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【雑感】災害救援、軍はいかに対応すべきか【中文/新華ネット】

http://news.xinhuanet.com/mil/2008-05/16/content_8187100.htm

「専門家」による論評記事。四川大地震への災害派遣の中間報告、的な位置づけを狙っていると思われるが、内容はむしろ総括、論旨は対応の自画自賛に終始しており、さっさと幕引きにしたい当局の意向がありありとわかる。
 筆者は今回の地震に対する人民解放軍、および武装警察の出動はなかなかに迅速であり、その動員力から考えて人民解放軍に対する評価を改めていたのだが。
「西側はこのような時、まず装備を考えるが中国は違う、全ての敵を圧倒せんとする戦闘精神あるのみ」
「この戦闘精神は、災害派遣においてもいかんなく発揮され。道路不通、通信や補給が途絶しても、我々は微塵もたじろぐことなく、最大現努力し、一切の困難を克服し、被災地に向けて前進した」
といった、精神的いいわけをマスコミに発表されたのでは、別の部分で安心してしまう。
 道路は寸断され、解放軍が動員した「兵員だけ」ではなんともならなかった。震源地は3000~4000メートルの山々に囲まれており、解放軍が主に装備するヘリMi-17ではこの高地に展開できなかった。展開できるブラックホークを装備してはいたが、天安門事件の影響で稼動数が10機に減っていた。
 確かにそのような内情はぶちまけられたものではないが、それにしても「戦闘精神があれば装備は不要」では40年前のようだ。
 まあ、先遣隊以降の空挺降下を中止した指揮官もいるので、軍人らしい軍人も残っているようではある。
 ちなみに、山岳地帯への4000メートルからの空挺降下とは、また無謀な事をやらせるものだと思っていたが、飛べるヘリがないので他に手がなく、周りの山が4000メートル以上なので、自然にその高度からの降下になったのが真相のようだ。

 さて、論評では
・即応力
・機動力
・施設能力
・通信能力
・医療救助能力
が、災害派遣では重要であり、全てにおいて人民解放軍および人民武装警察は満足している、と結んでいる。
 その国の国情にあわせて各項目は違うと思うので、わが国との比較をするつもりはない。
 ひとつだけ、「起動力」とは「即応力」を高めるための手段であって、並立させるべきものではない。
「精神力」賛美といい、このあたりの適当な分析といい、軍の近代化はなかなか難しい。

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