明日海さんほどエドガーを等身大で具現化できる役者はもうあらわれないのでは、再演は不可能なのでは、と思うぐらいなりきり感がハンパなかったエドガー。永遠に心の宝石箱に閉じ込めておきたい気持ちです。夢の世界を漂っているような2時間半でした。永遠の時を生きなければならないバンパネラの哀しみ、苦しみ・・・。親に捨てられたエドガーとメリーベルが背負わなければならなくなった運命を思うと切なさがこみあげてくる物語でした。

 劇中にはカップルがたくさん登場しますが、ジェイン(桜咲彩花さん)とクリフォード(鳳月杏さん)のカップルのダンスシーンが素敵だなあと思いました。医者でモテモテで浮気性のクリフォード。シーラ(仙名彩世さん)の誘いにのっていい仲になろうとした瞬間、シーラに脈がないことを知り、ポーツネル男爵一族がバンパネラだと見破ります。その瞬間最初に出た言葉が、メリーベル(華優希さん)と一緒にいる「ジェインがあぶない」。すごく心に残りました。婚約者がいながら浮気しているのに、とっさの時には婚約者を助けに行こうとする姿がなんとも、矛盾を抱えた生身の人間らしい感じがしました。ジェインを助けて行き、ポーツネル男爵一族と対決するとき、回し蹴りする足の長いこと、長いこと。むきだしの感情の現れ方が人間感のうすいバンパネラと対照的でした。十字架におびえるメリーベルの儚いこと、儚いこと。バンパネラとは知らずメリーベルに姉のように接して一族の運命に巻き込まれたジェインもまた哀れだと思いました。黒髪とブルーのドレスが清楚でよくお似合いでした。クリフォードがポーツネル男爵を倒すと悲鳴をあげて倒れ込みました。「ああっ・・・」だったかな。なんとも哀れで、彼女もまた哀しい運命を背負わなければならなくなったのだと響いているように感じました。

 ライブビューイング、第二希望の会場、前方席でよかった。あと4日。


お正月の宝塚ホテル、華やかでした。














大劇場内。
高層ビルの東京宝塚劇場とちがってお城でした。










大劇場正面、入口。




最後、ゴンドラに乗って永遠の旅に出るエドガーとアランの美しさに言葉はいりませんね。




 もしまた遠征できることがあれば、近くの手塚治虫記念館にも行きたいな。『リボンの騎士』が宝塚に着想を得ているのは有名な話だと思います。最初に買ってもらったお弁当箱が『リボンの騎士』でした。小さい頃母が作ってくれたお弁当の味をわたしの体は今も覚えているのだと思います。だからこうして生きながらえることができています。なつかしいな、今も実家のどこかにあるのかな、『リボンの騎士』のお弁当箱・・・。