goo

2005.12.15雑感

 小泉首相が温総理に筆ペンを借りた話。これは日本国内向けでも中韓向けでもなく、東亜サミットに出席した残りの13カ国向けですね。
 前日まで緊張感を煽るだけ煽っておいて最後の最後にこの大オチ、ちょっと演出過剰の気もしますがこの位の方がわかりやすくていいでしょう。実際毎日新聞によれば、会場からは拍手がおこったとか。あの大舞台、大一番でこんな真似ができるんだから大したもんです。マスコミは劇場という単語が好きなようですが、筆者はアドリブだと思います。狙ってはいたでしょうね。
 それにしても、前回の五百円玉といい、小道具を使ったネタがお気に入りなんですかね。

「署名式では、温首相と小泉首相が隣り合わせの席順。温首相が持参した毛筆ペンで署名を終えると、左隣の小泉首相は自席前に用意されたペンは取らず、温首相の方に右手を差し出した。温首相は一瞬戸惑った表情で右側のアブドラ・マレーシア首相の方を見たが、すぐに小泉首相の意図を解して毛筆ペンを手渡した。小泉首相はこのペンで署名した。
 この一幕に、会場にいた各国外交団から拍手が起きた(毎日新聞)」◆Yahoo headline 2005.12.14 22:17JST 

 東亜サミット絡みで新華社を回ってましたが、温家宝演説を紹介したあたりさわりのないものばかり。中韓反日タッグネタ、14日の「心の問題」発言への脊髄反射ネタはあったものの、全体的に小泉に関しては腫れ物に触れるような感じ。
 筆ペンネタも、どうとらえるべきかおっかなびっくりのようです。
「シンガポール宣言に署名する際、小泉首相は見え見えにペンを「忘れ」、隣の温家宝総理にわざとらしく「ペンを貸す」よう頼んだ。温総理はごく自然に小泉の要求に答えた(中国新聞網)」◆新華網.org 2005.12.15 07:30CST 
 全11行中、上記の内容が2行、大部分は東亜サミットそのものの総括。ただしタイトルが筆ペンネタの上、写真を4枚も載せています。拍手のくだりを省略したり、嫌味程度の表現はあるようですが、コテコテの猿芝居だとわかっていても全体的になんとなく喜びを隠し切れない様子。
 国際先駆導報になると、もう完全に文と写真が乖離してまして。
「小泉の東亜サミットは「決まりの悪い外交」であり、わざと軽口を叩いている(国際先駆導報)」◆新華網.org 2005.12.15 10:45CST 
のタイトルから始まり、文章もタイトルと同じ内容。敢えて書くまでもないと思いますが「中韓に嫌われた日本はアジアで孤立する、以上」の論旨。なのに写真は国際新聞網と同じ、アブドラ、温、小泉の三名が、筆ペンの貸し借りで楽しそうににこにこしてる写真、後ろのおねえちゃん達も白い歯を見せてます。
 結論:「ちょっと筆ペン貸して」って言われたのがよっぽど嬉しかったんだね。

 基本的にKL宣言は日本の意向に沿った、域内主義に偏らないアジアと世界の発展に繋がりそうなものになったし、筆ペンの貸し借りで出席者には花を持たせたし、今回の東亜サミットは成功だと考えています。うまいな小泉。


 写真はEPA-時事、筆ペンネタではない。個人的に慮大統領がなんとなく寂しげなのが心配なので。
 ああ、この人だけまぜてもらえなかったのか。中国には梯子外され「いつか北朝鮮もまぜてね」っていう演説に対しては「ほかのサミット参加国首脳から特別な反応はなかったという」し、すべりまくりってやつ?
 筆ペン一本で会場のウケを取ったのに比べると可哀想すぎる。韓国だってもアメリカに結構ごねてるのに、小泉みたいに慮さんも自分でごねないからだめなのかな?
 また弱気にならなければいいんだが。そういえば慮さんの芸風、自虐ネタだったか。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )