http://j.people.com.cn/2008/05/01/jp20080501_87608.html
和平解放前の旧西蔵(チベット)と今日の新西蔵の歴史の発展の全貌を展示する大型展覧会「西蔵今昔」が30日午前、北京民俗文化宮で開幕した。「西蔵の歴史と封建農奴制」「日進月歩の新西蔵」の2部構成。「西蔵の歴史」では、貴重な歴史文献・文化財146点、絵・写真・図表182枚によって、古代から平和解放前までの西蔵の歴史の流れを再現。西蔵地方と祖国の各時代との関係を紹介し、元朝以来中央政府が西蔵に行使してきた有効な主権管轄の状況を展示している。主催は中国共産党中央統一戦線工作部、国務院新聞弁公室、国家民族委員会、西蔵自治区人民政府。
写真(1):ダライ・ラマ14世が1954年に第1回全国人民代表大会(北京)に出席した際、毛沢東主席に献上した琥珀の数珠
写真(2):乾隆帝が創始した「金瓶掣簽」方式によるチベット仏教の最高活仏の転生霊童の認定で使われた金本巴瓶(複製品)
この和訳からも、中共のプロパガンダ臭がただよってくるが、新華ネットを見ると、「反チベット独立捏造キャンペーン」に他ならない。
・チベット歴史展が大反響【中文/新華ネット】
http://news.xinhuanet.com/newscenter/2008-05/01/content_8087617.htm
・チベットの歴史と封建農奴【中文/キャンペーンページ】
http://news.xinhuanet.com/photo/2008-04/30/content_8082315.htm
ダライ・ラマに代表される「旧チベット支配階級」は、血に飢えた、残虐な、「人民の敵」、であり、旧チベットは搾取される農奴と、搾取する貴族に綺麗に分割されている、と写真パネルをつかった展示がされている。
南京大虐殺記念館を初めとして、愛国教育基地として、日本軍の残虐性を捏造した博物館の展示と全く同じノリ。靖国問題の時も、この手のキャンペーンをしていた。
加えて、チベット族の文化と歴史の独自性を頭から否定してかかるその切り口、「中華思想+共産主義」的自画自賛は無敵といえる。
差別・攻撃対象をこれだけ明確に政府が示したのでは、当の政府がその差別・攻撃対象であるチベット亡命政府と対話などしようものなら、「愛国的情熱」に燃えた人民に、「和平的解放」運動を起こされてしまうのではなかろうか。いや、暴力装置さえ抑えておけば、いくらでも弾圧はできるが。
専制体制下の人民は、真実を求めていない、むしろ自分たちが、そうあるべきと思い込んでいる世界を見ることを望んでいる。
極論ではあるが、筆者はこれを否定できない。